LOOK JTB×マガジンハウス magazineworld『心ゆく旅・イタリアハイライト12日間』スペシャルサイトより その16 ~ ローマのガイド オレンジ公園の展望台〜

(2010.04.06)

映画『ベンハー』でおなじみの競技場「チルコ・マッシモ」から坂をのぼってアヴェンティーノの丘へ。アヴェンティーノの歴史は古く、ローマ神話ではこの丘の洞窟に住む怪物カークスがヘラクレスの牛を盗んで彼に倒されたという話が残っています。紀元前8世紀のローマ建国伝説では、雌狼に育てられた双子の兄弟ロムルスとレムスの弟レムスが鳥占いによりアヴェンティーノに都市を建設したと言われています。さらに中世の時代には多くの教会・修道院が作られ、今でも当時の姿を回想させる建物が所々に見受けられます。中でもサンタ・サビーナ教会は美しく輝きを放つような白大理石の円柱で有名ですし、サンタ・プリスカ教会は地下のミトラ教の遺跡で有名です。そして現在はローマの閑静な高級住宅街として知られている地区です。

ロマンチックなデートスポットとしても。

さて、この丘にある私のお薦めスポットが「オレンジ公園」の展望台。ローマではジャニコロの丘、ピンチョの丘が絶景ポイントとして名を馳せていますが、こちらも引けを取らない絶景スポットです。門をくぐり抜けオレンジの生い茂る公園内を歩くとのその先に広がるローマの美しい景色。目下にはテヴェレ川、統一感ある色使いの歴史地区、そして遠方にはサン・ピエトロ大聖堂。世界遺産に登録されている旧市街が一望できるのです。実際街中を自分の目の高さで見るもの興味深いですが、高台から見下ろすローマもまさに「ローマ一日にして成らず」!色々な発見があり大変魅力的です。
 

古代ローマ時代の彫刻と水盤を再利用して作った噴水。
ナソーネ(大きな鼻)と呼ばれる噴水。正しいローマのお水の飲み方はこちら。管の下を指でふさぐと管の途中にある穴から水が吹き出るのでそこに口を近づけて飲みます。

 

公園の利用者は、ガイドブックを抱えた観光客、子連れの家族、犬の散歩に来る人々、地元の学生達、ロマンチックな時間を過ごす恋人達、と様々。その中に紛れて猫達もしっかりひなたぼっこ。心地よい太陽の温かさ、茂る緑とオレンジの清涼感溢れる香りに包まれる癒しの場所です。

この記事を書いていてふと思い出したのが、この公園に初めて行った時に出会った昔ながらの行商おじさん。自転車に積んだバケツには塩水に浸かったオリーブとルピーニ(ハウチワマメ)や塩漬けのかぼちゃの実が。こちられっきとしたおやつで、昔は学校や公園前でよく売られていたのですが残念ながら最近はその姿もあまり見かけなくなりました。

最後に「オレンジ公園」の正式名称は「サヴェッロ公園」。13世紀この地に要塞を建てた一族「サヴェッリ家」の名を冠しています。そして今から約70年前に人々の憩いの場として一般公開されています。「オレンジ公園」の名前の由来は公園内に植えられている多くのオレンジの木。実が鈴なり状態で枝もたわわに。オレンジだけでなくレモンの木や大きな松ぼっくりを抱く変わった形の地中海松も多く植えられています。

 

鈴なりのオレンジ。風とともに新鮮な香りが届きます。食べるには酸っぱいので誰も手をつけません。

サヴェッリ公園

地下鉄B線 チルコマッシモから徒歩約10分

 

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