from パリ(たなか) – 11 - 夏至の夜の音楽祭2 オデオンからサンミッシェル界隈。

(2009.07.13)
オデオン駅ちかくの薬屋の前で。チューニングもすんだし、そろそろいこか。
明るいうちからのロックは、もう一つ盛り上がらない?

リュクサンブール公園でジャズを聞いて、美術館がある宮殿を抜け、オデオン座からセーヌ方向へ向かう。この界隈は細い一方通行の道路が迷路のように通じ、散歩するには最高だが、急いでいる時はやっかいだ。サン・ミッシェルへ行くつもりが、サンジェルマン・デ・プレに出たりして、パリのキオスクで売ってる地図を見ながら歩いても間違ってしまう。それにしてもあの地図帳は携帯には便利だが、通り名の文字が小さすぎて老眼の目にはつらい。6区は通りが入り組んでいるのでなおのこと読みにくい。老人に優しい大きい活字のPARIS地図帳があると売れると思うんだがなあ。

ともかく地図帳を片手にオデオンへ。街角の交差点ごとにバンドを発見。ロック系が多い。道路は狭く、周りは石の建物だし、通りごとにエレキギターが反響している。地図よりも音に引かれて迷走する結果となる。CDショップで繰り返し試聴をしているような気分で、決して悪くはないのだが。

広場で演奏しているグループにブラスバンドが多いのは、電気も使わず、大音量だし、騒々しい街中でも負けないから?この日ばかりは、音で目立つ方が勝ちだ。高校生くらいの可愛い女の子というだけでも、この楽団は十分目立っていると思うのだが。サン・ミッシェル広場の噴水前でグレンミラーを演奏するなんて、彼女たちにとって最高の舞台なんだろうな。
別の時間のサン・ミッシェル広場。たぶん、アフリカ系の太鼓グループ。鼓と似た構造の太鼓で、高い音から低音まで、独特の野性的な音は遠くまで響く。複雑なリズムが次々に繰り返され、太鼓同士が応酬する。音楽はリズムだけで充分楽しい。
音楽よりも目立つアクロバチックなダンサー。何度か空中回転したのだけど、カメラのシャッターが追いつかない。
ポン・ヌフの近くの貨幣博物館前で、歩道を占拠したブラスバンド。女子高生からオヤジまでの混成チーム。技の不足は蛍光カラーの衣装で補う。観客は道路の向かい側で聞く。時々クルマが通るが、聴衆が盛り上がって立ち止まると車道にあふれ渋滞し、ラッパだけでなくクラクションの音も合奏に混ざる。都市音楽そのもの。
ポン・デザールからルーヴルへ入った所のアーケードで、初老の男性歌手が直立不動の姿勢で歌っていた。澄んだ音色のカウンターテナーが、この空間でよく響く。赤いキモノの女性は観客なのか、それとも関係者なのか?彼が歌うグレゴリアン・チャントとキモノの取り合わせが中世的で、すごく非日常な風景だった。
僕たち、ショーウィンドウの中に入って演奏してまーす、という若者っぽい発想。コンセプトは分かるが、いまいちテクニックが付いてないぞ、キミたち。でも、参加することに意義が有る。目立てば勝ち!
レストランの前のテラスで。見た通り、R&Bやってました。
ちょっと広い歩道があれば、そこはたちまちステージになる。アフリカ系だと思うが、洗濯板みたいな、ささらみたいな打楽器も使って、ちょっと繊細なリズム。サン・タンドレ・デザール通り。
サン・ミッシェルのメトロ前広場は、ヘビメタ(古い?)系ロックの大音響。パリ6区はロックが多い。明るく見えるけど、まだ夜の9時過ぎ。