土屋孝元のお洒落奇譚。土曜日の朝 サンジェルマン・デ・プレ 『カフェ・ド・フロール』にて。
(2014.10.15)
テラス席にて人間観察。
ハワイでも、アメリカでも、ニュージーランドでも、パリでもプーケットでも、旅行に出るとカフェのオープンテラスの席に座り、街を歩く人やカフェに来る人を見るのが好きです。
先月の土曜日の朝 パリ サンジェルマン・デ・プレの『カフェ・ド・フロール Café de Flore』のオープン席にての観察です。隣の席にはイギリスからの週末旅行に来た大学生か社会人? の女性ふたりと男性が座って朝ごはんを食べています。ジュ・ド・ランジュ(なぜか必ずフレッシュオレンジジュース)とクロワッサン、ジャンボンフロマージュ(バケットにパリジャンというハムとグリエールチーズを挟んだサンドイッチ)、カフェ・オレかカプチーノ、オーダーしたものがサーブされると金髪の女性が立ち上がりニコンのデジタル一眼レフで撮影を始めました。雑誌の編集者かと思ったら、どうも違うようです。
男性もブルーグレーのウインドーペインのスーツを着こなし、シャツもカフスもポケットチーフも靴もスーツに合わせお洒落なのです。女性達もフェミニンなフラワープリントミニワンピースに革ジャン、ベレー帽を被りボーダーニットにレギンス、ハイヒール、ブーティとこちらもなかなかのお洒落さんです。
カプチーノに、
エシレバターを塗ったトーストを浸して。
何気なくサンジェルマンの大通りに目をやると、4トンよりは大きいと思われるトラックの前にギリギリ1台分空きがあるので駐車しようとしている明るいベージュに茶の幌のミニクーパーカブリオレが来て、そこに停めようと何回も切り返し、前の車のバンパーにすこし当ててやっと駐車しました。30代後半か40代の大学の先生風パリジャンで、ブラウンのハンティング用ジャケットにチェックのシャツ、グレーのパンツいかにもの服装です、ここではバンパーに当てるのはお互い気にしないようですね。
そうこうするうちに前の車が出て行って、そのミニクーパーカブリオレは前に詰めるように駐め直します、そこへ若いパリジェンヌが運転する明るいグリーンのアルト(スズキ)がやって来てミニとトラックの間に停めようと言うのでしょう。とても入らないとミニの男性が声をかけますが、大丈夫とアルトを動かし前後のクルマにぶつかりながら駐めてしまいました。パリジェンヌのほうが大胆で運転に慣れています。東京ではあまり見ない明るい茶色のアウディTTクーペがやって来て駐車し、マダム達が降りカフェにやって来て隣の席に座わりました。
オーダーをなんとなしに聞いていると カプチーノとトースト、バターは勿論エシレバターでジャム、コンフェチュールは取らずにパンだけで、エシレバターをトーストにたっぷり塗りコーヒー用のお砂糖をそこへ振りかけます、それをカプチーノに浸して食べているのです。
マダムのファッションは頭にサングラスを乗せ ダイモンドのバングルや指輪も三重くらいにつけてシミも気にしないのか真っ黒に日焼けしています。革のミニドレスに革ジャンといういかにもスペインマダムと思われる服装でスペイン語で早口におしゃべりしています。

またまたサンジェルマン大通りに目を移すと、例のトラックが出て行きそこへグレーとマルーンのツートンのマイバッハが駐車しました。中から運転手さんが降りてきて周りを気にしています、時間を気にしているようないないような 『カフェ・ド・フロール』の店内からチャイニーズか東洋風の紳士が現れ足早にマイバッハに乗り込み出て行ってしまいました。この紳士がチョーユンファ似で身長もあり スーツも似合っていて映画に見るような一瞬の出来事でした。
お隣のイギリスからの3人組はしばらく撮影をして飽きたのか 何処かへ出て行ってしまいました。土曜日の朝 サンジェルマンデプレの『カフェ・ド・フロール』の前は駐車スペースを取り合い、どんなに狭い所でも無理やり駐車してこのカフェに来るのがステイタスなのかなと思いますがどうでしょうか、パリでは流行りなのかもしれません。東京だとピカピカの自分の新車を自らぶつける人は少ないと思います、これも文化の違いなのかもしれませんね。
