伊藤静香の南仏留学日記 - 2 - マルセイエーズ(マルセイユに住む女の子)と巡る、マルセイユ知られざるスポット。

(2010.01.27)

私は大学で美術史と建築学という学科に所属していますが、そこで一番初めに友達になったのがマリーです。彼女はマルセイユに住んでいます。同じフランスでも南仏、特に地中海に面するマルセイユ生まれの彼女はさすがラテン系! 気さくで明るく、とても親切です。冗談も大好き! こっちに来たばかりの頃、マルセイユに行きたいと言ったら、喜んでガイドをしてくれました。

マルセイユの見どころとして有名なのは、イフ島(Il d’if)やノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂(Basilique Notre-Dame de la Garde)あたりですが、せっかくなのでガイドブックには載ってないマリーお勧めのマルセイユのスポットを案内してもらいました。今回はそのうちのいくつか紹介したいと思います。

 
私の住んでいるエックスアンプロバンス(Aix en provence)から、マルセイユまでは、シャトルバスを使って30分。バスカードを作れば週末なら片道1ユーロで行き来ができます。
バスはマルセイユの凱旋門(Arc de Triomphe)と、歴史的建造物にも指定されているマルセイユの中央駅サン・シャルル駅(Gare St-Charles)との間に着きます。

10時にバス停待ち合わせ。のはずが、15分を過ぎても彼女の姿は見当たらず。マルセイユはフランス一治安が悪いと聞いていたのでドキドキしながらマリーを待っていると、「J’arrive(今行く)!!」とメールが。
少なくとも私の周りのフランス人はみんなこんな感じ。

ベンチに座って待ってるうちに、周りでバスを待っている人々が話しかけてきて、気付けばちょっとした井戸端会議になっていました(というかみんな好き勝手にしゃべってました)。さすが賑やかだなあと感心していると、50分遅れでマリーが到着。
 

マリーと。中央駅サン・シャルル駅(Gare St-Charles)からはマルセイユが一望できます。
中央駅サン・シャルル駅(Gare St-Charles)構内。

まず中央駅に行き、地下鉄とバス兼用の回数券を買って、いざ出発。
余談になりますが、昼間のマルセイユを歩くぶんにはそんな危険はありませんが、夜1人で出歩くのはやはり危険なようです。またメトロの中での居眠りももっての外。身ぐるみはがされるよとみんなから脅されました(……それは大げさだと思うけど)。

初めに向かったのが、プラド海岸(Prado)の岸辺にあるボレリー公園(Parc Borély)。17ヘクタールもあるこの公園にはオーナメントとしての彫刻があちこちに点在し、ばら園や植物園、そしてボレリー城(Château Borély)などがあります。
親子連れからお年寄りまで、マルセイユの人々が思い思いの時間を過ごす憩いの場です。

あっという間にお昼になり、旧港(Vieux Port)に移動してランチをすることに。
マルセイユといえばやっぱりブイヤベース。そこでお昼はブイヤベースが食べたい!と言うと、マリーは苦笑い。

なんで? マルセイユの人たちは毎日ブイヤベース食べてるんじゃないの?と聞くと、

「Pas possible(まさか)!」と笑われました。

でもどうしても食べたい!と言うと、じゃあスープ・ドゥ・プワソン(Soupe de poisson)にしなさい。と言われました。

そもそもブイヤベースとは、マルセイユの港に毎朝水揚げされる小魚類の売れ残りをごった煮にし、それを地元の人々が工夫して料理にしていったものです。ブイヤベースは2回に分けてテーブルに運ばれます。まずは前菜としての魚のスープ。この中に、おろしニンニク、チーズ、アイオリをのせたパンを浮かべていただきます(これがスープ・ドゥ・ポワソンです)。

魚のうまみをたっぷり吸ったかりかりのパン、ニンニクのぴりっとした辛さに、チーズのまろやかさが加わり、本当においしい!!! ボリュームもたっぷりです。
私はこれだけでしたが、もしブイヤベースを頼んだら、この後にスープをとった魚のだしがらがメインとして出てきます。
が、やはりマリーの言うように前菜だけで十分だと思います。
 

カフェシモン(Café Simon)にてランチ
スープ・ドゥ・プワソン(Soupe de poisson)ニンニクは自分ですります!

旧港の、イフ島船着場の近くにあるティアール広場(Place Thiars)には気楽に入れるカフェ・レストランがたくさんあります。今回はその中にある『カフェシモン(Café Simon)』というレストランでマリーの友達と合流し、4人でランチをしました。
マルセイユっ子お勧めのカフェ・レストランをいくつか紹介します。

 

Café Simon
28 A Cours Honoré d’Estienne d’Orves, 13001 Marseille, France, 04 91 33 05 14
http://www.cafe-simon.com/

Italia Caffé
14 Place Félix Baret, 13006 Marseille, France04 91 54 06 23‎

Maison Serena B
193 Rue Paradis, 13006 Marseille, France04 91 53 32 56

Le Grand Comptoir de Paris
34 Quai du Port, 13002 Marseille, France‎ – 04 91 90 06 88

La Table marseillaise
Chemin de Palama, 13013 Marseille, France‎ – 04 91 05 30 95‎

 

ティアール広場(Place Thiars)。
マルセイユの市街地。トラムが走っています。

たっぷり食べてカフェを飲みながらおしゃべりをして、次に案内してくれたのがマルセイユ一古い市街地。賑やかな旧港や大通りから1本中に入るともう昼でも閑散としています。住んでいる人々はユダヤ人や黒人が多く、人々の暮らしも決して裕福ではありません。街全体は人気がなく、もの悲しくもありながら、しかしマルセイユの長い歴史を体全体で感じる不思議なものでした。人々の家は、貧しいながらも、かわいらしいガーデニングや、窓からのぞくキリンがいたりと、遊び心たっぷりです。

トラムの中です。トラムの乗車料金は1ユーロです。
飾り窓もカワイイけど、2Fの窓から覗くキリンさん!
旧市街にあったとってもかわいい花屋さん☆

女の子ならやっぱりショッピングは欠かせません! パリに続く第二の都市マルセイユには、大きなショップからこだわりの小さなブティックまで、可愛いお店もたくさんあります!

マルセイユ市街地の道は細いのです。
飾り窓の色、お花に注目。
街にぴったりマッチしている真っ赤な車……

もし街の中心の大通りでショッピングがしたいなら、レピュビュリック通り(Rue de la République)へ。
もし小さなブティックや雑貨屋さん巡りをしたいならジュリアン通り(Cours Julien)がお勧めです。

この日は時間がなくなってしまい、買い物はほとんどできなかったので、マルセイユのブティック巡りはまた別の機会にお届けします^^
 

……の後部座席にお花畑発見!!