from 北海道(道央) – 25 - 第61回「さっぽろ雪まつり」開幕中!!

(2010.02.08)
お馴染みハワイ州ホノルル、キング・ストリートにある「イオラニ宮殿」。この大氷像は、札幌市内近郊のホテルに勤めるシェフが中心になって活動している「日本氷彫刻会北海道地方本部札幌支部」の会員によって、約2週間かけて作られた幻想的な「氷の芸術」です。

市民の祭りから世界的なイベントへ。

先週まで「小樽雪あかりの路」をご紹介してきましたが、ちょうど時期を同じくして、世界的に有名な冬のイベントとなった「さっぽろ雪まつり」が開幕しました。期間は2月5日(金)から11日(木)までの7日間です。

「さっぽろ雪まつり」がスタートしたのは1950(昭和25)年。地元の学生たちが大通公園に雪像を6基作ったことがイベントのスタートでした。現在のような大型の雪像が初めて登場したのは1953(昭和28)年で、1955(昭和30)年から自衛隊が参加して大がかりな雪像作りがスタートしました。

今年は第61回。毎年200万人前後の観光客動員数を誇る、国内でも最大級の冬のイベントへと成長したのです。

さっぽろ雪まつり公式サイト

地球環境の悪化により絶滅の危機にさらされている動物たち。「白くま」「ユキヒョウ」「オランウータン」など、とても丁寧に動物たちの表情が彫り込まれています。大型雪像は、それぞれがステージにもなっていて、期間中様々なイベントが行われます。
今年は「東西ドイツ統一20周年」。ドイツの東、チェコとの国境近くに位置するドレスデン市の「フラウエン教会」。第2次大戦により崩壊し、近年再建されたこの教会をモチーフに、「和解と平和」をメッセージとして託す。
こちらも近年復元された韓国の「百済王宮」。このクラスの大型雪像は、高さ15m、横幅24m、奥行き24m。大型6tトラック約750台で、4,500tもの雪を用いています。制作人員は、延べ約3,900人、29日間かけて制作。
東京ディズニーランドのシンボル「シンデレラ城」、ディズニーシーの豪華客船「S.S.コロンビア号」をバックにミッキーとミニーが。「夢がかなう場所」と名づけられ、このステージでも様々なイベントが開かれる。
お馴染み「ちびまるこちゃん」とその仲間たち。子どもたちが歓声を上げ、記念写真を撮っている親子がたくさんいらっしゃいました。

 
第2会場、すすきの会場もお忘れなく。

メイン会場である大通会場のほかに、1965(昭和40)年から真駒内に第2会場が設けられ、こちらでは大型の雪像のほか、子どもたちが楽しむことのできる滑り台など身体を動かすことに趣向が凝らされていて、自分自身も子どもの頃には真駒内会場で遊ぶことを楽しみにしていました。

会場となっている大通公園の規模を考えると、どうしても配置できる雪像(氷像も含まれます。)などの数に制約があることから、観光客の皆さまにとってはご不便でしょうが、会場を分散する形でイベントは運営されてきました。その後、第2会場は2006(平成18)年から「さとらんど」へ、そして去年からは「つどーむ」へと移動しています。

また、この2つの会場とは別に、すすきのにも雪像が設置され、酔客の眼を楽しませています(酔っていて、気付かないかも知れませんが(笑))。ちなみに、今年の雪像は、市民や海外からの皆さまの手による雪像を含め、大通公園に144基、つどーむに25基、さらにすすきのにも80基が設置され、札幌市内に249基もの雪像が配置されています。

 

今年の雪像作りは、よい雪質に恵まれる。

雪像作りに用いられる雪は、札幌市内及びその近郊から、5tトラックで約6,500台分もの雪を集めています。

ここ数年、暖冬による雪不足で大型雪像の制作にも影響があるのではないかと、関係者の方々は気をもむことが多かったと思いますが、今年の札幌は、一昔前の「冷蔵庫の中にいるかのような寒さ」が続き、雪質もよいことから、雪像もとても綺麗に仕上がっていました。

何せ、気温が上がれば雪像を補修し、雪が降れば雪像に積もった雪をほろい落とす作業が数時間ごとに必要で、期間中のメンテナンスは相当なご苦労が伴います。

市民による小型の雪像も雪まつりには欠かせません。歴女ブームから題材を選んだのでしょうか、「お城」というテーマの雪像。
「雪ミク」。雪まつりの応援キャラクター仕様の「初音ミク」。ご存知インターネット上での人気バーチャル歌手。札幌に本社があるソフトウェア会社が制作したキャラクターです。
何年経っても子どもたちに人気の「機関車トーマス」の雪像。
「氷の広場」ステージ。右側のブースでは、キーボードの生演奏が行われていました。
昨年パリーグ優勝を果たした「北海道日本ハムファイターズ」を応援する氷像。
こちらも薄い氷の板に「カーリング」の光景を掘りこんだ氷像。氷像の前には氷の「ストーン」も置かれていました。

開幕初日の「夜」、大通会場へ。

開幕初日である2月5日(金)の夜、恐らくは雪像自体が最も「よい状態」にあるだろうと考え、大通会場へと向かい写真を撮影してきました。

既に英語、ロシア語、韓国語などが入り混じる、国際色豊かな人出となっていましたが、一昔前に比べてコンセプトがよく分からないほど多くの出店が出展していました。いわば、「何でもあり」という状態でしょうか(苦笑)。

このように出来上がった雪像も、イベントが終わった翌朝からは取り壊される運命にあり、取り壊している現場に立ち会うと、何とも言えない「儚(はかな)さ」を感ぜずにはいられません。

2月11日(木)までの間、「さっぽろ雪まつり」へ、どうぞ足をお運びくださいませ!(「小樽雪あかりの路」も、お忘れなく!!)
 

大通会場には、このような大がかりの「ジャンプ台」が。なかなか見ることのできない迫力のある「スノーボード・ジャンプ」を生で観ることができるとあって、会場は混雑していました。
「スケートリンク」も急遽作られていて、スケートレンタル料金は200円。スケートを始めて滑るのは、なかなか難しいものです。一方で、颯爽と滑る方も。
オホーツクの「蟹」から「えぞ鹿」肉まで、多種多様なジャンルの出店が。
幻想的にライトアップされた「さっぽろテレビ塔」と観光客の皆さん。