from 鳥取 - 88 - 誰もが小学生に戻れる場所
「農家食堂 上代学校」 

(2012.03.22)

「農家食堂 上代」

平成23年6月に、伯耆町立二部小学校福岡分校を活用した「農家食堂 上代学校」がオープンしました。「農家食堂 上代学校」がある伯耆町福岡は、かつてはたたら製鉄で栄えた場所です。多い時には50名近くの児童が通っていた福岡分校も、平成19年に最後の卒業生を送り出し、長い歴史の幕を閉じました。

「分校を残したい」という強い思いから、地元の有志が立ち上がり、株式会社 上代を設立。「どぶろく製造」「農家レストラン」の経営と、次々と夢を叶えてきました。
分校時代の教室をそのまま活かした造りの食堂は、今でも授業を受けることが出来そうな雰囲気。テーブルも、昔の小学生が使っていたような木の机を再現しています。黒板には、時間割、鳥取県の地図、歌の歌詞など。誰ですか?黒板に相合傘を書いたのは。落書きはいけませんよ。

農家食堂 上代を経営している株式会社上代のメンバーも、ほとんどが分校の卒業生。分校への愛着がひしひしと伝わってきます。食堂を切り盛りするのは、地元のお母さんたち。今日も元気な声が飛び交っています。

オリジナルメニュー

福岡地区にある「福岡神社」は、祭神(速玉男命)が大蛸に助けられたという言い伝えから、通称「たこさん」と呼ばれ親しまれています。そのため、この地区では、昭和20年代ぐらいまで地元の人は、たこを食べなかったとのこと。

農家食堂 上代の定番メニューは、「多幸しゃぶ定食」。お客様に多くの幸福が訪れるよう名付けました。たこたっぷりのたこ飯も人気です。

そして、新メニューであるどぶろくを使った「どぶろく鍋」。熱々の湯気から漂うどぶろくの香りは、何とも言えません。

農家食堂の看板「どぶろく」

伯耆町は、鳥取県唯一のどぶろく特区。原料のお米も、もちろん地元で作られたもの。水は、日野川の源流に当たる水。そして杜氏も地元の人。
 どぶろく作りは、12月から3月まで。気温の下がった澄んだ空気のもと行われています。  

上代のどぶろくの特徴は、大吟醸なみに原料である酒米を50%も精米し、低温でじっくりと発酵させているところです。そのため、すっきりとしていて、甘みも感じられる味わいとなるのです。

このどぶろくは、第7回全国どぶろく研究大会で行われた「どぶろくコンテスト 端麗の部」で、出品酒蔵数130強の中、栄えある入賞を果たしました。この自慢の品をぜひ皆様に味わっていただきたいと思います。

どぶろくを活かした加工品開発

幅広いお客様にどぶろくに親しんでいただきたいという思いから、食品事業者と連携したどぶろくを活かした加工品開発にも取り組んでいます。

どぶろくようかんは、小豆ベースのもの、小豆を入れていないものの2種類。たこしゃぶ定食のデザートとしても使われており、お土産としてお買い上げいただくことも出来ます。

どぶろくチョコも、ビターとホワイトの2種類。どぶろくのほのかな香りがただよう、大人の味わいです。

どぶろくジェラートは、米粉入りでトルコアイス風。もっちりとした食感は、どぶろくを感じさせてくれます。  

吟ぬか漬は、境港で水揚げされた新鮮なお魚を吟ぬかに漬け込んだものです。吟ぬかの風味が魚の旨みを引き立てます。

今後の取り組み

どぶろくのイメージから、農家食堂 上代は、大人のスポットと思われがちですが、実はこども達もたっぷり楽しめる場所でもあるんです。そんなに大きくはありませんが、分校時代に使われていた体育館は、子供たちが遊ぶには十分な広さ。食堂の前を流れる河川は、今は珍しい河川プールで、水遊びの絶好の場所です。そんな地域資源が豊富な農家食堂 上代は、グリーンツーリズムの受け皿となることも期待されています。

おじいさん、おばあさん、おとうさん、おかあさん、こどもの3世代で、一日ゆったりと過ごされてみてはいかがでしょうか?

農家食堂 上代

住所:鳥取県伯耆町福岡2073-1   
営業日:土曜日、日曜日
営業時間:11:00〜15:00
TEL:0859-62-1711
FAX:0859-62-1715
HP:http://www.chukai.ne.jp/~kamidai/