from 会津 – 1 - ようこそ、「おらほ」へ。

(2010.08.25)
南会津から会津若松へ。会津鉄道の車窓からの風景。のどかで、心が和む。

はじめまして。会津のいいものを伝えるリトルプレス『oraho』の編集発行人のヤマモトと申します。

このたび、こちらのエリアナビで会津のナビゲーターをさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします。

創刊号の表紙を飾るのは、会津の象徴あかべこ。

さて、oraho(おらほ)という言葉は、会津の方言で「私の土地」「私の住んでいるところ」といった意味があります。私は生まれも育ちも会津ですが、高校を卒業して大学進学で上京して以来、今日までずっと東京暮らし。会津で過ごした年月と、東京での年月がちょうど同じくらいになりました。

東京在住なのに、なぜ会津のリトルプレス? なぜナビゲーター? とお思いの方もいらっしゃるでしょう。たしかに、ご指摘の通り。でも、だからこそ、なのです。

住んでいたときにはただの田舎と思っていた故郷。でも、離れて暮らすようになって、住んでいたときには気づかなかった良さが日に日にわかるようになってきました。 帰省するたびに、地元では当たり前すぎてなんでもないことが、かけがえのないものだと気づく。そんなことが繰り返されるうちに、会津の本当にいい部分が、地元の人にも、よその土地の人にも実は伝わっていないんじゃないかと思うようになったのです。

こんな風に感じるようになったのは、たぶん、知らず知らずのうちに、会津人としてでなく、東京人としての目線で見るようになったから。だから、私はその複眼で、あらたな会津の魅力をみなさんにお届けしたいと思います。
 

湯野上温泉駅。味のある看板に目を奪われる。
湯野上温泉〜芦ノ牧温泉南。阿賀野川を見下ろす。
トロッコ列車から臨む田んぼ、畦道、山々。故郷に帰ってきたことを実感するひととき。
小さな頃、暗くなるまで遊んだ場所。あの頃と同じように、頭の上を鳶が飛んでいった。ここは今も変わらない。

ところで、会津って、どんなイメージでしょうか。白虎隊や喜多方ラーメン? 磐梯山? そんなに簡単に片付けないでください。他にもいろいろいいものがあるんですよ。

会津とひとくちに言っても、ものすごく広い! 実は、千葉県や愛媛県と同じくらい広いんです。

猪苗代湖や磐梯山のある東部、中心地の会津若松・喜多方エリア、新潟との県境に接する西会津、そして、南に広がる奥会津。その各地に隠れているいいものを、少しずつご紹介できればと思っています。

日本の原風景がまだしっかりと残っている会津。初めて見る景色であっても、どこかで見たような気がする、なつかしい場所なんじゃないかと思います。景色だけじゃなくて、人もそうだし、暮らし方もそう。まだ、古きよき日本が残っています。

さあ、一緒に会津再発見の旅に出かけましょう。

見渡すかぎり、真っ白な蕎麦の花。新蕎麦の季節はもうすぐ。向こうに見えるのは、会津磐梯山。
夕暮れ時の杉木立。見ていると、なぜか切なくなる。
実家近くの小道。小川は舗装されてしまったけれど、蔵や石垣は昔のまま。
蔵もまた、会津のシンボル。会津を歩けば、蔵に当たります。
猪苗代湖は日本で4番目に大きな湖だって知ってました?