シェアリング・エコノミーと新しい旅のかたち-5- 暮すようにステイする『エアビーアンドビー』のリスティング

(2015.04.30)
4Fのロフトルーム。清潔感のあるアジアンスタイル。
ロンドン・ショーディッチの『Airbnb』リスティング ジュリアさんの家 4Fロフトルーム。清潔感あるアジアンスタイル。
 
Photos / Chris Tubbs for Airbnb, VisitBritain/ Jason Hawkes
『Airbnb』の人気リスティングから、イースト・ロンドン、ショーディッチのジュリアさんの家をご紹介。ホストがともに暮すタイプの物件ではありませんが、インテリアや備え付けのモノや本から、ジュリアさんのキャラクターやエリアのことがよくわかる物件です。
 
ロンドン・ショーディッチの『Airbnb』リスティング
ジュリアさんの家。

それではイースト・ロンドン ショーディッチの『Airbnb』の人気リスティング(物件)をのぞいてみましょう。

ジュリアさんのリスティングは、4階建てのレンガ作りの可愛いルックス。1Fはキッチンとダイニング、そして小さなテラス、2Fはリビングルームで、デスクワークできる小さな机もあり。3Fはステイ用の部屋がふたつとバス。4Fは屋根裏部屋のように斜めの屋根壁の広めのロフトルームとバス。お部屋はいずれもシンプルで、ぬくもりのあるアジアン・テキスタイルがアクセントになっています。

部屋を見ればその人がわかるといいますが、ジュリアさんの人柄が伝わってくる面白いリスティングです。1Fのキッチンには、料理道具がほとんど完璧に揃っており、スパイス、小麦やビーンズの食材、食器、コーヒー、紅茶、冷蔵庫には冷えたビールなどが用意されています。その他リラックス、スリープなど、目的に合わせたハーブティーも大きなジャーに常備されていて、自由に飲めます。本棚に並ぶ数々の料理本や、壁のブルゴーニュのワインマップを見ても、料理好きでウェルネス・ライフスタイルに興味があるのだなとジュリアさんのキャラクターがわかります。

ショーディッチのジュリアさんの家。地元の人たちの憩いの場、アーノルド・サークル近く。
ショーディッチのジュリアさんの家。地元の人たちの憩いの場、アーノルド・サークル近く。
キッチンからダイニング、テラスに向かってのルックス。
1Fキッチンからダイニング、テラスに向かってのルックス。
ダイニングにかわいく飾られたウェルカム・フルーツとチューリップ。
ダイニングにかわいく飾られたウェルカム・フルーツとチューリップ。
面白いくらいにツール完備のキッチン。
広いだけでなくツール完備のキッチン。
料理する気が湧いてくる。
料理する気持ちがムクムクと湧いてくる。
ディッシュウォッシャーも。
ディッシュウォッシャーもあり。
ガーリッククラッシャー、ポテトマッシャー、サラダスプーン、スプーンレストまで揃う。
ガーリッククラッシャー、ポテトマッシャー、サラダスプーン、スプーンレストまで揃う。
ジュリアさんのお気に入りの近所のお店『ALBION』のパンがとてもおいしい。
ウェルカム・フルーツならぬウェルカム・パン。ジュリアさんのお気に入りの近所のお店『ALBION』のもの。おいしい。
ラベンダー、ミント、ヒソップなどハーブが壮観。
ラベンダー、ミントなどハーブが壮観。
ダイニングの本棚。エスコフィエの料理本など本当に料理が好きなのだなとわかるタイトル。自由に飲んで良いハーブティーは、気に入ったら5ポンドで購入できる。
ダイニングの本棚。エスコフィエの料理本など本当に料理好きなのだなとわかるタイトル。ハーブティーは各5ポンドで購入できる。
2Fリビングの一角。お部屋や、階段の踊り場などアートが随所に。
2Fリビングの一角。お部屋や階段の踊り場などアートが随所に飾られている。

2Fリビングの通りに面したスペース。広くてゆったり。
2Fリビングの通りに面したスペース。広くてゆったり。

リビングの書架。ヨガ、タオ、スピリチャル、医療のタイトルが。眺めているだけでも楽しい。
リビングの書架にはヨガ、タオ、スピリチャル、医療のタイトルが並ぶ。眺めているだけでも楽しい。

 4Fのロフトルーム。木製のフロア、棚、大きめのベッド、アロマ香るソープ類などでリラックス・ムード。
4Fのロフトルーム。木製のフロア、棚、大きめのベッド、アロマ香るソープ類などでリラックス・ムード。
テラスからは朝日が見える。
テラスからは朝日が見える。
 
ホストの人柄、センスを反映
クリエイティビティを刺激する家。

『Airbnb』リスティングのホストのタイプは様々で、ジュリアさんは家を提供するけど、本人は一緒にステイしません。そのほか、ホスト本人が住んでいる家を提供するタイプもあります。『Airbnb』でリスティングをピックアップする際には、ホストがどんなタイプなのか、確認してからオファーするとよいでしょう。ホスト本人がステイしていない場合は、ローカルエリア情報に困ってしまいそうですが、オリジナル情報をまとめたファイリングを備えつけているケースも多くあります。

ジュリアさんの家には、特にファイルなどはありませんでしたが、部屋のインテリア、絵画、書籍や食材から、その暮らしが伝わり、実に興味深い体験でした。嬉しくなるほど、様々なツール完備のキッチンを利用して、パンを焼いてみる、ヨガマットやウェルネス系書籍が揃ったリビングで、ともにステイする友人とスピリチュアル談義したくなってしまう……そんなクリエイティブな気分を盛り上げてくれるところが実に刺激的でした。

部屋からジュリアさん、そしてロンドンナーの暮らしがわかり体験できる。ライフスタイル誌のページに入り込んだようなステイができるのが『Airbnb』ならではでした。

●Airbnb Little More
ホストとゲストの相互評価が
スマートなコミュニケーションを生む。

まさに旅革命と言える画期的な『Airbnb』ですが、利用する場合に留意したいこともあります。

『Airbnb』のサイトでは、リスティングを利用するゲストがホストを評価するだけでなく、部屋を提供するホストが利用ゲストを評価するコメント欄があり、相互評価制になっています。ここでよい評価を得ていれば、その後も『Airbnb』を気持ちよく活用できますが、逆であれば利用しにくくなってしまう。このホストとゲストの相互評価が、おのずとスマートなコミュニケーションを生む要因になっているので、いくら暮すようにステイできると言っても、人に向き合う時の緊張感をもって利用する必要があります。

また、法的側面としては、リスティングのホストは、賃貸業や、宿泊業のライセンスをとっているわけではないこと。そして万が一、事故が起きた場合は、自己責任になることには留意。利用する場合は、従来の旅行通り、保険への加入を済ませてからがベターでしょう。

『エアビーアンドビー』
Airbnb