狗飼恭子のロマンティック・オアフ・ストーリー - 17 - 古き良き時代のアメリカを感じる
サーファーの聖地、ノース・ショア。

(2011.07.26)

オヒアレフアに約束を(17/31)
 ノースショアを濡らしていた細かな雨は、いつの間にか止んでいた。
 雲の隙間から差し込んだ暖かな太陽光で、町中がきらきら煌めいている。その隙間に、七色に光る橋が見えた。
 虹だ、そう気づいたときはもう手遅れだ。あっという間に、うすぼんやりとしたを残して消えてしまう。
 いつもそうだ。なんだって、気づくのが遅すぎる。がっかりするわたしに、
 「じゃあ、今度は俺が虹を見せてあげるよ」
 と彼は言った。
 彼が買ってきてくれたのは、鮮やかなシェイブアイスだった。赤や青や黄色や緑や、さっき見たのとおんなじ七色。
 うわあ、喜びの声を上げそうになるのをこらえる。
 「どうせこれも、消えちゃうんでしょう?」
 そう憎まれ口を叩きながら、わたしはかき氷をほおばる。
 虹は、甘くて優しい味がして、わたしの心にふわりと染みた。
(恋愛小説家・狗飼恭子)
つづく »
運が良ければウミガメを至近距離で見ることができる、通称「ラニアケア・ビーチ」。
ノース・ショアの道沿いにぽつんと建つアンティークショップで見つけたユーズド・ボトル。


マツモト・シェイブアイスでレインボーカラーのかき氷を手にする狗飼恭子さん。ボリュームたっぷり!
カメハメハ・ハイウェイ沿い、タートルベイホテル入り口より1.5キロハレイワ寄りにあるカフクのファーマーズ・マーケット。新鮮なフルーツが並ぶ。トウモロコシの産地としても有名。


アンティーク好きの狗飼さんがついつい寄りたくなってしまった魅力的な佇まいのショップ。
グラス・スカート・グリルのオーナー、ジョニーさん。陽気な笑顔と巧みなトークで人気者。


世界的に名高いビーチやサーフ・ポイントが多くあるノース・ショアへは、ぜひ時間を取って出かけたい。ワイキキからの道のりは、パイナップル園や植物園などへの寄り道も楽しめる絶好のドライブポイントでもある。世界中から波乗りに来るサーファー達を眺めるだけでなく、タイミングが良ければウミガメを見ることのできるビーチも。また、カメハメハ・ハイウェイを北上し、海沿いを走る83号線と交わるところにあるハレイワは“オールド・ハワイ”の雰囲気を残している味わい深い街。古い建物や歴史ある個性的な店を眺めながら、ゆっくり寄り道をして。

 

■ DATA

マツモト・シェイブアイス

66-807 Kamehameha Hwy, Haleiwa
Tel.(808)637-4827
9:00~18:00
無休

シェイブ・アイスとはハワイ風かき氷のこと。日系二世としてハワイで生まれ日本で育った松本守さんが、1951年、ハレイワに食料品や日用品を売る店「マツモト・ストア」として創業。当時ハレイワには日系人が多く住み、炎天下のサトウキビ畑で一日中働いて喉が渇くというところからヒントを得てかき氷を販売するようになった。アイスはスモールサイズ$2から。オリジナルのTシャツ($13〜)をはじめ、オリジナルグッズも人気。
 

グラス・スカート・グリル

66-214 Kamehameha Hwy, Haleiwa
Tel.(808)637-4852
11:00~18:00
無休

ハレイワ散策の途中でぜひ立ち寄りたいのがロコにも人気のこのレストラン。ランチにぴったりのハンバーガーやフィッシュ&チップスなどメニューが充実。

 

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■ 関連項目

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過去記事『今こそ、オアフ島!!』
オアフ観光局
iPadアプリ「今こそ! オアフ島」

 

Produce&Photographs: Yuji Komatsu
Special Thanks: Ritsue Honma / O’ahu Visitors Bureau