土屋孝元のお洒落奇譚。銀座、築地界隈
ある日の午後の過ごし方。

(2013.03.18)

ようやく春らしい日が来ました。

久しぶりに築地までお昼を食べに出かけます。築地といえば、『魚竹』です。ここへはもう30数年も通っていて個人的に一番美味しいと思うのは、お昼の定食です。毎日、献立も変わり、焼き魚の定番は鯖塩焼き、銀鮭照り焼き、赤穂鯛西京焼き、目鯛照り焼き、季節により鰤カマ、鰤のあら煮、たまに鰤大根、お刺身では中落ち、刺身盛りなどです。これにご飯とお味噌汁、お漬物(白菜)、わかめとシラスの酢の物が付き、お好みで卵焼き、野菜サラダ、野菜の煮物、を小鉢からえらび、納豆、野菜のお浸し、をチョイスして食べます。

いつ行っても、ご飯が炊きたで美味しいですね。一度どこのお米でしょうか? と訪ねたら、お米屋さんに任せています、との事でした。美味しいお米はその年により違いますから、お米の専門家に任せた方が正解なのでしょう。

もう一つ、これは細かい事ですが、お茶は麦茶の温かいお茶です、夏になると冷たい麦茶になります。この冷たい麦茶もきちんと煮出して冷やした麦茶です。


美味しい築地の定食屋さん『魚竹』です。

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僕は、赤穂鯛西京焼きか目鯛照り焼きに卵焼きの付いたサラダ、納豆の組み合わせ、ご飯は『ややおも』が基本のメニューです。何も言わずに座るとご飯は『ややおも』で定食にセットしてくれます。 納豆は普通に頼むとネギ入りですが、生卵全部入れるもの、黄身だけ、ネギなしとか、注文が細かくできます。慣れたお客さんは、焼き魚定食に中落ちを少しだけ付けてサラダ盛り合わせとか、 焼き魚定食にイカ刺身を付けるとか、バリエーションは豊富です、これで1000円プラスアルファです。

もちろん、おかわりは自由ではじめから大盛り、やや大盛り、通称『ややおも』、女性にはお茶碗も小ぶりのものもあります。この魚竹の焼き魚は紀州備長炭で焼いていてこの焼き加減もまた美味さの味付けになっています。たまにメニューにはないのですが、銀鮭照り焼きにイクラのせご飯の組み合わせも季節により、あることもあります。勿論、鰹の時期にはタタキや刺身もあり、お刺身は季節により変わります。

夜も美味しいのですが、カウンター席だけなので、時間で予約しておくことをお勧めいたします。 お昼に時間がある時は、この『魚竹』でお昼を食べてから、近くの和菓子屋さん(以前、ペレストロイカで有名なロシアの大統領夫人が和菓子作り見学に来たという) 築地『ちとせ』の奥にある喫茶コーナーで過ごしていたのですが、最近、この喫茶コーナーも閉めてしまいました。ここの黒糖饅頭が素朴で美味しかったのですが、これもなくなってしまいました。


この赤穂鯛はオススメです。

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それでということでもないのですが、少し足を伸ばして築地の『うおがし銘茶』の新館二階で煎茶を飲みながらゆっくりすることもあります。この『うおがし銘茶』はお茶受けのお菓子を日替わりで変えてくれていて、これは何処何処のお菓子とか、教えてくれます。お抹茶も飲めるので、そのためかもしれませんね。ここにはギャラリースペースがあり、様々な展覧会が開かれていて、そちらも楽しめます、工芸作品や染色、骨董でも安南モノやタイの発掘モノなどが多いです。

まだ時間が許し、ゆっくりしている時は、ここから、銀座方面へ歩き、『メグミオギタギャラリー』で現代美術を見て、その先の染色屋さんを覗き、『TKGギャラリー』で奈良さんのエッチングや現代作家の版画を見て、ここ銀座店はなくなりましたが、渋谷ヒカリエに新しく開店したようです。 『ギャラリーゴトウ』覗き、『ギャラリー枝香庵』を覗き、『阿曽美術』を見て、『ギャラリーおかりや』で工芸や陶器を見てというコースで回ります、最近はなかなかできないのですが……。