LOOK JTB×マガジンハウス magazineworld『心ゆく旅・イタリアハイライト12日間』スペシャルサイトより その21 ~ フィレンツェのガイド ジョットの鐘楼 〜

(2010.04.09)

フィレンツエのシンボル、ドォオモの隣にあるのがジョットの鐘楼。高さ84.7メートルというゴシック様式の建築は、近代絵画の父と呼ばれ、建築家でもあったジョットによる設計。赤、白、緑の大理石が美しい、名建築として知られています。

これがジョットの鐘楼全景。ご覧の通り、細くて長い建物。最上階までは一人6ユーロかかります。

さて。高いところを見ると、登りたくなるのがカメラマンの性。「ドゥオモのクーポラに登るより、こっちのほうが街の景色とドォモが一緒に見られていいはず!」と言って鐘楼登りにチャレンジする小松カメラマン。階段をマッハで駆け下りたことからその名が付いた、アシスタントのマッハ君ももちろん同行。連日の取材疲れを口実に、コーディネーターの臼井嬢、ガイドのみどりさん、そして私は下で待機することに。

しばらくすると、満面の笑みで降りてきた小松さん、アイフォンを片手に「俺は8分で登った。邪魔なおばさんたちさえいなければ、もっと早く登れたのに……」とご満悦。お疲れ様でしたーと、私たちも次の取材に移ります。

そして翌日。またもやドゥオモの周りをうろついていた私たち。鐘楼を見るなり「今日のほうが天気がいい。登ろう!」と小松さん。マジですか。自称63歳なのに……。原稿を書くための必要性を説かれ、私もしぶしぶ同行を決意します。
石造りの鐘楼の内部は、人がどうにかすれ違えるというぐらいの細い階段がえんえんと続きます。日頃文系を自認している運動嫌いの私としては、すでに最初の踊り場でぜいぜい息切れ。あたりを見回すゆとりもありません。言い訳をさせていただければ、何せスキニージーンズの下にヒートテック、さらに足元はシープシキンブーツといういでたちでは、階段を登ろうにも、身動きがとりづらく、関節の自由もままなりません。

ぬか喜びの広間にある鐘。

鐘楼のある広間に付き、やっと着いたーと喜んでいると、「まだまだあります」とマッハ君の無慈悲な一言。ぬか喜びの広間を2回通り抜けてようやく最上階にたどり着いたときにはヒザががくがく笑っている状態。あたりの景色の感想を聞かれても、「……きれいだね(ぜいぜい)」としかいえません。そんな私にまたもやマッハ君「あまり感動とかしないんですねー」。……妙齢女子としては、そんなに気安く感動なんてしなくってよ!

さて、やっと地上に戻れるー! と気を抜いて階段を降りている私に「ストップ!」の掛け声。はにゃ? と思って顔を上げれば、何故か広場でカメラを構えている小松さん。そのカメラの先に目を向ければ、鉄格子がはめられた床が見えます。いやーな予感がして覗き込むと、格子の隙間から100メートルぐらい下の広間が見えるじゃありませんか。
 

これがモンダイの格子。一マスのサイズが大きい上にガタガタするので、更に恐怖が増します。しかしみなさん後ろにある鐘よりもこちらに興味を持つのは何故?
格子の下の眺め。ひー!

突然ですが、こじゃれたレストランなどで、透明なガラスの床ってありますよね。その下になんかオブジェみたいなものを飾ったりしちゃって。私、ああいうものをあまり信用できなくて、極力その上を通りたくないという性質なんです。東京タワーの展望室にあるガラスの床も嫌いです。こともあろうにその私に向かって、「その格子の上に立って笑って」と非情な指令。嫌がる私を尻目に、格子の上に乗ってバシャバシャ写真を撮りまくる外国人のおっさん。ひー! どうにかこうにか妥協点をさぐった結果、端っこを通るだけでカンベンしてもらいました。

というわけでジョットの鐘楼、個人的には格子の恐怖が一番の思い出です。でも、最上階からは小松さんの言うとおり、クーポラと赤い瓦屋根の街並みが一望できますよ。

最上部からの街の眺め。やっぱりきれいです。

 

 

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