from パリ(たなか) – pré 7 - 人騒がせなチュイルリー公園。

(2009.04.24)

穏やかな秋の朝、チュイルリー公園を散歩した。ジョギングする人、メリーゴーランドを楽しむ親子連れ、ペタンクに興じるオジサン達、いつ来ても心和む場所だ。セーヌに沿ったこの公園は周囲に高層ビルもないせいか、都心とは思えないほど空が高く広がって気持ちがいい。

マロニエも色づき、のどかな公園風景

公園の中でもひと際高いプラタナスの大木に、クレーン車のアームが高く伸びているのが目に入った。こんな季節に剪定作業(?)と思ってよく見ると、アームの先には木の上に作った小屋が見える。クレーン車の横には黒い制服の警官(?)らしきコワそうなおじさんが立っている。てっきり、公園内の違法建築物撤去の強制執行か、と思ったのだが、どうも違ったらしい。なんだかのんびり構えているし。



あまり長閑とは思えなかった公園風景


ルーヴル寄りにあった低層一戸建て。この高さだったら木登り生活できるかも


(作品タイトルのプレートがなければ)台風一過の倒木だけど


古典的な驚き


バロック的な……


彫刻作品だと分かってはいても、屋外の公園で見るとやっぱりドキッとする

その時(08年10月)は詳しいことは分からなかったが、園内のアートイベントのひとつだったらしい。他の木の上にも3軒ほどツリーハウスを発見した。東京に戻ってから調べたら、川俣正というその道では有名な作家の作品だったようだ。何か変だな、とは思ったが、予備知識なく現代芸術の作品に接するのは危険?な体験だと、我ながら複雑な思いをした。この樹上住宅を見物した後、マイヨールやロダンなどこの公園にある古典的(?)な彫刻作品群を軽い驚きとともに楽しみながらコンコルド広場まで来たら、そこにはなんと胴体が半分になった旅客機があった。これも、現代アート?

公園のコンコルド広場側にクレーン車が待機?しているのは、樹上家屋制作のためではないと思うが……。オベリスクの左奥に、輪切りにされた飛行機が見える

 

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