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ライトアップされたスカラ座広場。左手奥の建物がスカラ座。 |
猛暑続きのあつ〜い夏が終わったかと思ったら、あれよあれよと今年もスカラ座が開幕。あっという間に年末です。ミラノはもう3回も雪が降り、今年も極寒の様相。今週末はマイナス6度!というニュースまで流れてきて、防寒に必死です。
さて、そんなミラノで本格的な冬に突入したと感じるのが、スカラ座のオープンニング。毎年12月7日、ミラノの守護聖人サンタンブロージョの祝日と決まっていて、政財界の要人がスカラ座に勢揃い、シーズンの開幕を祝います。今年はワーグナーの『ワルキューレ』が演目。4時間近くにおよぶ大作のため、17時からの開演でした。終わったのは22時半。幕間も45分とか長かったけど、今年はデジタル放送のおかげで自宅でのんびり観劇。気持ちが豊かになりました。
そして今回、おそらく初めてのことだと思うのですが、指揮者ダニエル・ボレンボイムが演奏開始前に一言スピーチ。イタリアの文化芸術の将来への憂慮を表明しつつ、イタリアの憲法第9条を読み上げ、芸術振興を国民に呼びかけました。イタリアの経済環境も厳しく、いろいろなところで予算カットが行われているのですが、芸術は人類の大切な遺産。このメッセージに多くの人が賞賛を捧げました。イタリアの憲法第9条には、「国家は、その歴史的芸術遺産と背景を守り、文化と科学技術の振興に勤しむ」とあるそうで、さすがイタリア。文化的背景の厚み、懐の違いを感じた一夜でした。
スカラ座の初日のチケットは高額でさらになかなか手に入らない代物。でも、ヴィットリオ・エマヌエレのガレリア下に大画面が設置され、街を行き交う人が誰でも見られるような配慮が心憎い(毎年凄い人だかりです)ミラノ。オペラが街から聞こえてくるなんて、素敵だと思いませんか?
ミラノのもう一つの年末模様が、クリスマスのイルミネーション。どんより曇り空、暗いイメージのミラノの冬を鮮やかに彩ってくれて、心が躍ります。今年はLuce Designというイベントを企画。デザイナーとコラボで、いつもとはひと味違うイルミネーションです。
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著名デザイナー、ファビオ・ノヴェンブレがデザインしたというスピガ通りのLUCE(ルーチェ)。モーダの街ミラノの夜、ワードローブが空に浮かび上がってきます。 |
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ファッション・ディストリクトのコルソ・コモ通り上には雲の物体が浮遊。よーく見るとチュールとLEDライト。ちょっとメルヘンチックで微笑ましい。 |
この週末はひさびさの快晴でお散歩日和。寒さもやや緩んだので、多くの人がクリスマス・ショッピングに出かけた模様。ドゥオーモ界隈はのろのろ歩きでしか移動できないくらいの大盛況。やはりイタリア人にとって大事なクリスマス。唯一、お財布のヒモを緩めて許される時なのかも。
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クリスマス・ショッピングに向けてウィンドゥも様々。ミラノを代表するセレクトショップでは、あったかそうなムートンと白のタートルニットワンピ、ケリータイプのバッグで上品ミラネーゼスタイルを提案。 |
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メインはおなじみドゥオーモと40mの高さを誇るもみの木のツリー。ちょっとぶれてしまってますがお許しを。ツリーの下にはティファニーのギフトボックスが……(実体はティファニーのテンポラリーショップです)。イタリア人はみんな、もらったギフトはすぐに開けてみるのがお約束ですが、クリスマスだけは特別。持ち帰って家のツリー下に飾って(このティファニーボックスみたいに)、25日を楽しみにまちます。 |