from 北京 – 9 - 酔いどれ広報マン、旧正月の街歩き

(2009.01.27)

日本はすっかり正月気分も抜けた頃かと思いますが、こちらはまだまだ、というかお正月のまっただ中。そんな中ワタシはといえば、年間を通して最も仕事が落ち着く時期にあります。そんな時期ということもあって、たまには街歩きでもしてみようと思い立ち、南羅鼓巷(ナンルォグゥシャン)というカフェストリートに行ってきました。ここはちょうど私が北京に赴任した頃、『ブルータス』で中国特集号が出て、その際大きく取り上げられました。当時、毛沢東の表紙が印象的なそれを手に、南羅鼓巷を歩く日本人を多く見たものです。まあ、私もその一人だったワケですが。

そんな南羅鼓巷ですが、前述の『ブルータス』が取材を行なっていたであろう約2年前からは、若干観光地化しています。もともとバックパッカーを中心に欧米人観光客も多く、その傾向はあったものの、オリンピックに前後して、その傾向に拍車がかかった感じです。通りの入り口には立派な門まで建ってしまうほど。舗装もところどころ地面むき出しだったのが、石畳で綺麗に舗装されてしまいました。これは北京の伝統的な街並を模した舗装なのですが、当時を知る人からすれば「ずいぶん綺麗になっちゃったもんだ」と感じることでしょう。

ブルータス編集部の皆さま、こんな門が出来て、道も綺麗に舗装されてしまいましたよ!
古い街並と共存した、新しさ。中国らしくもあり、そうでないようにも。独特の雰囲気があります。

さて、まずは腹ごしらえ(そればっかw)ということで向かった先は、この辺りでは老舗、先駆けである『過客(Pass by Bar)』です。この店がオープンして賑わったことから、このカフェストリートが形成されていったそうです。北京の古くからの胡同(フートン 中国語で小道の意)にある建物をリノベしたその店の中は、お客さんでいっぱい。現在はお店の横にTシャツや雑貨を扱う店を併設し、南羅鼓巷の中にもう一店舗を構えるまでになっています。でも、新しい店より、古い建物で雰囲気の良いこの店の方が、私は好きかな。私のココでのお気に入りの過ごし方は、GUINNESSを片手にパスタを食べ、読書すること。オヒトリサマには優しい店です、はい。

もはや老舗の風格が出て来た感も?いつもお店の中は人種も様々に賑わっています。
四合院造りの建物の中庭部分は、テラス席に。サンルーフと密閉の扉、ストーブで冬でも快適。
ギネスをドラフトで飲める店も、まだまだ中国では少ないです。中国でもクリーミィな泡は健在です。

 

今日はまだ、目当ての店が二つ。『過客』でコーヒーを飲んでのんびりしたい気持ちを抑え、次の店へ。それはこの通りの中でもひときわ小さく「店」とも呼べないほどの佇まい。ココは切り紙屋さん。伝統的な装飾の一つで、中国では春節になると軒先に、切り紙で「福」を模したそれを飾るのです。私の買ったものは一つ10元(150円くらい)。中国の人はコレを、扉に逆さに貼付けるのです。なぜ逆さなのかと言うと、中国語でその様子を指す「倒(ダオ)」が、到来するという意味の「到(ダオ)」発音が同じで、それに引っ掛けて「幸福が到来しますように」というワケ。ちなみに店頭に書いてあるように、店主はこの切り紙を「全て手作業で作ったものだ」と言ってるけど、きっと違う気がする(笑)まあ、どっちでも良いんですけどね。

三人も入ればもう満員というスペース。「全世界最低価」の張り紙に偽りは?なし??
ちゃんと素敵な額に入れてあげれば、オリエンタルな雰囲気漂う良いインテリアになると思うんですよね。
いろんな図案があって、お店のおじさんに聞けば、いろいろ探して出してくれます。

最後に向かった先は・・・この大行列。行列ができる店、ってのはあまりないんですけどね。ここは『文宇奶酪店』 というデザートのお店。「奶酪(ナイラオ)」ってのは乳製品を示すコトバで、同じく「奶酪店」と言っても売ってるモノがお店によって違っていたりするのですが、ココのお店で売っているのはミルクプリンに近い奶酪。10分くらい並んでゲットしたのは小豆が乗った奶酪。ふるふるしたプリンは乳臭さの残る素朴な味で、キモチもほっこり。ただし、キモチはほっこりしても、体はほっこりしない。北京はただいま最高気温がマイナスの酷寒。思い出しただけで寒くなっちゃいそうなので、今回はこんなトコで。ではでは、再見!

いつも大行列。以前来た時は、開店前から人が並び始めてました。地元率高し、です。
やっとたどり着いた店内。宮廷で食べられていた逸話などが、価格表とともに書かれています。
これで9元(130円くらい)です。お店の概観の割に、容器は以外とポップですね。笑