from 北京 - 30 - 四川省直営のレストランで味わう
北京ナンバーワンの本格四川料理

(2012.03.16)

「省経営レストラン」のウワサを聞きつけて

私が住む北京は、言わずともしれた中国の首都。13億人を超える国民が、30を超える省に分かれて、広大な土地の中でそれぞれの生活を営んでいます。また、首都である北京にはそれぞれの省が、代表所のような事務所を持っています。そこで、以前からウワサだけは聞いていたのは、その「直轄レストラン」の存在。多くの事務所には招待所と呼ばれる宿泊施設(省から出張で北京に来た人のためのもの)があり、レストランも併設されているというのです。そして、最も重要なコトは、それらのレストランは(当然ながら庶民のためのものだから)安くて(なおかつ本場の味ですから)旨い、ということです。

今回行って来たのは、四川省の北京事務所内にあるレストラン。四川の办公室の餐厅(レストラン)ということで、その名も川办餐厅という(名前ストレート過ぎ!)というレストラン。場所は市内中心部にあるのですが、結構ディープなエリアにあります。タクシーに場所を伝えても、まず一発では辿り着けません。(電話番号を控えておいて、タクシーの運転手とお店の人に話してもらうのが、最短ルートでしょう。)何とか辿り着いたら、エントランスにはテーブル待ちの人が溢れ返っています。個室料金を支払えば、席の予約も出来るということですが、基本的にはお店に来て席を待ちます。店内は結構広いので、待つと言ってもそんなに待たずに入れます。待っている人は80%が地元の中国人、あとは10%くらいが台湾や香港の人、残りが欧米人という感じでしょうか。日本人はほとんど会ったことがありませんが、それはあくまで割合の問題で、日本人観光客はともかく日本人駐在員の中ではとても有名なお店です。

席に着いたら、早速メニューをチェック。もしも中国語を話せる人が一緒に居たら、お店のスタッフにオススメを聞くのがベストと思いますが、中国語が話せなくても問題ナシ。メニューには写真が付いています。

最近、リニューアルをしたらしく、随分立派なエントランスになっていました。大人気なんですね。
大きな写真で見やすいメニュー、英語も併記されていますが、ご参考程度に。
誰にでもお勧めできる口水鶏(よだれ鶏)と、そして……。

メニューの中で絶対外せないのは、「口水鶏」(コウシュイジー、よだれ鶏)と呼ばれる、四川料理の代表料理。辛いソースを掛けた蒸し鶏です。四川料理ならどこでも必ずある料理ですが、ココの口水鶏は、ほんの少し黒酢が鶏肉にマリネしてある?からか、後味軽く、爽やかなんですよね。どのテーブルでも必ず頼んでいる、逸品です。それ以外にも、冷菜なら油麦菜の胡麻ソース掛けとか、魚料理は「水煮魚」(シュイジューユー、魚のオイル煮)、炒め物で豆角(いんげん)の炒め物とか、担々麺とか。四川料理の定番は大体オススメです。

そして、最後に。この店で私が最も好きな料理は、実は……牛蛙(ニュウワー、うしがえる)を使った料理です。実は記事トップの画像は、牛蛙の煮込み。プチトマトのように見えているのも全て唐辛子で、とても辛いのですが、ヒーヒー言いながら最後まで食べてしまうのです。(唐辛子は食べたらダメです!)よく「カエルの肉は、鶏肉みたい」などと言う人が居ますが、個人的にはそれは違うと思います。本当に美味しい新鮮なカエルは(カエルのことをこんなに力説するのも何ですが……)どちらかというと、フグに近いと思います。これが本当に美味しいのです。私がこの店に初めて行って以来、何度と無く通ってしまうのは、このカエル料理が目当てだったりします。写真の料理の他に、たっぷりの生姜とともに、牛蛙の足の部分を煮込んだ料理もあるのですが、それが一番のおススメ。これが本当に立派なオミアシ……抜群に旨いのです。(写真掲載は控えますが。)

これまではどちらかというと、観光で来る方々にも行きやすいお店を紹介して来ましたが、これまでと比べると、今回は少しハードルが高いかもしれません。でも、中国人だけでなく、英字フリーペーパーなどでもベストレストランの賞を何度も受賞していますから、味は保証付きです。(英語が通じるとは思えませんが。)是非、機会があればトライして頂きたい、名店です。

どんな高級店とも違う、ココの口水鶏。味付けが本当に秀逸です。
辛いものがツラくなったら、この揚げパン。練乳を付けて食べるのですが、これがまた美味しいのです。