from 鳥取 - 81 - 甘くてちょっぴり渋い?
西条柿のスウィーツ

(2011.10.18)

昔からあるんです。

鳥取県東部の因幡地方を代表する特産物「西条柿」。西条柿の歴史は古く、今から500年以上前の16世紀半ば戦国時代、戦の際に武士の保存食として干し柿が珍重されていたそうです。

本格的に栽培され始めたのは昭和の時代に入ってからで、それまではほとんどが干し柿(これも昔のスウィーツ?)として利用されていましたが、渋抜き技術が普及されると飛躍的に増えたそうです。 


渋っ!

西条柿はそのままでは食べられないってご存じですか? 綺麗なオレンジ色をしていますが、そのままかじるとチョー渋い! 口の中がなんともいえない渋みでどうにかなっちゃう感じです(よい子はマネをしない方が良さそうです。)。この渋みはタンニンという成分で、アルコールの排泄をすすめ二日酔いにも効果があると言われていますので、心当たりのある方には西条柿がおすすめ!(ただし渋抜き加工してあるものを食べてくださいネ。)


干し柿だけじゃないんです。

西条柿の干し柿は中国地方ではごくふつーですが、西条柿を使ったお菓子はあまり見られません。というのも、渋柿は渋抜きしても加熱すると渋が戻ってくるらしいのです。ほとんどのお菓子は熱を加えて製造されるので、渋抜きしてある生の西条柿をお菓子に加えるとチョー渋!となってしまうのだとか。渋抜きといっても渋が抜ける訳ではなく、渋が感じられなくなるだけのことなんですって。不思議ですね~。


只今開発中!

鳥取県では西条柿の生産を日本一にするため、平成21年度から「西条柿日本一戦略推進協議会」を起ち上げ、官民一緒になって西条柿の推進運動を展開しています。その中の活動の一つとして、鳥取いなば農協の西条柿を使った「西条柿スウィーツ」開発があります。今年で3年目とのことで、地元のお菓子屋さん9社に開発してもらっており、この秋開発商品の発表をされるとのこと。食べるのが楽しみです。

もう一つ開発しています。

西条柿スウィーツを年中食べてもらうため、必要な柿原料を確保する研究も併せて進めています。加熱しても渋戻りしない技術を地方独立行政法人鳥取県産業技術センター食品開発研究所が開発され、協議会ではその技術に基づいて西条柿ピューレの試作に取り組んでいます。

これからは一年中西条柿スウィーツが食べられそうです。二日酔い防止に甘辛党には嬉しいですね。