東松山「やきとり」ツアーで「やきとり」初体験!

(2009.10.14)

「東松山にやきとりを食べに行きませんか」と、ザガットサーベイ日本版を発行するCHINTAI ザガット事業室長の高田明彦さんからお誘いを受けた。

東松山ってどこ? 埼玉県? うーん、そんな遠いところまで、わざわざやきとりを食べに行くほど、探求しているわけではないし……いくらグルメな高田さんのお誘いでも……と悩んでいたら、「東松山の“やきとり”は鶏ではなく、“豚”なんですよ」。
なんでも、歴史的に、豚の肉を使った串焼きを、この地では“やきとり”といい、100軒を越す店が軒を連ねているのだとか。
うわ、聞いたことない。おもしろい! 行きます! 何でも試してみたい性分の私は、さっそく、休日に東松山へと向かったのだった。

池袋から急行で約1時間。この地のご出身である高田さんがまず案内してくれたのは、全国のギターマニアなら知らない人はいないという超有名店、ヴィンテージ・ギターの店「レトロバザール」

 

写真はクリックで拡大します。

店主の高田正人さんは、フジテレビ『北野フォーク人生王決定戦』で優勝したという経歴を持つほか、数々の日本映画に小道具としてヴィンテージ・ギターを提供したり、ミュージシャンのチャーさんが“もう修理できない”と諦めていた思い出のギターを修理したり(チャーさんは、そのギターを、伝説のデユオ・BAHOの“渋谷公会堂ライブ”で演奏したそうだ!)と、その世界では超有名人。実はザガットサーベイの高田さんの実の兄である。
最近では、来年、公開が予定されている映画「ノルウェイの森」にもギターを貸し出したとのことで、店内には松山ケンイチさんのサイン色紙が飾られていた。

高田さんのルーツは、仕事の傍ら若い頃からハワイアンバンドを率いて、今でも現役で活動を続けている(!)という父親にあるという話を聞いた。カッコいい!

お兄さんと合流し、向かったのは「つるや」。ここは、市内に何軒もあるやきとり屋の中でもトップクラスの実力派なのだそう。
まずは「やきとり」1本120円を頼むと、若店主が目の前の炭火でじっくりと焼いてくれる。そう、これこそが、豚のカシラ肉を使った、東松山名物「やきとり」だ!

しかし、秘密はこれだけじゃあない。焼き上がった「やきとり」に、ピリッと辛い味噌だれをつけて食べるのだ。この味噌だれが、もう、香ばしく程よい刺激でおいしいのなんのって!! トウバンジャンに似た味で、よーく火が通った柔らかいジューシーな肉の旨みをさらに引き立てる。初めてなのに、これこれ、これなのよ、と納得してしまう味である。もちろん、ビールとの相性は最高!

この味噌だれは、各店で作る秘伝のオリジナル。店ごとに味が違うのだとか。これこそが、東松山の「やきとり」を唯一無二の存在たらしめているわけなのですね。
「つるや」の味噌だれは大奥さまが作っていらっしゃるとのことで、高田(兄)が「おい、ばあちゃんのタレの味、ちゃんと作れるようになっとけよ!」なんて、若主人に話している様子もほほえましいものだった。

半日をかけて堪能した、東松山やきとりツアー。豚のカシラ肉をつかった「やきとり」とそれにつける味噌だれは初めての味で衝撃的だったけれど、他にはない、完成されたおいしさ。それに、何といっても、安い! 東京都心にはなんでもある、と言うし、やきとりと銘打った店は確かに存在するけれど、この「やきとり」は、ここ、東松山にしかないものだ、と断言しましょう。
またすぐにでも行きたい!

 

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