まだ知られてない箱根・強羅へ 2

(2008.08.05)
富士屋ホテルを見学して、彫刻の森美術館をまわって、それで箱根観光を終えてしまう人は少なくない。箱根に行ったところで、強羅に寄らないパターンもあるだろう。
ま、それはそれで、いいと思う。でも、たいして予定を立てないままフラフラ歩く旅なら、強羅は悪くない。

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強羅公園の花々は、
季節によって移り変わる。

強羅の名所と言えば、まずは大正生まれの強羅公園。「日本初のフランス式庭園」と謳われてはいるが、よくよく見やれば日本庭園の趣も感じられる不思議な空間だ。体力に自信がなければ、勾配差を利用し、西門から下りつつ見学を。

自分で制作の手吹きグラス、
まずデザインを選択。

園内のクラフトハウスでは、陶芸やフラワーアレンジメントなどの体験コースが常時開催されている。

自この日、吹きガラスの講師役を
務めていたガラス作家、柏村さん。

公園を出たら、あとは強羅土産を求めて数軒はしご。昨夜、飲み屋のお客さんが「ココは行ったほうがいいよ!」と提案してくれた店を中心に、歩みを進めていく。

数少ない手作りの和菓子店、
「石川菓子舗」。

「自家製?ええ、ウチの菓子はそうですよ。でも、4~5日は日持ちしますから安心して」
と店員さんが説明する、「石川菓子舗」の<箱根強羅もち>。白玉粉の柔らかい食感と穏やかな甘みが、気持ちを和ませてくれる。

昔ながらの、
塩だけで漬けた梅干しを入手。

食品添加物が気になる人にぜひ訪れてもらいたい、「梅匠 紀伊国屋」。つややかなピンクベージュ色の自然派梅干しは、最近手に入れるのが難しく、いそいそとゲット。ついでに、梅のタネを梅酢に漬けた珍味も。どことなく杏仁の香りが漂い、とても梅のタネとは思えない。

旅先ではなぜか、昼ご飯の時間が早く来るもの。気づけばもう12時だ。
ヨシッと蕎麦屋「かつまた」に向かうも、今日は暖簾ナシ。不定休なので不安だったが、やはりタイミングが合わず残念。地元の方々に評判が高かった店なので、次回の強羅来訪時に再挑戦しようと心に決める。ならば、と気を取り直し、今回は1年ぶりに「花壇」で懐石料理をいただくことにした。

昭和初期の建築、
旧閑院宮別邸。

箱根経験のある方々には耳タコでしょうが、この「花壇」を運営しているのは高級旅館「強羅花壇」。由緒ある旧閑院宮別邸の洋館内で箸を手にすれば、所作だって自然とエレガントになる。えぇ、雰囲気に呑まれやすい性質なもんでして。

季節の花が添えられた日本酒。
家でマネしたい。

でも、冷酒の杯を重ねれば、完全に脱力(←これ、実は2合目)。ほへー

そのまま、帰りは小田急ロマンスカーに乗り、さらに生ビールを飲んで骨抜きに。家に帰ったら、今度は入手したての梅干しをツマミながら一杯。

さーて、次回の強羅は、やっぱり8月16日かな。大文字焼が見たいのと、食べ損ねた蕎麦が気になるのと、また肌に潤いが戻ってくる温泉に入りたいのと。でも、紅葉の季節も捨てがたい。
あれこれ考えているうち……ややや、飲み過ぎました。

強羅花壇で挑戦した手吹きグラスが、
後日我が家に到着。