from 四国 – 4 - 高知発! 「JEANS FACTORY ART AWARD 2008」

(2008.09.09)
8月19日(火)〜8月24日(日)まで高知市で行われた、JEANS FACTORY ART AWARD 2008。   

全国から集まった16組の作家による熱いアートバトルが行われました。(アワードのシステムについて詳しくはこちら)

通常の審査展とはことなり、会期前半の4日間の会期中に作家がそれぞれのスペースを作り上げ、5日目の8月23日(土)に審査結果発表される公開制作の審査展です。公開制作期間は、普段見られない作家の制作の模様や苦悩が見られ、その過程を楽しみに毎日訪れる来場者も。また、作家同士でもお互いの制作手法の違いを感じお互い
に触発し合って作品を作り上げました。

それぞれの作家に与えられる縦横高さ6mの立方体という3Dのスペース。必然的にインスタレーション作品が目を引きます。
ハイレベルな16組の作品を前に審査は難航し2組の予定だった準グランプリが1組増える結果となりました。

見事にグランプリM賞を獲得したのが澤崎賢一さんの作品「日常としての表象」です。2週間にわたり一定の行為を繰り返し、それを記録した映像をリワインドされた作品。その映像を映すブラウン管の周りにはその行為の残骸が不規則に置かれています。
時間が戻ることによって無となっていく行為。しかし、その行為の証拠が映像の周りに残されており、無ではない意味を持った行為となるのです。

そのほかにも準グランプリに選ばれた3作品をはじめ、どの作品も作家の4日間の足跡が記されたものでした。

本当に残念なのが、これらの作品の大半がわずか1週間足らずで解体されてしまうことです。

そんな無常観も、花の映像を通じて輪廻を実感させる黒川潤さんの作品『DREAMING』(準グランプリ受賞)を観
ていると、今回のアワードで制作された作品の経験が、作家の新たな創造へと繋がるような印象を受けました。

このアワードはビエンナーレ(隔年開催)のため、次回は2010年です。

グランプリM賞 澤崎賢一『日常としての表象』。
クリックするとムービーが始まります。
後半部になればなるほど驚きの映像が!

準グランプリ 四国銀行賞片岡純也『shadows』。
クリックするとムービーが始まります。最初は暗闇ですが……。

 

準グランプリ 岡村病院賞黒川潤 『DREAMING』

準グランプリ ジーンズファクトリー賞 苅谷昌江『walking in the crystal』