狗飼恭子のロマンティック・オアフ・ストーリー - 20 - 食べれば気分はオアフっ子。
安くておいしいローカルフード。
(2011.08.02)
オヒアレフアに約束を(20/31)
三つめのマラサダを食べ終えてもまだ足りなそうにしている彼に、わたしは思わず声をあげる。
「まだ食べたいの」
「え、駄目?」
もちろん駄目じゃない。ただ驚いただけだ。指についた粉砂糖を舐めている彼に、わたしの分を差し出す。
「そんなに甘いもの好きだったっけ?」
「甘いものっていうか、こういう揚げパンみたいなやつ、懐かしくない? 給食に出たろ」
給食だなんて、いったい何十年前の話だろう。わたしは、小学生だった頃の彼を想像してみる。どんな子供だったのかな。わたしの知らない昔の彼。
今日の帰り道は、彼の子供時代の話を聞こう。まだ知らないことがたくさんある。こんなに好きな彼をまだまだ知ることができるなんて、嬉しい。
まだ知らない彼のことも、きっとわたしは好きだ。
だって、口の周りをシュガーパウダーだらけにしている彼を、さっきより多めに愛しく思ってる。
「まだ食べたいの」
「え、駄目?」
もちろん駄目じゃない。ただ驚いただけだ。指についた粉砂糖を舐めている彼に、わたしの分を差し出す。
「そんなに甘いもの好きだったっけ?」
「甘いものっていうか、こういう揚げパンみたいなやつ、懐かしくない? 給食に出たろ」
給食だなんて、いったい何十年前の話だろう。わたしは、小学生だった頃の彼を想像してみる。どんな子供だったのかな。わたしの知らない昔の彼。
今日の帰り道は、彼の子供時代の話を聞こう。まだ知らないことがたくさんある。こんなに好きな彼をまだまだ知ることができるなんて、嬉しい。
まだ知らない彼のことも、きっとわたしは好きだ。
だって、口の周りをシュガーパウダーだらけにしている彼を、さっきより多めに愛しく思ってる。
(恋愛小説家・狗飼恭子)
つづく »
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せっかくオアフに来たのだから、地元の人が普段食べているローカルフードにもチャレンジしてみたい。様々な国からの移民を受け入れてきたハワイでは、それぞれの食文化が融合して、ハワイならではの進化をとげたバラエティーあふれる料理が誕生した。それらは今ではローカルフードとしてすっかり市民権を得ている。ガイドブックに載っていない店でも、思い切ってロコに混じってみれば、まるで自分がオアフに住んでいるかのような気分になれるはず。あちこち食べ歩いて、自分だけのお気に入りを見つけてみてはいかが?
■ DATA
オアフにはローカルフードがたくさん。「ロコモコ」は有名だが、他にも、たとえばポルトガルから渡ってきたという揚げパンのような「マラサダ」。最近では「アサイーボウル」がロコに爆発的人気。同じフードでも店によって味やスタイルが違うので、食べ比べてみるのも楽しい。
■ 関連項目
・過去記事『今こそ、オアフ島!!』
・オアフ観光局
・iPadアプリ「今こそ! オアフ島」
Produce&Photographs: Yuji Komatsu
Special Thanks: Ritsue Honma / O’ahu Visitors Bureau