from 京都 – 2 - 美しきアーティスト・ジュエリーとの出会い。

(2010.04.09)
paveという名のリング。ヨーロッパの石畳、飛び石をイメージして、四角いリズムで構成したそう。
ネックレスtommorow。ダイヤのグラデーションが美しく、歩くたびに揺れるのも素敵。

京都にはたくさんの素敵なものがあります。神社仏閣はもちろんですが、伝統文化、自然、食べ物…挙げていったらきりがないほど。その中でも、京都在住12年の私が特に「素敵で楽しい」と思うのは、京都人とのコミュニケーションなのでした。京都人=「いけず」というイメージがあるかもしれません。確かに、最初はそうなのです。店でも何でも、2、3回通いつめると、主人が出てきて、話してくれるようになる。そうなれば、お付き合いはさらに奥深くなり「表には出てこない京都」を、教えてくれたりするのです。

京都ホテルオークラの地下にある『イムラ アート ジェム』も、そのようなご紹介で知ったのです。ここはファイン・ジュエリーをセレクトしている店なのですが、美意識で貫かれた品ぞろえが特徴。京都では珍しく、洗練されたスタイリッシュな印象を持っているのでした。その印象もさることながら、もっとも心をとらえたのが、今井訓子さんというアーティストの作る一連のジュエリーです。ショーウィンドウにいくつかあった中で、手に取ってみたのは、大振りの淡水バロックパールのリング。それは、薬指にすんなりとフィットして、華やかで上品な…そして繊細な指先を演出してくれたのでした。

今井訓子さんは、生粋の京都人。生家は呉服業ですが、宝石が好きだったことから、ジュエリー・アーティストへの道を進んだそう。日本人にもなじみの深いパールをメイン素材に、今の時代の雰囲気を取り込んだ、華奢でモダンなデザインが得意です。「豪華、権威的なイメージはあまり好きではありません。石の大きさなどに左右されるのではなく、小さくても存在自体が心に響くものを作りたいですね。その人にとって、特別なジュエリーとなるような」。そう今井さんは話します。大きな賞の受賞歴もあるのですが、彼女の物作りは等身大で、潔いのでした。お茶のお手前は、師範とも。作品の一つ一つに、銘がありストーリがあることも、控えめな作意も、茶の湯の精神と無関係ではないのかもしれません。新作を発表するのは年に一回。ゆっくりとした物作りのペースが京都らしく、魅力の一つでもあります。値段も手ごろで、普段使いできるジュエリーが多く揃うのもうれしいところ。京都観光のおりには、ぜひ立ち寄ってみて欲しいお店です。

 

耳にかけるタイプのイヤリングfresh drop。パールは小さな水滴をイメージしています。
ジュエリー・アーティストの今井訓子さんです。京都生まれ、同志社大学文化学科芸術学専攻のご出身です。
京都ホテル地下にあるショップです。気をつけていないと、見過ごしてしまいそう!

 

イムラ アート ジェム
京都市中京区河原町通御池角京都ホテルオークラ地下1階
Tel:075-231-6116
http://www.imuraartgem.com/