from 北海道(道央) – 35 -  北海道の「へそ」。FURANOの魅力。

(2010.07.23)
「かなやま湖」のラベンダー畑。

中富良野町「町営ラベンダー園」。

「富良野(ふらの)」は既に、“FURANO”として、北海道の中でも世界的な認知度の高まった地域と言えるでしょう。冬は雪質のよいスキー場、今の時季は「ラベンダー」と、年間を通して人々の心を癒す「地域資源」を有する地域なのです。
 
富良野は「北海道の“へそ”」と言われていて、富良野市は「へその街」と称しています。子どもの頃、母方の祖父の住む帯広へのドライブの途中、「何を基準に「北海道のへそ」と言っているんだろう?」と父親に何度も質問しましたが、明確な答えは結局返ってきませんでした(苦笑)。

そのFURANOですが、北から南へ上富良野町、中富良野町、富良野市、南富良野町の順に、1市3町によって構成されています。
 
中富良野町には「町営ラベンダー園」があり、冬場はスキー場として利用され、今年は6月下旬から8月中旬までの間「観光リフト」が営業していて、山頂展望台からラベンダーとともに富良野盆地や十勝連峰を一望することができます。

また、中富良野町は、山形県長井市の「あやめ」、山口県萩市の「つばき」、兵庫県宝塚市の「すみれ」など、全国9都市が集まる「フラワー都市交流連絡協議会」を結成し、全国的規模での「花による広域連携」を図る取組みも行っています。

 

富良野には多くの「ラベンダー園」が存在する。「なかふらのラベンダー園」は、中富良野町営。
紫色のラベンダーの他に、色鮮やかな花を交互に植え込んでいる。
ラベンダーはシソ科の常緑樹。世界的には紫色の他に、白やピンクの花もある。
リフトで山頂まで登ると、富良野盆地、さらには十勝連峰を望むことができる。

参考:from北海道(道央)過去記事

富良野観光の新しいタイプの拠点として。
「ふらのワイン」工場見学の特色に迫る。

 
 
 
富良野の食材を使った「ピッツァ」「オムカレー」。

富良野にある牧場で育てられた乳牛の新鮮な牛乳。その牛乳から作られるチーズ工房、アイスミルク工房、ピッツァ工房などからなる「富良野チーズ工房」。

海外からのお客様向けの観光コースにも組み込まれていることもあり、いつ行っても大勢のお客さまで賑わっています。

「ピッツァ工房」は、私の高校の先輩・笹栗達夫(ささぐり・たつお)一級建築士が関わっていることから、かねてからお邪魔してみたいと思っていたのですが、念願叶い工房で焼き立ての「ピッツァ・マルゲリータ」を食することができました。

イタリアで多くのピッツァ工房を実際に見て、学び、「本場そのものを表現したかった」という工房。その「熱い想い」が、実際に仕上げられるピッツァの味にも影響しているのでしょう。
 
また、ご当地メニューの一つとして「富良野オムカレー」があり、こちらも富良野で人気の食べ物です。
 

イタリア・ナポリから直輸入したという「ピザ焼き窯」。職人も現地で修行させるという徹底ぶり。
「ピッツァ・マルゲリータ」4分の1サイズを食してみたが、実に美味しい!!
昼時には地元の皆さんで大変混み合っている『山香食堂』さん。「オムカレーが美味しい」という評判を聞きつけて、お邪魔してみた。
「富良野オムカレー」と称するための6か条があるそうだ。お米は富良野産を使い、ライスに工夫を凝らす、卵は原則富良野産を利用するなど、添えられている「ふらの牛乳」も6か条の一つ。

 

「かなやま湖」に面したラベンダー畑。

石狩川の支川である「空知川(そらちがわ)」。その空知川の上流、石狩川水系の中でも歴史のある、1967(昭和42)年に竣功(しゅんこう)した「金山(かなやま)ダム」。農業用水の供給、発電、上水道用水の供給、治水にと多目的に利活用されていて、特に富良野地域における安定的な農業用水供給には大きな役割を果たしています。

ダム湖である「かなやま湖」は南富良野町にあり、町では、ダム湖周辺に広がるとても豊かな自然環境と湖を上手に活用した「まちづくり」に取り組んでいます。
 
全国でも珍しい「湖に面した畑」にラベンダーが植えられていて、まさに今が見頃を迎えています。

1989(平成元)年に開催された「はまなす国体」ではカヌー競技に湖が利用され、その後もカヌー体験は「かなやま湖」で体験することのできる楽しみの一つとなっています。
 

右手に見えるのは「人工ビーチ」。夏を目一杯満喫できます。
「水源の森創造」に向けて、地域が一体となって取り組んでいる。

 

地域に開かれたダムであり続ける「かなやま湖」。

かなやま湖畔キャンプ場、保養センター、オートキャンプ場、ログハウス村など、春・夏・秋・冬を通じて、豊かな自然を満喫するために多くの北海道民が足を運んでいます。実際に、2003(平成15)年度に実施された「ダム湖利用実態調査」では、森林公園やキャンプ場を中心とした野外活動は約29万人に利用されており、全国第1位という記録を残しています。
 
特に、1994(平成6)年4月にオープンした「ログホテルラーチ」を中心とした「ログハウスコテージ」は、施設自体が充実し、ロケーションも素晴らしく、「地域に開かれたダム」の中心施設としての役割も担っています。ペットをログハウスコテージに同宿させることも、一定の条件の下で可能ということで、北海道民のみならず、犬とともに長期滞在される関東や関西からのお客さまにも大変好評のようです。

ちなみに、「ログホテルラーチ」の食事は、「富良野ワイン」とともにフレンチのフルコースが用意されていて、実際にハイレベルな食事を楽しむことができます。
 
また、南富良野町では「水源の森創造」に努めていて、成長まで100年かかるカラマツの植樹、一方で絶滅危惧種である「イトウ」の保護管理活動にも力を入れていて、全国で初めてとなる「単一水生動物保護条例」を2009(平成21)年4月に制定するなど、自然と人間生活との調和にも全力で取り組んでいます。

“FURANO”に足を運ばれる際には、是非「かなやま湖」にもお立ち寄りいただき、素晴らしい環境の中で「ゆったりとした時間」を過ごされることをお勧めします。
 

「かなやま湖 ログホテルラーチ」。旭川・帯広間の都市間バスを利用し、旭川駅前からは2時間弱。
「ログハウスコテージ」は、5人用と8人用が用意されていて、家族やグループで長期滞在される方が多い。調理用具や設備も各コテージに準備されているので、食材を持ち込み、ゆったりとした時間を過ごすことができる。
「ログハウスコテージ」1階。のんびりできるソファーやカウンターなど、森の中の別荘気分を味わえる。地下には広々としたベッドが、人数分配備されている。
ベランダではBBQも楽しむことができる。まさに「至れり尽くせり」。