from ミラノ(Ryoko) – 2 - イタリアン・ジェラートの誘惑。

(2009.08.27)

暑い毎日が続いていますが、イタリアの夏に欠かせないものーー、それはやはり、イタリアン・ジェラート。大人も子供も、そしておじいちゃんおばあちゃんまで、イタリア人ならみんな大好きなジェラート。いや、イタリア人のみならず世界中で万人に愛されている食べ物かもしれません。イタリアでは季節に関わらず人気ですが、夏は特に、老若男女、人種を問わずあちこちでジェラートを手にする姿をみかけます。

スーツ姿のビジネスマンがジェラートを食す姿はミラノの夏の風物詩?

 
街のジェラート屋さん。

『ローマの休日』のワンシーンさながらに、「イタリアに来たからには、さあ、ジェラートを!」という方も多いはず。残念ながら、ローマ・スペイン階段でのジェラートは禁止されていますが、イタリア街歩きの合間に、ぜひ一度はジェラートを食べてみたいもの。

街の手作りジェラート屋さんのウィンドウは、実に彩り鮮やか。美しくフルーツ類をあしらい、見るからに美味しそうなディスプレイで、甘党でなくても食指が動きます。そして街のどこでもすぐにジェラート屋さんがみつかるのもイタリアならでは。各通りに一軒はあるのでは?と思わせるほど。それだけみんなが食べている証拠でしょう。人気のジェラート屋さんは朝から夜遅くまで多くの人で賑っています。お昼どきや遅めの午後には、スーツ姿のビジネスマンもジェラート片手にちょっと休憩、といったシーンがみられるミラノ。微笑ましいですよね。
 

ミントチョコにマンゴー、いちごにメロン。街のジェラート屋さんには美味しそうなジェラートがいつも並んでいます。
アイスキャンディータイプの”giacciolo(ギアッチョロ)”もカラフル。いろんなフレーバーが並んでいます。

 
あなたのお気に入りフレーバーは?

ジェラート職人の手で、毎朝、新鮮な牛乳やフルーツから作られるジェラート・アルティジャーノ。素材を活かした手作りジェラートは文句なしにBuonoブオーノ(美味しい!)。乳脂肪分を含んだクリーム系とさっぱりフルーツシャーベット系に区分されますが、夏場は暑くてのどが乾くこともあって、やはりシャーベット系が人気。夏バテ気味で食欲が落ちてくると、お昼をジェラートですませる人もいるくらい。ビタミンと栄養(糖分)補給には最適なのだそうです。そのうちジェラートダイエットなるものが登場してくるかもしれません?!

Limone(レモン)、Fragola(イチゴ)、Ananaas(パイナップル)、Frutti di bosco(ミックスベリー)などの定番に加えて、Mango(マンゴー)やFichi(イチジク)、Pesca(モモ)、Anguria(すいか)など果物であればなんでもジェラートに早変わり、と思えるほど豊富なバリエーション。クリーム系では定番中の定番Fiori di Latte(ミルク)やCioccolata(チョコ)、Stracciatella(チョコチップ)に加え、Pistacchio(ピスタチオ)やノッチョーラ(ヘーゼルナッツ)、カフェにティラミスなど実に盛りだくさん。毎回選択に頭を悩ませてしまいます。

オーダーの仕方は、Coppa(カップ)かCono(コーン)かを決め、サイズを伝えます。Piccolo(ピッコロ/小)でも2種類チョイスできます。好みによってはPanna(生クリーム)を山盛りトッピングすることもできます!
 

マンゴー&ヨーグルトのジェラート。私が最近はまっているジェラートの組み合わせです。
こちらも人気のフレーバー、ピスタッキオとチョコチップをコーンで。
クリーム系のフレーバー。手前から、Crema(クリーム)、Praline(プラリネ)、Nocciola(ヘーゼルナッツ)、Pistacchio(ピスタチオ)、Fiori di Latte(フィオーリ・デ・ラッテ/ミルク)
シャーベット系で人気の王様レモンとイチゴ。おっきなレモンはナポリ近郊のソレント地方で有名なソレント産レモン。

 
さっぱり派にはGranita(グラニータ)。

グラニータは、レモンなどの果汁に砂糖を加えて凍らせ、シャリシャリの状態でいただくデザートドリンク。といっても、食後というよりは、夏の午後、乾いたのどを潤してくれる冷たい飲み物として定着しています。王道はLimone(レモン味)ですが、Menta(ミント)やArancia(オレンジ)、Coco(ココナッツ)、最近ではAnguria(すいか)やPompermo(グレープフルーツ)などのオリジナルメニューを提供するジェラート屋さんも増えているので、いろいろ試してお好みの味を探すのも一興です。ちなみに私のお気に入りは南イタリアで人気を誇るコーヒー味のグラニータ。残念ながらミラノではなかなか見かけないのですが、ほろ苦い香りと甘み、そして冷たい食感が癖になります。
 

 
朝からジェラート!? 

イタリアの朝食の定番は、カプッチーノ&ブリオッシュ(バター少なめ、やや甘めのクロワッサン)ですが、夏になると一気に人気を集める朝ご飯がコレ、ジェラート・コン・ブリオッシュ。ブランチや午後のおやつとしてもよく登場します。お好みのジェラートをパンにはさんでもらうだけのシンプルな食べ物ですが、冷たいジェラートとふんわりあったかいブリオッシュパンの取り合わせは絶妙。もともと南イタリアで生まれた食べ方らしく、南に行けば行くほどメジャーになるようです。夏のバカンス時のブランチにぴったり。ハッピーな朝ごはん!となることでしょう。イタリアにいらしたらぜひお試しください!!

ジェラートでハッピー・ブレックファスト。
ミルク、ピスタッキオ、コーヒーのジェラートを挟んだブリオッシュ。