from 広島 – 12 - 呉の屋台で大人の遠足気分を。

(2010.12.06)

はじめまして。今回から広島の情報をお届けすることになりました。どうぞよろしくお願いします。

12月に入り、寒さも厳しくなってきましたが、そんな時こそ気心知れた仲間と片寄せ合って屋台で……なんて、いいですよね。

屋台といえば博多が有名ですが、広島にも手軽に楽しめる屋台があるんです。

広島市中心部からは、高速バスかJR呉線で約40分弱の距離にある呉市は、『男たちの大和』『仁義なき戦い』『海猿』といった男気溢れる映画やドラマの舞台としても有名な町。広島市には屋台が一台も出ませんが、呉市では毎晩十数店舗の屋台が呉市役所前の大通りに軒を連ねます。

下水道完備、防寒対策万全で安心・快適な「呉屋台」。

屋台を数人ではしごする時のポイントは、最初に会費を徴収して会計係を決めておくこと。お一人で屋台を切り盛りされている場合が多いので、パパッと支払いを済ませるほうが喜ばれますし、効率的にはしごができます。

屋台の定番といえば「おでん」「ラーメン」ですが、呉屋台はそれ以外の名物メニューもいろいろ。

餃子メインの屋台『呉空(ごくう)』は、幻の「餃子きんちゃく」が狙い目。なぜ幻かっていうと、開店直後に暖簾をくぐってオーダーしているはずなのに、3回に2回は売り切れているほどの人気だから。

幻の「餃子きんちゃく」は柚子胡椒といっしょに。

さらに、「広島つけ麺」「汁なし担々麺」に続く、第三の広島発祥オリジナル麺と私が勝手に確信している「大和まぜめん」も要チェック。なにかと辛さを競いがちな時代に、子どもからお年寄りまで安心して食べられるやさしい味付けは新たなムーブメントを予感させます。

「大和まぜめん」のトッピングには、地元特産ちりめんじゃこ。

もっとお腹にガツンと来る料理が食べたくなったら、ひと際目を引く黄色い看板の炭火焼「まんまる」へ。1日限定3食の地鶏炭火焼「まんまる焼」は、滑り込みセーフを信じてオーダーしつつ、ここで是非とも試していただきたいのが「にんにく鶏皮包み」。メニュー上では目立たない存在だからこそ、おすすめしたい一品です。

ご覧のとおり、にんにくをまるごと使用していますが、ここはためらうことなく各自1本ずつオーダーしてください。明日の口臭への後悔よりも、物足りなかったっていう後悔のほうが断然大きいはずなので。

カリッと香ばしい鶏皮の中にはほっこりとしたにんにくがまるごと。

屋台とはいえ「広島」ですから、本格的な鉄板を備えているお店もあります。

屋台の中央に大型の鉄板がある「あしあと」では、焼きたてのお好み焼きを鉄板の上でいただくことができます。屋台のお好み焼きだからって侮る事なかれ。広島県人をも唸らせるほどのお好み焼きは卵がとろーり半熟タイプ。

お酒の締めにはやっぱり、広島風お好み焼き肉玉そば。

他にもご紹介したいメニューがたくさんありますが、それは是非とも実際にここで体験してみていただきたいです。

メニューだけでなく、屋台の設えもそれぞれ違う個性で魅力的。

「広島市内から呉屋台へ行くと、どれぐらい楽しめるの?」
そんな時の目安ですが、例えば、広島市内を18時に出ると呉屋台には19時到着、JR呉駅からJR広島駅へ向かう最終電車は23時なので、約4時間もの間、屋台を満喫することができます。

屋台を巡った者同士が在来線に揺られ、少しまどろみながら家路に着く。
まるで大人の遠足みたいに、帰り道まで楽しめるのもいいですよ。