『シルバー・スピリット』の美食旅
第2日目 部屋編 想像外のサービス。

(2011.05.30)


インテリジェントで愉快な次世代型のラグジュアリークルーズが人気上昇中です。
知る人ぞ知る6つ星的クルーズ旅行、ってどんなもの? 
『シルバー・スピリット』に、2010年夏、アテネからローマまで乗船してみました。


 

語り手のふたり組 − 黒田美津子&北村美和子


黒田美津子 インテリアスタイリスト。仕事旅では毎年ミラノサローネ来訪。プライベートの旅行はショップや建物があると仕事脳が働いてしまうため、地平線、水平線の見える場所へ行くのが好き。


北村美和子 平均月2回の海外取材がデフォルト、の強者。宝石をまといつつ、素早いフットワークでどんどん撮影するという甘辛合わせ技を駆使するカメラマン。

 

Itinerary 旅程 全8日間
ギリシャ、アテネ(ピレウス港)~ギデオン~マルタ、バレッタ~イタリア、シラクサ~ソレント~ローマ(チヴィタベッキア港)

*写真はすべてクリックで拡大します。
 

「想像を超える」オドロキ。
上質と最先端技術が同居する客室

黒田:客室で、ちょっとびっくりすることがあった。

北村:テレビのこと? あれは初めて。他の船では見たことがない装置。

黒田:客室の壁の一面がオール鏡で、「あれ、テレビはどこに?」って思う。それが……
北村:鏡に向かってリモコンのスイッチを入れると、テレビの画面が鏡面上にパッと現れる。

黒田:消すと鏡に戻る。不思議というか便利。

北村:ほんと、驚きました~。衛星放送はもちろん、映画が何百本も入っていて、見放題。日本語版つきのものも。これも、乗船料金にオールインクルーシブ。

黒田:最上級のロイヤルスイートは、オーディオがバング&オルフセンでしたね。一般の客室でもMP3スピーカーが設置されているから、自分の端末に入った好きな音楽が流せるので居心地がいい。

北村:WIFI環境も、衛生を使った無線LANだし。

黒田:インターネットは航行中でも使えた。海の真ん中だからこれはすごいこと。携帯のパケットや国際ローミングを気にする必要なし。機能的で快適な環境が整えられているのよね。

くつろげる客室のお気に入りはベッド!

黒田:私は、やっぱり客室のインテリアが気になったんだけど。シンプルで、落ち着く内装ね。

北村:全室がオーシャンビューのスイートタイプで、格差があまりない。でも上級のスイートルームになるとプライベートベランダがかなり広くて、そこで海を見ながらのお食事もできる。

黒田:室内は照明がゆったり、おっとり。目に眩しい照明がひとつもなく、間接照明のやわらかな光が印象的でした。設備ではベッドが!!格別の快適さ。あのベッド、家に持って帰りたかった!

北村:よく眠れるベッドですよね。私はいつもシルバーシーの船に乗ると、ず〜っと眠っていたくなる。ベッドリネンがふわっとしなやかで。

黒田:リネン類は日本ではあまり知られていないヨーロッパの上質ブランドで、最上級のエジプトコットン100%でした。だから、すべっ、つるっ。それでまったくの無臭なの。

北村:そう、そう! 洗濯の匂いがしないの。

 

バスタブとシャワーブースは別。

黒田:さらに、私が感激したのは、バスルーム♪

北村:バスルームは大理石造りで、広い。

黒田:船とは思えない。バスタブとシャワーブースが別で、お湯もたっぷり。タオルも贅沢。アメニティはブルガリとニュートロジーナ、フェラガモの3つの用意がありました。乗船すると、銀のお盆にアメニティをうやうやしく載せたバトラーが各客室にまわってくるので、好みをチョイス。

北村:船専用の大きめボトルがうれしいですよね。

黒田:シャワーを浴びた後に客室を出て、戻ってくるとかならずタオルが取り替えてある。バスルームに使用済みのタオルが放置されることがない。ハウスキーパーはほんと、どうやって感知するのかと思うほど。

北村:客室に戻って、「いつのまに」って驚きますよね。

黒田:姿は見せずに。適度な距離感がすごく上手ね。お客様にはいろんな国のいろんな方がいるし、おまけにみんなワガママなのに。間合いが絶妙。

 
 

「想像を超えるサービス」。それが、シルバーシーの常識だった。

北村:サービスは感動続き。たとえばルームサービスはいつでも、なんでも。厨房が作れる範囲であればメニューになくてももちろん対応してくれる。朝4時に「海苔巻きをお願い」も引き受けてくれた。

黒田:私はねぇ、かなり前に買ったフォーマルのロングドレスのサイズが合わなくなっていて……

北村:ふふふ。「ジッパー上がらない~」。

黒田:それで、バトラーにリメークを頼んだら、「かしこまりました。My pleasure.」(笑)ちゃんと、テイラーが来てフィッティング!「今晩、7時までにお届けします」。私が船内探索したり、本を読んでる間に出来上がって、白い紙をかけて届けられていたわ。上手に直してあって何事もなかったようにフォーマルナイト。サンキュ!

北村:景色がいい港で1日停泊するときには、客室で過ごす人のために、船がときどき向きを変えているんですよ。いろんな景色が見られるように。

黒田:そうなの!? 想定外のサービスがシルバーシーにはあるのよねー。でもその驚きは、ついていけない驚きではなくていつもゲストに合わせてくれるサービス。だから感動する。日本で評判が高い高級旅館に泊まっても、なにかしら、私たちが合わせなくちゃいけないことってあるじゃない?

北村:そう、なんとなく窮屈な。

黒田:どうぞ、お客様は「気まま、わがまま、思うがまま」に。スタッフが合わせますから、っていう徹底的な考え方があるのね。一流クルーズのサービス・スタンダードの高さをすごく感じました。

(第3日目は、美食三昧の『食』編です。お楽しみに~♡)

 

 
 
 

シルバーシー・クルーズ トリビア
シルバーシー・クルーズ

ラグジュアリークルーズ界のイノベーターとしてインテリジェントな旅人に人気の『シルバーシー・クルーズ』は本社をモナコに持つイタリアの船舶会社による客船。『シルバー・クラウド』、『シルバー・ウインド』、『シルバー・シャドー』、『シルバー・ウィスパー』、『シルバー・スピリット』の5つの客船で最高級ホテル同様の快適さを提供する。2008年6月には、サービスや内装がラグジュアリーな極地探検船『シルバー・エクスプローラー』が登場。地中海、カリブ海をはじめ、北極、南極を含む400以上の寄港地を廻って7つの大陸を旅するラグジュアリークルーズの代表的なブランドとなっている。
 
 
シルバー・スピリット

2009年12月にデビューした新造船。36000トン。全長198.5m、全幅26.5mで6つのダイニング、広々としたスパ、リゾートスタイルのプールやライブラリー、展望室などがある。定員540名。
 
 
2011年の航海予定

5月〜10月 地中海 
(詳細はホームページ参照)
 
オールインクルーシブって何が含まれる?

宿泊の他に下記などが無料でサービスされます。
・船内での基本的な食事と飲み物(アルコール含む)
・スイートに用意されたシャンパンや飲み物。
・船内で催されるエンターテインメントやセミナー
・サービススタッフへのチップ
・一部の寄港地で市街地までのアクセス
・24時間ルームサービス

 
 
 

おまけmemo★お部屋はこんな感じ

『シルバー・スピリット』の部屋の広さは約35平米。ほとんどの部屋がベランダつき。全室が大理石でバスタブとセパレートシャワーブースつき。ソファもあって部屋での食事もゆったり。リビングスペースとベッドの間にカーテンがあるのも、同室者に気を使わなくて済む憎い心配り。

スイッチオンとともにミラーに現れるTV画面。消せばただの鏡に。ウチにも欲しい。乗客定員540名に対して乗員数376名。至れり尽くせりだが押しつけない。あくまでも控えめの上品サービス。

お問い合せ先

インターナショナル・クルーズ・マーケティング株式会社(シルバーシー・クルーズ 日本地区販売代理店)
Tel: 03-5405-9213
www.silversea.jp

*special thanks to
シルバーシー・クルーズ トルコ航空 ルレ・エ・シャトー