狗飼恭子のロマンティック・オアフ・ストーリー - 13 - 歴史が息づくリゾートホテル、
ワイキキのピンクパレス。

(2011.07.15)

オヒアレフアに約束を(13/31)
 外装も内装も、絨毯もソファもバスローブにいたるまで、そのホテルはピンク色に満ちていた。風通しの良い中庭に咲く南国の花までも、もちろん。その真ん中に立っているというだけで、なんだか嬉しくなって顔がほころんでしまう。
 「きみがそんなにピンク好きだなんて知らなかったな」
 彼は知らない。世の中の女の九割は、ピンク色が好きだ。ただ、年を重ねるにつれてそれを胸の中に隠してしまう。少女趣味だと思われそうだし、ロマンティックが過ぎて気恥ずかしい。
 でもロイヤル ハワイアンを包む色は百年近くの歴史を重ねたものだけあって、洗練されていてシックで、ちょうどいいロマンティック加減。物語の主人公になった気分になれる。
 そんなことを考えてうっとりしていたら、彼は、
 「前に読んだ、オアフが舞台のミステリ小説にこのホテルが出てきたんだよ」
 なんて、ロマンティックのかけらもないことを言った。本当、まったく分かってない。
 ため息を一つついてみた。その息すらも、薄桃色に染まって広がった。
(恋愛小説家・狗飼恭子)
つづく »
ココナッツ グローブ。静かで神聖な空気が流れている。
バスローブもご覧の通りかわいいピンクのストライプ!


ホテルの前のビーチは一部が宿泊客専用の敷地。プライベートカバナもあるのでふたりだけの空間を楽しむこともできる。
ホテルのビーチフロント全景。まさに「ピンクパレス」の名にふさわしいゴージャスさと美しさ。


「マイタイ バー」のカバナ。さりげなくプライベート空間が楽しめる。
ホテルの中もすべて同じピンクで統一。この中にいる間はまるで別世界に来たかのような気分。


旧館の客室扉はすべて木彫りの貴重なもの。ハワイ州の紋章とカメハメハ三世の言葉が。
部屋の天井には南国ムードを盛り上げるファンが。軽い風がやさしく吹いてくる。


歴史を感じさせる堂々とした佇まい。昔の人たちの面影が行き過ぎるような気がする。
この日も大勢の花嫁がこの場所をを舞台に輝いていた。幸せの舞台にふさわしいホテルだ。


オープンは1927年。ハワイへの豪華な旅の幕開けと共にオープンした「ロイヤル ハワイアン」は、「ピンクパレス」の相性で親しまれる、ワイキキ・ビーチのシンボルとして名高いゴージャスなホテル。カメハメハ大王一世が遊技場として使ったと伝えられる土地に建てられ、中庭は愛妃・カアフマヌ女王の避暑地跡でもあった。ココナッツ グローブとよばれるその中庭に育つ木には愛の力が宿っていると言い伝えられている。木の精霊達に見守られながら交わす愛の誓いは永遠に変わることがないと信じられ、現地のカップル達にも高い人気を誇る。歴史はたとえば客室のドアにも見ることができる。すべての木製のドアにはハワイ州の紋章が彫られており、ハワイ語でカメハメハ三世の言葉「大地の生命は正義によって保持される」と書かれている。ワイキキのビーチフロントにあり、その名も「マイタイ バー」で、潮風に吹かれながらオリジナルのピンクの「ロイヤル・マイタイ」が飲めることでも有名。何もかもピンクでロマンティックなこのホテルには、オアフに訪れるなら一度は足を運んでみたい。

 

■ DATA

ロイヤル ハワイアン ラグジュアリー コレクション リゾート

2259 Kalakaua Avenue Honolulu
Tel.(808)923-7311
Tel. 0120-92-5651 (日本での問い合わせ)

2009年に客室ほかを改装して再オープンしたばかり。客室は529室。レストランに『サーフ ラナイ』、『アズーア レストラン』、バーに『マイタイ バー』。スパ『アバサ スパ』はカバナでトリートメントを受けることができる。各種カルチャープログラム、ウェディングプログラムも充実。

 

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■ 関連項目

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過去記事『今こそ、オアフ島!!』
オアフ観光局
iPadアプリ「今こそ! オアフ島」

 

Produce&Photographs: Yuji Komatsu
Special Thanks: Ritsue Honma / O’ahu Visitors Bureau