from 広島 – 10 - 太田川沿いをサイクリング、新緑の三段峡へ。

(2010.06.01)

額に汗ばむようになってきた5月中旬の日曜日、しばらく乗っていなかったクロスバイクを引っ張り出して、太田川沿いへサイクリングに出かけました。安佐大橋からは車がほとんど通らない川沿いの道を、涼しい風を受けながらひたすら北西へ、川の上流へと遡って行くように走ります。
 

太田川に架けられた吊り橋。
廃線後も陸橋はそのまま残っていた。

 

15分も走ると住宅街を抜けて、川にも大きな石がごろごろ転がるようになってきます。聴こえてくるのは自転車のタイヤが路面のアスファルトと擦れあう「シャーッ」という鋭い音と、時折小鳥たちがさえずる柔らかな鳴き声のみ。空は青々と広がり、山々は新緑に包まれ、息を吸い込むとみずみずしい空気が胸いっぱいに入ってきました。

国道191号線をしばらく行くと、途中から可部線の廃線区間となったところに出くわします。すでに線路は撤去されているのですが、ところどころに鉄橋跡やトンネルなどが残されていて、賑わいを見せていた往時を偲ぶことができる、今となっては寂しい風景。ここ100年の間、地球上での人間の動きがいかに速かったのか、まざまざと見せつけられた気がします。
 

安野花の駅公園には、一部レールが保存。
一両だけ車両も展示されています。

 

スタートしてからおよそ40km地点、そろそろ疲れたところで安野花の駅公園にて休憩を。ここは昔、駅に住み着いたネコがたくさんいたことから「安野のネコ駅長」として、沿線ではちょっと知られたスポットでしたが、今では汽車の往来もなくなり、駅舎は公園として整備され、ネコたちも姿を消したようです。が、一匹だけいました! 人懐っこい鳴き声を発しながらも、ネコとしての本能的な警戒感を保った安野駅のネコ。今や飾りモノにすぎない展示用の列車の前で、気持ちよさそうに寝返りをうっていました。
 

のっそりと現れたネコ。
気ままに列車の下を通ってホーム上へ。
こっちまで気持ちよくなりそうな表情。

さて安野駅をあとにして加計町に入り、ここでようやくお昼ご飯。広島では昨年あたり「鯛焼き」ブームが起こっていましたが、そのはるか前から鯛焼きがおいしいお店として名をはせていた『よしお』にて、餡子がたっぷりつまった鯛焼きを。皮も香ばしく風味のギュッと詰まった『よしお』の鯛焼き、広島市内中心部からもわざわざ車で買いに来るお客さんが多いそうです。

加計から少し行ったところにある道の駅「戸河内」には、ご当地グルメがいろいろ。子持ちこんにゃくや山菜の天ぷらとか、田舎寿司、鶏モモ肉の山賊焼き、そして『大黒』の中華そば。広島で昔から食べられてきた、醤油豚骨の懐かしい味。ここもやはり遠方からラーメン好きが集まる、人気店のようでした。

どこか懐かしく、ホッとする味わいの中華そば。

腹ごしらえが済んだあとは、三段峡までの登り道を一気にあがり、自転車を降りて三段峡遊歩道へ。渓流を流れる川のせせらぎと、小鳥がさえずる音しか聞こえない、まさにヒーリングスポット。陽光に映える新緑を眺めていると、日常の疲れがザザーッと洗い流されるような気がしました。
 

赤い橋を渡ると遊歩道のはじまり。
断崖絶壁もあり、結構怖いです。
新緑に陽光が差し込む、うららかな休日の午後。
飛び込んでみたくなるほど美しい川の色。

小一時間ほど散策して入口に引き返し、三段峡温泉でひとっ風呂。河原を眺めながら手足をグッと伸ばして、「フーッ」とため息をつくと、そのまま寝てしまいそうなぐらい気持ちよかったです。

この季節の三段峡散策、オススメです! さすがに広島市内から自転車で行くのはかなりシンドイですが、とってもいい運動になりますよ~!! 僕はもう一回くらい、自転車で行ってみようと思います。

 

三段峡

住所:広島県安芸太田町大字柴木
http://www.akioota-navi.jp/kanko/sandankyo/index.html