from 北海道(道央) – 24 - ロゼのホットワイン、いかがですか?

(2010.02.02)
「紅茶風味のホットワイン」の主役、「おたるワイン ロゼ」。(写真:北海道ワイン提供)

「小樽雪あかりの路」で小樽にいらっしゃった皆さんの参考となればと思い、今週も関連する話題を提供させていただきます。
 
 

「紅茶風味のホットワイン」を振る舞う。

私の友人であり、昨年「小樽ふれあい観光大使」に任命された阿部眞久(あべ・まさひさ)さん。「北海道ワインツーリズム」推進協議会事務局長を務め、「シニアソムリエ」であり、北海道ワイン(株)の社員でもあり、何事にも手を抜かない「真剣さ」と今の時代には珍しいとも言える「誠実さ」が、彼が多くの人を惹きつける由縁なのです。
 
阿部さんを含め北海道ワイン(株)として、「小樽雪あかりの路」の期間、日時等限定で、昨年までJR北海道さんの協力の下、JR小樽駅で「紅茶風味のホットワイン」を振る舞ってきました。

今年はJR札幌駅長の小玉さん(「小樽ふれあい観光大使」)とともにJR札幌駅でも同様に、ホットワインを振る舞う予定があるそうです。北海道の企業としての「社会貢献活動」の一つとも言えましょうか。これらの詳細については、プレス発表等を参考にしてください。
 
「北海道ワインツーリズム」関連記事(ダカーポ)
 

JR小樽駅の改札を出ると、「雪のトンネル」のレプリカが皆さんの到着を歓迎してくれます。
JR小樽駅での配布場所のセッティング。(写真:北海道ワイン提供)

JR小樽駅での昨年の「ホットワイン」配布状況写真です。

 

嶌村副社長から「オリジナルホットワイン」の開発を命じられる。

さて、その阿部さんが「紅茶風味のホットワイン」を作ることになったきっかけは、今から10年ほど前、上司である嶌村公宏(しまむら・きみひろ)副社長から「生食用ワインでホットワインを作ることはできないか」という、恐らくは業務命令としてオリジナルなホットワインを作らなければならないという任務を受けたことにあるそうです。
 
以下、北海道ワイン(株)さんが「紅茶風味のホットワイン」について説明している文章です。「ホットワインは赤ワインで作られるものが多いのですが、「紅茶風味のホットワイン」は、おたるワインのフルーティーな風味を活かし、紅茶と組み合わせることでロゼの美しい色合いと果実風味、紅茶とハチミツの甘さが調和した口あたりを生み出しました。また、紅茶で割ることによって、アルコール度数も下がり飲みやすく仕上がっています。
 
もともと、北海道は気候の関係で赤ワインの生産が少ないことが、従来のタイプとは違ったホットワインを考案するきっかけでした。会社の主力商品でつくることが求められ、赤ワイン以外での試作を繰り返しました。

北海道ワインの主力商品である「おたるワイン」は果物葡萄を原料とした甘口タイプで、甘口のワインは加熱すると苦味が出てくるのでホットワインには不向きでしたが、紅茶と組み合わせることで苦味が気にならなくなり、果物葡萄のフルーティーな香りは紅茶にマッチしました。ほかに類をみない斬新な発想のホットワインです。 」                         
 
このように、ホットワインは商品として発売しているものではなく、「おたるワイン」をベースに調理して仕上げるものですので、誤解ないようお願いいたします。(レシピは、下にあります。)

JR小樽駅ホームで「紅茶風味のホットワイン」の配布準備に余念のない阿部眞久(あべ・まさひさ)さん(写真左)。(写真:北海道ワイン提供)
写真左が嶌村公宏(しまむら・きみひろ)北海道ワイン副社長。昨年夏、北海道ワインの技術顧問であるグスタフ・グリュン(Gustav Grun)さん(写真右)が来道された際の懇親会にて。写真中央は筆者。
嶌村副社長の父である嶌村彰禧(しまむら・あきよし)北海道ワイン社長が一昨年出版し、各方面から絶賛を浴びた『完全「国産」主義 食品メーカーのあるべき姿』(東洋経済新報社)。北海道ワインさんの愚直とも言える「経営理念」が理解できます。

 
ホットワイン(Mulled Wine)の文化。

「ホットワイン」という言葉は、ご存知のとおり和製英語であり、『WEBダカーポ』の多くのコラムやエリアナビでも取り上げられていますが、ドイツではグリューヴァィン(Gluhwein)、フランスではヴァン・ショー(Vin Chaud)と呼ばれ、各地のクリスマス・マーケットなどで楽しむことができますが、札幌でも12月に「ミュンヘン市」が大通公園で開催されている期間中、有料で販売・提供されています。

グリューヴァインやヴァン・ショーは、赤ワインと香辛料を用いることが一般的ですが、フランスのアルザス地方など白ワイン産地では、白ワインを用いたヴァン・ショー・ブラン(Vin Chaud Blanc)が作られているようです。
 
もともとワインを温めて飲むことは、ワインの薬効として「身体が必要とする熱を回復させる」ものと古くから知られていて、赤・白・クレレ(薄い赤色のワイン、ロゼワインの総称)問わずワインを温め、香草(ローズマリー、セージ)や香辛料(特に胡椒)を加えて煎じて飲むことにより、呼吸器の病気や口峡炎の治療に用いられていました。また、回復期の患者や産婦、老人、さらには精力回復にも用いられていたという記録も残されています。(参考文献:『ワインの文化史』ジルベール・ガリエ著、筑摩書房)
 
そういう意味において、「ロゼ」ワインを用いた「紅茶風味のホットワイン」は、ワイン文化史の中では「異質」なものとは言えないが、赤ワインを用いることが主流の中では「オリジナル」なものと言えるのでしょう。

 

オリジナルレシピ。

北海道ワイン(株)の「おたるワイン ロゼ」は、ホームページからの購入も可能とのことですので、多くの皆さんに楽しんでいただければということで、「紅茶風味のホットワイン」オリジナルレシピを紹介いただきました。
 

一気に約70人分の「ホットワイン」を作り、お客さまへの到着を待っています。(写真:北海道ワイン提供)

《ワイン1本(720ml)での分量》

おたるワイン ロゼ   めぐみキャンベル 1本
午後の紅茶       300ml(キリン午後の紅茶ストレートティーを使用)
ハチミツ         50ml
シナモン         適量
出来上がり分量     1,070ml

※ 出来上がり分量を目安に、分量の調整は必要ですね。(筆者注)
※ また、紅茶などは銘柄に拘る必要もないと思います。(筆者注)

 

 
《作成手順》

1.ステンポットに、ワインと紅茶を調合する。
2.加熱を開始し、沸騰直前まで温めたらハチミツを溶かし、シナモンを振る 。その際、ハチミツを溶かしてから、強火で煮るとアクが出るので注意が必要。

 

以上、とても簡単に出来上がりますので、まだまだ冷える夜が続く北国ですが、身体を温めるためにもご家庭でお試しになってみてはいかがでしょう。
 
「小樽雪あかりの路」に関連した小樽を紹介するシリーズ、今年はこれをもって終了です。

2月5日(金)から2月14日(日)までの間に開催されますが、「さっぽろ雪まつり」だけではなく、JRで札幌からわずか32分(快速エアポート利用)の小樽まで、是非とも足をお運びくださいませ!!
 
 

 
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