from 四国 – 2 - ミニチュア・マグロは割り箸サイズ

(2008.07.23)
今回は今だけしか食べられない旬な魚を紹介します。
「シンマエ」、「シンマイ」とか「シンコ」と呼ばれている魚です。名前の意味は半人前。そんなレッテルを貼られた魚の正体は、マグロの稚魚です。
この時期に黒潮から離れ、土佐湾を回遊しているこのシンマエはちょうど7月~8月中旬くらいに食べられます。
日持ちのよいマグロとは異なり、この小さなマグロは非常に痛みやすく、その日釣れたものをその日に食べなくてはなりません。しかも、料理人は両手を氷水で冷やしてから魚を下ろし、刺身は氷の上に盛られます。
その繊細な魚だからこそ、透明で瑞々しく、きれいな刺身となります。
この刺身にブシュカンというスダチのような緑色のみかんの皮をのせ、醤油で頂きます。
味はマグロとは全く違い、アジとかイワシをもっとピュアにした、罪悪感を覚えるほどウブな感じです。

近年、この活きのシンマエはマグロ養殖業者が高く買い取ってしまうため、流通量が減り、なかなかお目にかかれない代物となってしまいました。
高知でも魚屋や漁師としっかりとした関係の有る料理屋さんくらいでしか出していません。

この日、シンマエを食べさせてくれたのは「居酒屋 筒」。
ここのマスターは本当に熱心で、夏は川で鮎を釣り、冬には猟銃を持って山にカモやキジを撃ちに行く、すごい人なのです。
他にも、新鮮なカツオと天然アユの塩焼きを頂きました。
旬なものは本当にすばらしい!

 

居酒屋 筒
高知県高知市升形4-4
Tel.088-824-9055
土・日・祝休

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マグロなのに割り箸サイズ。

氷の上に盛られたシンマエの刺身。

カツオの刺身この厚みは高知では標準。

天然アユ。