from 仙台 – 8 - 新仙台紀行とサディスティック メルヘン。

(2009.06.02)

水面に光る日差しに、初夏の香りを感じる美しい季節を仙台の街は迎えようとしております。
皆様の街では、どのような季節をお迎えですか?
今回は、新日本紀行のように新仙台紀行として、仙台の知られざるコンテンポラリーなアートシーンをご一緒に歩いてみたいと思います。

第一回は、SOYsourceの日本バプテスト仙台基督教会。
最近の仙台では、以前にもご紹介した『せんだいメディアテーク』をはじめ、多くの新建築が生まれ、一つの観光ともなっております。その中、英国の『wallpaper』でも紹介された、今の季節にぴったりの、アートフロントなアーキテクトSOYsourceの日本バプテスト仙台基督教会、を皆さんと探訪して見たいと思います。

世界を旅して、印象に残ることといえば、教会建築がその一つであると思いますし、教会は、その国の文化の象徴です。そのなか、SOYsourceが求めた教会建築とは、豊かに変化しつつ、記憶に残る建築、「老いる建築」である。

wallpaperでも紹介され今や仙台の代表建築。
窓枠の意匠と壁装のデコボコのコントラストが象徴的。
愛と光のある教会内部。

彼らが言う、そのでこぼこざらざらした不均質で着色されたコンクリートが雨だれや汚れをものともせず、それ自体が新しい意匠になり、経年変化を受容する。同時に重量感やモノの厚さが感じられ、無条件に触れたくなるような面は、触覚的な記憶に訴える。変化に戸惑うことのない岩肌のような壁に包まれた内部には、洞窟のような安心感のある空間が生まれた。教会という組織がこれから50年の時間と場所をつくっていく、始まりの点を手伝ったのだと素晴らしい心温まる牧師様と東北の若手建築家の出会いが、愛と光ある空間をつくりました。
私も何度も訪れましたが、いつも愛に包まれます。是非多くの皆様にもご覧いただき、その美しさをご堪能いただければと思います。

日本バプテスト仙台基督教会
●宮城県仙台市青葉区木町通2-1-5
  

荒縄とピラミッドブロックのコントラスト。

私事で恐縮ですが、半年振りに、新作『サディスティック メルヘン』を発表します。
メルヘン(童話の世界)は、オオカミが人間を食べたり、魔女が出てきて毒をもったり、こぶたのおうちに火をつけたりと子供心に残酷だけど、可愛くて愛おしいものでした。 そのメルヘンの解釈を今、ブランコで表現しました。荒縄とピラミッドブロックのコントラストによる美しさを是非ご体験ください。