from 広島 – 9 - 奥出雲葡萄園(島根)のワインパーティへ。

(2010.05.07)

日本のワイン産地というと山梨・長野が真っ先に思い浮かびますよね。最近でこそ近畿地方や九州でも素晴らしいワインができていると聞きますが、中国地方というと「え?ワイン造ってるの?」という反応が一般的なのではないでしょうか。

中国山地の山間、島根県にある奥出雲葡萄園は、1990年に木次乳業の子会社として造られた、小さなブティックワイナリー。買いブドウの他に少しずつ自社畑も増やしていき、今ではシャルドネを中心にメルロや小公子(生産量が少なく入手が難しい!)などのワインを造っています。2004年の国産ワインコンクールで、シャルドネが銀賞を受賞してから、一部のワイン好きにはその名を知られるようになりました。

そんな奥出雲葡萄園で毎年この時期に開催されるワインパーティ、今年で10回目を迎えるそうですが、年々参加者が増え続けているとのこと。ブドウ畑を眺めながらワインやブドウジュースを飲み、地元のレストランが集まって旨いものもたくさん、さらにバンドの生演奏もありと、それはそれは楽しそうなワインパーティに友人を誘って行ってきました。
 

開場時にはすでにたくさんの人が。
本格的な胡弓の演奏も。

広島からは車で片道およそ2時間半、11時頃到着したのですが、普段は静かなワイナリーもたくさんの人で賑わっていました。ライブの音楽もガンガンに聴こえるし、肉が焼ける香ばしい匂いもプンプン。なんとか空いているスペースを見つけ、食べ物を一通り揃えて乾杯!といっても運転手の僕はブドウジュースです……。

おいしい野菜がたっぷり挟まれたサンドイッチに、ワインが進むチーズの盛合せ。パスタもお店で出てくるような完成度の高いもので、チーズとトマトソースがよく絡んだペンネでした。涼しい風を感じながらお外でいただくには、十分に贅沢すぎるもの。この他には牡蠣の燻製やフォアグラのポワレ、クスクス、生ハム、パエリアとなんでもありましたが、人気のものは12時を待たずに早々に売り切れてしまうんですよね~。
 

美味しそうな骨付きソーセージ
特別有料試飲はワイナリー内の一室に

ワインは入場時に1,500円を払うと一本もらえるのですが、これ以外にグラスワインコーナーがあり、奥出雲葡萄園の主要なラインナップを試すことができます。そして今日は特別にカベルネ・ソーヴィニヨンのヴィンテージ違いや、シャルドネの樽あり・なしなどを飲み比べることもできました。残念ながら、小公子の試飲はもう終わってましたけど……。香りを嗅ぐだけでもかなり違った個性を感じられて楽しかったです。
 

レインカットシートが施された畑。
大地にしっかりと根を張るブドウ。

のどかなブドウ畑を眺めながら、まさにその土地で生まれたワインやジュースを飲み、軽快な音楽に身を委ねながら、友人たちとの会話を楽しむひととき。運転手のためワインは飲めなくても、その雰囲気に酔えるというか、とにかく心地よく、まったりとした時間が過ぎていきました。
 

ライブをする方も大いに楽しんだ様子
ワイナリー入口ではロバがお出迎え

お土産には、京都の葡萄栽培家・梅垣誠氏が育てた山葡萄系の交配品種「野の香」を中心に、奥出雲葡萄園で醸造したワイナリー限定商品「梅垣」を。しっかりと味わい深く、無理なくスーッと染み込んでくる美味しさ。奥出雲葡萄園の風景がグラスの中からよみがえってくるようでした。

このようなパーティを10回も続けてこられたのは、ワイナリーの方々はもちろん、関係者の方々、ボランティアスタッフの方々、みんなの協力があってのことだと思います。素晴らしいイベントの裏にある、たくさんの人々の献身的な活動に思いを馳せながら、来年以降も続けていくためには参加者ひとりひとりが何をできるのかを考えなければならないなあと思った次第。

身近にあるワイナリーを、「私たちのワイナリー」という意識で盛り上げて、応援し、その地域の宝物として根付いていけば……。また来年も行ってみようと思います!

 

奥出雲葡萄園
住所:島根県雲南市木次町寺領2273-1
Tel:0854-42-3480
HP:http://www.okuizumo.com/