from ヘルシンキ - 16 -  「いつも心をオープンに。瞬間を楽しむ!」by Jenny

(2010.12.27)

「フィンランド女性に学ぶ 幸せ力」
File.15 Jenny(32歳)

フィンランドは今年も記録的な豪雪で、
街中がすっかり雪の中。
文字通り白銀の世界です。
今年最後のリポートは、建築士と
アートスクールの学生という二つの顔を持つ
Jennyさんのインタビューをお届けします。

 

■Work:フリーランスとして小さなプロジェクトに参加する働き方。

高校卒業を控えて将来について考えたとき、
アーティスティックであると同時に、社会に現実的に関われる仕事がしたいと思いました。
そして、それが実現できるのは「建築士」だと考えて、大学、大学院で建築を学びました。
建築士の修士号を取り終えるまでにかかった時間は、10年。
その間に、建築事務所でアシスタントとして働いたり、オーストラリアやノルウェーに
交換留学したりと様々な経験をしました。
建築事務所では、学生でありながら旅客船の大きなターミナルの建設プロジェクトに参加。
大学だけでなく、現場で建築について学ぶことができたのはとても大きな財産です。
しかし一方で、将来もし大きな事務所の一員として働いたら、朝から晩まで
コンピュータでの作業に追われることになる、と働き方について考えさせられました。
私にはそれは合わない。できることなら、大きな会社に勤めるのではなく、
フリーランスとして小さなプロジェクトに参加する働き方がいいと
思うようになりました。

大学院で修士号取得後は、子どものための建築学校で講師として働きながら、
アートスクールで絵画の勉強をしています。
絵を描くことは、私にとって日記を書くのと同じことです。
言葉では言えないことを、絵で伝えたいと思っています。
私の絵を通して、私の人生を体験してもらえたら嬉しいです。
もちろん、私の絵を好きになってもらえたらもっと嬉しいです!
 

子どものための建築学校の授業にて。
今年開催した絵画の個展にて。

 

■Happiness:多様な選択をできる自由。

幸せであるためには、多様な選択をできる自由があることがとても大事です。
また、いつも心をオープンにして考えすぎないこと。瞬間を楽しむこと。
絵を描くことも幸せであるために欠かせません。
そして、家族や友人が幸せであること。私は周りの人の気持ちを吸収してしまいます。
周りの人が不幸な状態だと、私もそのように感じてしまうので、
彼らが楽しくいられるように願っています。

2010年のJennyさんの作品の1つ。タイトル“Please take some”。

 

■Dream For Next 10 years:遠くに旅をしたいし、絵を描き続けていたい。

家族も自分も健康で、人生を楽しめること。
遠くに旅をしたいし、絵を描き続けていたいです。
趣味で、友人と一緒にコンテンポラリーダンスのパフォーマンスをしていますが、
将来、建築、絵、ダンスを組み合わせた作品を実現できたらいいなと思っています。
 

メキシコ旅行時の写真。
コンテンポラリーダンスのパフォーマンスをした際の写真。

 

■Message:「お腹の中のお花を育てるように良く食べる」

私が大事にしていることは、「お腹の中のお花を育てるように良く食べる」です!
皆さんも、良く食べてください。
弟も私も日本文化が大好きです。
大学院で建築を勉強していたときは、日本の建築家について研究しました。
村上春樹の小説もたくさん読みましたし、日本文化にはとても興味を持っています。
いつか日本に行ってみたいです。
日本のみなさんにも良かったら、WEBサイトで私の絵を見てもらえたら嬉しいです。

 

 

■取材後記

豪雪と極寒に加えて、日照時間が極端に短い冬のフィンランド。
この季節は、キャンドルに火を灯し、クリスマスに向けた準備で、
家で過ごす時間を楽しみます。

冬のフィンランドの様子。

今年のはじめにスタートしたこのリポートですが、
年末までお付き合いいただき、ありがとうございました。
読者の方からの様々なコメントとてもありがたく拝見しております。
また色々教えていただき感謝申し上げます。
どうぞ皆様、お体にお気をつけになって、よいお年をお迎えください!
また来年も引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

※この内容は、2010年11月取材当時の情報です。