from 鳥取 – 15 - 好評開催中の『世界砂像フェスティバル』開幕直前の現場で見た、砂像制作の舞台裏。

(2009.04.28)

4月18日より、鳥取砂丘オアシス広場で好評開催中の『世界砂像フェスティバル』。
高さ約8m、幅約30mにもおよぶ巨大シンボル砂像(下写真)をはじめ、世界トップレベルの砂の彫刻家が作り上げた計19体の砂像が展示されています。

初日には8000人を超える入場者が県内外より訪れました。
会場に訪れた人々からは、作品のその見事な完成度に、驚きや感嘆の声が次々と挙がっています。
本当に砂だけでできているの?
と疑惑に似た感情を抱かずにはいられないほど精巧にできていますが、砂の塊を削りだしていくという非常にシンプルな方法でつくられています。

巨大シンボル砂像(※一部分)

その制作現場へ、開幕直前の14日、お邪魔してきました。
4月初めに砂像制作がスタートしてから比較的天候に恵まれていましたが、この日は朝からあいにくの雨模様。
午後より「世界砂像選手権inとっとり」の審査会が行われるということもあって、少しでも完成度を高めようと、世界10カ国からエントリーした選手達は緊張感で張り詰めた空気と雨の中、黙々と作業を行っていました。

世界砂像選手権で制作される砂像の大きさは高さ約6メートル、幅約10メートル。
会場入り口より遠くに見えていた10体の砂像ですが、だんだんと近づくにつれその大きさに圧倒されます。
上写真は巨大シンボル砂像の一部ですが、左手前を観ると人に人が群がっているのがわかりますか?…そうです、これは日本のみなさんにもおなじみの「ガリバー旅行記」の一場面。

このように「世界の童話」をテーマに、各国の国際色豊かに表現されています。
以前、同じく鳥取砂丘で開催された「砂の美術館」では、「イタリア・ルネサンス」や「世界遺産・アジア編」をテーマに、歴史的建造物などが砂で再現されましたが、このたびは作者の創造性・独創性がひとつの見どころとなります。
おなじ砂でも、表現の仕方は様々。

作者の個性が作品に映し出され、かなり見ごたえありです。
そしてこれらがすべて、砂だけでできてるということに驚かずにはいられません。
表面には水溶性の糊を溶いたスプレーを吹き付けますが、この日のような雨は大敵。
ちょうどその時、砂像の一部が崩れた場面に遭遇。(右写真)
あ゛ーーー!!!

現場の空気から、声を押し殺し心の中で叫びましたが…、砂像の儚さを目の当たりにした瞬間でした。
こっちの心配はよそに、大きく取り乱す様子も無く、ただただ冷静に修正作業を行っている作者。

その姿に、プロ魂を感じました。
それもそのはず、ここへ集まった砂の彫刻家たちは世界各国で行われた大会で優勝または上位に入賞した作家ばかり。
このようなハイレベルの作品を一度に見ることのできる機会は、なかなかないのでは?
夜は幻想的なライトアップも行われます。

またイベントを盛り上げるべく、因幡の伝統芸能などのステージイベント、グルメ・バザールゾーンも充実しています。
中には、因幡の食材をPRするため公募によるコンテスト選ばれた「因幡のじげ弁」(じげとは鳥取弁で地元のという意味)が販売されるブーズも出店されますので、ぜひご賞味ください!
姫路⇔鳥取間を結ぶ鳥取自動車道も一部開通し、関西方面から会場へのアクセスも便利になりました。(駐車場から会場までの無料シャトルバスも運行されます。)
期間中はゴールデンウィークも含まれますし、ぜひみなさん揃って『世界砂像フェスティバル』」へお越し下さい!

※注:無料の高速道路「鳥取自動車道」が、2009年度に鳥取県側が全面開通するのを記念して開催されるイベント。

 

●2009鳥取・因幡の祭典オープニングイベント「世界砂像フェスティバル」

開催期間:2009年4月18日(土)~5月31日(日)
開催場所:鳥取砂丘オアシス広場(鳥取市福部町)
入場料金(当日券):大人1,300円、小中学生600円
問合せ先:2009鳥取・因幡の祭典実行委員会 TEL 0857-27-8001
公式サイト:http://www.tottori-inaba.jp/

 

入口正面にある鳥取の神話「因幡の白兎」をモチーフとした砂像
制作中の巨大砂像