『 土屋孝元のお洒落奇譚。『ロイヤル ハワイアン ホテル』の
ビーチにて。

(2011.07.13)

東京の熱帯夜からオアフのビーチに記憶を戻して。

オアフ島より戻ると、東京の熱帯夜は身体に堪えます。湿度の高低差がこんなにも身体や作業効率に影響をおよぼすとは、さる脳科学者が言っていました。

「気温や気候の暑さ寒さ、空腹感は我慢出来、しかも、そのほうが効率も良いのですが、湿度だけは高いとだめなようなのです、脳科学的には……」

しばし、東京の熱帯夜からオアフの爽やかな風の吹くビーチに記憶を戻して。オアフ島のワイキキビーチ沿いの『ロイヤル ハワイアン ホテル』に、『マイタイ バー』という有名なバーがあります。ここはワイキキでも名所の一つですね。


後に憶を戻して。オアフ島のワイキキビーチ沿いの『ロイヤル ハワイアン ホテル』(1927年創業当時からの外装のピンクで、太平洋のピンクパレスとも別名をもっています。)本館正面を見つつ、ダイヤモンドヘッドを東に見て、夕暮れ時には赤からオレンジ色の日を受けたダイヤモンドヘッドの稜線が綺麗に見え、正面にはワイキキビーチの波の音を聞きながら、日没後にはローカルなハワイアンバンドとフラの踊りも見ることができます。

ワイキキ名所『マイタイ バー』。


このバーの名前、マイタイとはカリフォルニアで産まれたカクテルの事ですが、「ロイヤル・マイタイ」と「スクラッチ・マイタイ」がここ、『マイタイ バー』のオリジナルカクテルです。

「スクラッチ・マイタイ」のレシピは、バカルディ・ホワイト1oz、オレンジ・キュラソー1oz、オレンジ・ジュース1oz、パイナップル・ジュース1oz、アーモンド・シロップ1/8ozにダーク・ラム1ozフロートしたものです!
デコレーションに、パイナップル、チェリー、ライムが飾られます。


『ロイヤル ハワイアン ホテル』は通称”ピンクパレス”と呼ばれており、そのピンクを表現したマイタイが 「ロイヤル・マイタイ」です!
レシピは、バカルディ・ホワイト1oz、アマレット1/2oz、コアントロー1/2oz、オレンジ・ジュース1oz、パイナップル・ジュース1oz、チェリー・バニラ・シロップ1/8ozにダーク・ラムを1ozフロートしたものです!


デコレーションは、「スクラッチ・マイタイ」と同じです。

オアフの気候で飲むカクテルはあまりお酒の強さを感じることなく、飲み口も爽やかで酔いもあまり感じられないのですが、それはハワイ諸島独特の寒流が周りを流れ、比較的乾燥した気候だからかもしれませんね。知らず知らずに飲みすぎてしまい酩酊状態にはならない様にくれぐれもご注意下さいませ。

腹筋が割れている様なお母さん。


何処に出かけても人を見ることが好きなので、いろいろと観察させていただきました。アメリカ本土からの家族連れの多いこと、まあ時期的にも独立記念日のお休みと子供達の夏休みが重なりハワイへ行こうとなったのでしょうか。カリフォルニアからの人達よりも東海岸やメキシコ、オーストラリア、ニュージーランドなどからの家族が多くいるようでした。


以前、撮影でフロリダへ行った時に、撮影スタッフ(アメリカ人のスタイリスト、ヘアーメイクさん達ですが)はハワイロケーションなら、ギャラはいらないなどと言っていました。東海岸の人達にはそれくらい人気があります。
赤ちゃんを連れた家族も多いのです、そのお母さん達はアメリカ人? オーストラリア人? に限りますが、肉体はかなり鍛えられていて腹筋が割れている様なお母さん達もいます。
お父さん達は比較的普通でアメリカ人の一般的な体型です、子供達も普通なのに何故かお母さんだけ鍛えられていて、少し不思議に思いました。

ビーチではノンアルコール・カクテルを。


色々な家族がいるなかでも目立ったのは、中南米からのご夫妻でしょうか、もうかなりのご年配なのですが、奥様はいつも洒落た帽子を被り、最近流行りの女優帽? 水着にビーチドレスを着て優雅にキンデルで読書です。そのビーチドレスに「幸」と「愛」という文字がプリントされていました。


かたやご主人はというと、ボロボロ具合も格好の良いキャップを被り、ワイキキビーチに入るにもキューバ産葉巻を離さず、波に濡れてもくわえた葉巻を口から離しません、お腹の出っ張り具合といい、脚の細さといい、写真で見た、パパ・ヘミングウェイによく似ています。何日も同じ『ロイヤル ハワイアン ホテル』のビーチにいると同じ家族に合う機会が増えて、よく観察させていただきました。

もうひと家族、アフリカ系アメリカ人の一家でお父さんはデンゼル・ワシントンに似て、お母さんはウィーピー・ゴールドバーグ、子供達は見たところラッパーなのですが、きちんとした家族らしく、見た目とは違い、お父さんの言うことは聞いています。その息子達は180cmあるかという長身ですが、浮き輪を被り海に入っていました。ラッパーならかっこ悪くてできませんね。使い終わったタオルはお父さんが息子に命じて持たせています。

日本の海とは違い、ビーチではアルコール禁止なので、かのマイタイ バーでもノンアルコールカクテルを出してくれるのです。昼間のビーチでは「ノンアルコールブルーハワイ」をよく飲みました。

オアフのパワースポットでふしぎな体験。

話は変わりますが、ワイキキビーチの真ん中にはパワースポット「クヒオビーチのウィザード・ストーン」(ワイキキの魔法石)があります。タヒチより4人のカフナ(シャーマン、または呪術者、賢者、予言者)がやって来てオアフの人々にヒーリングの技術を教え、島を離れる時に、この「魔法石」に治癒力と癒しのパワー「マナ」を一ヶ月以上もかけて吹き込んだというのです。今でも謎なのはこの石を一夜でどのように運んだか、いまだにわかっていません。この様な伝承は世界中にあります、海からある人々がやって来ていろいろな事を教えてくれ、そして、また海へ帰って行った。と言うものです。カナダエスキモー、アメリカインディアン、ラップランド、バイキング、ニュージーランドマオリ、ケルト、インド、メキシコインディアン、現世は4代目だとか、長くなり終わらないので、この話はまた、次回……。

オアフ島の真ん中には「クカニロコのバースストーンズ」があります。このバースストーンとは、日本でいうなら平安時代ぐらいの昔から、王家や部族を継ぐものが、この石の上で産まれたといわれています。見学した日は、シャワーのような雨の日でしたが、不思議なことに、そのバースストーンの辺りは濡れていませんでした。

ノースショアにはカメハメハが持ち上げた石、自然石が石に重なり不思議な景観です。みなパワースポットといわれるところでは、手をかざすとエネルギーを感じ、手がしびれたり、温かさを感じ、ふしぎな体験でした。

『ロイヤル ハワイアン ホテル』の敷地も昔はハワイ王家の所有で、アメリカ人実業家が買い取りホテルを建てたのが始まりです。今ではハワイ諸島のハワイアンの聖地も開発のためにだんだんと立ち入り禁止部分が減ってきているようです。どこの国でも地域でも共通の問題で、新しい開発と伝統文化を残すことの難しさを感じます。これはそのまま、今度の震災被災地の再開発問題にも通じるのではと……。

ロイヤル ハワイアン ホテル