from ナパヴァレー - プロローグ - ワイン・カントリーでスローな休日を。

(2009.04.16)
ただじっとしていても退屈することはない。自然と人の営みには物語がある ©濱本 純

♪Somewhere over the rainbow・・虹の彼方には夢に描いた国があるという・・♪という歌詞ではじまるスタンダードナンバー『オーバー・ザ・レインボー(虹の彼方に)』があるけれど、米国西海岸のカリフォルニア州サンフランシスコの霧の彼方にある葡萄郷”ナパヴァレー”こそ、“まさに夢に描いた国”!かもしれません。

ここは昔から世界屈指のワイン産地として名を馳せていますが、私はこの地を単にワイン産地としではなく、今世界のセレブリティやマスコミが注目している成熟した大人の理想郷としてご紹介したいと思っています。

ナパヴァレーはよくフランスのプロヴァンスやイタリアのトスカーナに例えられる雄大な田園風景が横たわる大地。ワインづくりの故郷ヨーロッパの様々な文化を反映したワイナリー、おしゃれなインやグルメ愛好のレストラン、それにアートやオブジェなどの芸術作品が町のあちこちに点在していて、どこか不思議な、大人のスローな世界が展開されています。

それゆえ、人生をエンジョイしょうと思う人々からは一度は訪れてみたい、あるいは住んでみたい地として注目され、カリフォルニア州でもディズニーランドに次ぐ人気スポットとなってきているようです。ワイン・カントリーに安らぎを求める流れは、元広告マンのイギリス人ピーター・メイルの著書『南仏プロヴァンスの12か月』をきっかけに、1990年代から脈々と引き継がれているような気がしますが、ワイン・カントリーは何ゆえ現代人の心を癒しこの地へ誘うのでしょうか。

世界でも屈指のトレンドに敏感な日本のマスメディア界が、今やっとその流れに注目し始め、“ナパヴァレー”に関することが盛り上がろうとしています。



ナパヴァレーの人々は芸術を愛し、町のあちこちにオブジェが。このモニュメントが見えると、もうナパヴァレー ©濱本 純


暑い季節の食事にロゼがあう ©濱本 純


軒並み連ねるグルメのレストラン ©濱本 純


甘くて歯ごたえあるオーガニック野菜は食卓の定番。朝の縁日ファーマーズ・マーケット ©濱本 純


ワイン・カントリーと熱気球、何故かよく似合う。どちらも夢を育てるから? ©濱本 純


秋を惜しむ葡萄、優しく黄色い光が照らしだす ©濱本 純


マスタードの花、葡萄畑の一年を優しくほぐす。冬こそ草花の活躍どき ©濱本 純


ケイブで出番を待つワイン樽。Stag’s Leap Wine Cellarsにて ©濱本 純


昔からナパヴァレーを見守りつづけてきたランドマー的存在Oakville Grocery ©濱本 純

1992年に初めてこの地を訪れた私は、その魅力の虜となり30年間勤務していた広告マン生活にピリオドをうち、現地にオフィスを構えるとともにNaPa Associatesを立ち上げました。その後、静岡県三島にナパヴァレー・スタイル・レストラン『St.Helena Kitchen』をプロデュースするともに、2008年3月『ナパヴァレーのワイン休日』を上梓しました。

ナパヴァレーを長年撮り続けてきた写真家の伊藤友美子さんやカリフォルニア・ワイン情報に定評のある雑誌『ワイナート』の茂木功編集長からも“ナパヴァレーのバイブル的書籍”とのご評価をいただき、様々なメディアでもご紹介していただきました。

同年雑誌『家庭画報』6月号には“ナパヴァレーの休日”を17ページにわたり企画・コーディネート・文を、8月にはFMラジオ番組『相田翔子のサウンド・ストロール』へゲスト出演し、私の著書をベースに5回にわたり番組を放送していただきました。

そして秋、フジTVと20世紀フォックス合作の映画『サイドウェイズ』の撮影では現地でのアドバイザーを勤めるとともに、現在そのプロモーションもサポートし、ナパヴァレーを日本に紹介すべく取り組みをしています。

このように様々なメディアがナパヴァレーを取り上げる頻度は増える一方。今秋上映される『サイドウェイズ』を契機として、日本でもこれからナパヴァレーはより多くの人々に知られることになると信じています。

そこで、今回マガジンハウスの小松勇二さんからお声をかけていただいたWebダカーポにおいて、『ナパヴァレーのワイン休日』で、紙面の関係で著せなかったことや裏話、その後の最新情報等を中心にご紹介したいと思います。

また、メディアの皆様にとってもナパヴァレーの最新情報源となれば幸いです。