from 四国 – 5 - 奈落の底の桃源郷「祖谷」の秘湯へ。

(2008.11.13)

今回はいつもの高知県の話題ではなく、おとなり徳島県の祖谷の秘湯を紹介します。
隣の県とはいえ意外と近く、高知市から向かうのであれば「日本最後の清流」といわれる四万十川よりも近く、車なら1時間半ほどで着きます。
吉野川沿いの景勝地、大歩危・小歩危よりひと山越えたところにある祖谷の里は日本三大秘境に数えられる切り立ったV字谷の集落。かつては屋島の合戦で敗れた平家が長く身を潜めた地としても有名です。
そもそも四国は温泉が少ないのですが、この祖谷地区には温泉が多数あります。
その中でも私が愛してやまないのがホテル祖谷温泉の露天風呂。
集落から少し離れた山道に突如現れるこの宿は祖谷でも老舗の温泉旅館です。
何がすごいって露天風呂までの行き方が尋常ではありません。
ケーブルカーを使い42度の急角度をゆっくりと降りていくのです。
その高低差170m!
向かいの山肌や左右を眺めると紅葉を楽しめるのですが、下をみると奈落に吸い込まれるかのような急角度で、思わず手に汗握ります。


約5分で谷底に到着。この渓谷を作り出した祖谷川沿いに露天風呂があるのです。
源泉かけ流しで湯温は39℃。
微発泡の白濁した湯船は最初少しぬるく感じますが、ゆったりと、ゆったりと1時間ほど浸かると体は芯まで温まり、疲れも感じず、身も心もリフレッシュできる、まさに桃源郷なのです。
2ヶ月に1度は訪ねるようにしていますが、この渓谷の四季の移ろいを見るだけでも価値があるのではないでしょうか。
今回は思ったほど紅葉が進んでいなかったので、また近いうちに訪れる予定です。
あ、確かに関東にもこういった露天風呂は多くあるとは思います。
でもここは秘湯。平日ならほぼ貸し切り状態でゆったりと物思いにふけられるのです。

温泉からの眺め

紅葉の見頃はもう少し先

高さ14mのかずら橋ユラユラ

太くて喉越しの良い祖谷そば

他にも名所として「かずら橋」や名物「祖谷そば」があります。

こういった身近なチルアウト・ポイントを今後も紹介していきます。