from 山梨 – 5 - 山梨のぶどうで日本のワイン その3 ~「登美の丘」の新酒祭りへ~

(2009.11.16)

山梨県甲斐市に、「その丘に登ると美しい」ことから「登美の丘」と呼ばれている丘があります。
その丘の上から見る南の方向には、こんな風景が広がっています。

「登美の丘」から富士山を望む。

森の向こうに広がる甲府盆地、その向こうに御坂山塊、そして富士山。
富士山手前の御坂山塊が丘のようにも見えますが、御坂山塊の最高峰は1,793メートルある黒岳ですから、富士山がいかに大きいのかがわかります。

この登美の丘には「サントリー登美の丘ワイナリー」があり、この丘の約150ヘクタールでワイン用ぶどうの栽培をしています。
上の写真で、森の手前に広がっているのはそのぶどう畑の一部です。
盆地とぶどう畑と御坂山塊と富士山。
山梨がぎゅっと詰まった風景です。

サントリー登美の丘ワイナリーの新酒祭りに行って来ました。
山梨に引っ越してきてから毎年出かけているので、今年で3回目。
今年は登美の丘ワイナリーの前身である「登美農園」が開園してから、ちょうど100年目なのだそうです。

こちらの新酒祭りでは、今年収穫したぶどうで仕込んだ新酒を貯蔵樽から直接試飲したり、場内限定販売のできたてにごり新酒を試飲したりすることができます。
もちろん工場見学もできます。

この新酒祭りで私が一番楽しみにしているのが、ショップ内の有料試飲。
この有料試飲が新酒祭りの期間中は半額になるので、普段手の出ないワインを手軽に楽しむいい機会になっています。

ショップ内にある試飲コーナー。
試飲コーナー横の100年の歴史を振り返る展示はとても興味深いものでした。

ここで毎年おかわりまでして飲んでしまうのが、サントリー登美の丘ワイナリーの最高峰『登美(赤)』。
今年頂いたのは、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロを使用した『登美2005』。
ちなみに、一昨年はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プチ・ヴェルドを使用した『登美2002』、去年はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フランを使用した『登美2003』を頂きました。
ワインというものは、その年ごとのぶどうの出来具合と仕上げたいワインのイメージに合わせて、ぶどうの使用比率だけではなくぶどうの種類も変えて作られているということなど、数年前には全く知らなかったことでした。
目の前の広大なぶどう畑の中で1年を通して日々行われている、人の手と五感を使った繊細な作業に感嘆し、改めてその仕事に敬意を払い、そして自分自身も五感をフル稼働してワインを頂くという満足感。
私にとっては、これがワイナリーでワインを頂く醍醐味です。

テラス席で富士山と向き合いながら……
日本を代表するワイン『登美』を味わう。

このテラスの横にはパンやチーズなどを販売しているベーカリーや、新酒祭り限定のバーベキューコーナーがあります。
ワインを楽しみながら、お腹一杯バーベキューを食べるもよし、ワインとパンとチーズでまったりくつろぐもよし。

期間中設置されている特設ステージでは、一昨年はアコーディオンとギターの生演奏、そして去年はチーズソムリエの方による「ワインに合わせるチーズの選び方」セミナーが開催されていました。
生演奏に耳を傾けつつ、「アコーディオンの音色とワインの相性が抜群だと思う、こんな小さな幸せの積み重ねもまた、<ばら色の人生>だよなあ」なんてことを思ったり、「白ワインには白いチーズ、赤ワインには赤いチーズという組み合わせが大まかな目安になり、ワインに使われているぶどうの原産地とチーズの原産地を合わせてみる手もありとは、なるほどなあ」なんて自分の中の世界が広がったり。

自治体や酒造組合主催の新酒祭りと違ってここではサントリーのワインしか飲めませんが、それゆえのゆったりとした雰囲気と絶景を楽しめる、お気に入りの新酒祭りです。

開園100周年を記念する旗のピンクが青空に映えるテラス。

 

サントリー登美の丘ワイナリー

Tel. 0551-28-7311
山梨県甲斐市大垈2786
http://www.suntory.co.jp/wine/tominooka/index.html

 
サントリー登美の丘ワイナリー新酒祭り 

開催日 :2009年10月31日(土)〜11月23日(月・祝)までの土日祝(計10日間)
開催時間 :9:30~16:40 ※催しにより一部異なります。
入場料 無料
http://www.suntory.co.jp/factory/tominooka/event/event_010.html