from 北海道(道央) – 36 - 日本一の「ひまわり畑」。北海道・北竜町。

(2010.08.02)
辺り一面のヒマワリには「圧倒」される。

 
北海道各地の「日本一」は、まだまだ続く。

「またまた日本一ですいません」。というくらい、北海道には皆さんの知らない「日本一」が沢山あるのです。というより、北海道に住んでいる我々さえ「本当?!」と驚くようなものもあるのですから、「自分が住んでいる地域を知ること」の大切さを改めて確認させられている昨今です。
 
北竜町(ほくりゅうちょう)。

車で札幌からは約2時間、旭川からは約1時間。空知(そらち)管内の北部に位置し、留萌市と旭川市とのほぼ中間に位置している街ですが、イメージ沸くでしょうか?

北海道の多くの街同様、北竜町も1893(明治26)年に千葉からの団体入植により開拓が進みました。気になる町名の由来ですが、雨竜(うりゅう)町の北に位置することから「北竜」という名称が付いたという、意外と単純(失礼)なものでした。
 
 
「ひまわりの町」北竜町の誕生。

北竜町でヒマワリ栽培のきっかけとなった出来事は、1979(昭和54)年7月、農協職員がヨーロッパ視察研修に参加した際、一面に広がるヒマワリ畑の中央にある旧・ユーゴスラビアのベルグラード空港に飛行機が着陸する際に大変「感動」したことからだそうです。
 
実は、ヒマワリ栽培は連作障害への対応などとても難しいことから、土壌改良などの工夫や栽培技術に関する研究を重ねながら、除々に北竜町では栽培面積を拡大していきました。

そして、遂に1989(平成元)年には、町づくりと観光産業の柱となるべく「ひまわりの里」が開園しました。23.13haの丘陵に130万本ものヒマワリが、7月中旬頃から8月中旬にかけて大輪を咲かせ、まさにちょうど今が見頃。
 
ちなみに「ヒマワリ」は、北アメリカ原産のキク科の一年草です。ヒマワリから抽出される油には、不飽和脂肪酸の含有量が高く、植物油生産量の中ではパーム油、大豆油、ナタネ油に次いで世界第4位(11,171,000t。2007(平成19)年)なのです。
 

国道を走っていると、小高い丘陵に「ひまわりの里」を発見することができる。
トラクターに乗降車両を取り付けた「ひまわり号」が、広大な「ひまわりの里」の中を案内してくれる。

 
 
世界のヒマワリに、新鮮な驚きや発見。

北竜町全体でのヒマワリの作付面積は、この「ひまわりの里」も加えて合計100haにも及び、文字通りの「日本一」。開花シーズンだけでも約20万人以上の観光客が、北竜町に足を運んでいます。北竜町には温泉もあることから、ヒマワリを眺めた後には温泉でゆっくりと汗を流し、一日楽しく過ごすことができます。
 
また、町立北竜中学校の生徒さんが、「ひまわりの里」に30種類の「世界のひまわりの花」を植えています。「こういうヒマワリもあるんだ」という驚きや発見があり、子どもであっても、大人であっても、大変興味深く観察することができます。

なお、町立北竜中学校は、2009(平成21)年9月に「観光ホスピタリティ実践校」として、北海道知事から感謝状が送られています。

  
〔参考になるホームページ等〕

「北竜町のひまわりエピソード」
「地域おこし協力隊 隊員ブログ」

 

終わったばかりの「ワールドカップ・サッカー」を思い起こさせる「世界のひまわり」を、町立北竜中学校の生徒さんたちが育てています。
オランダから「ルビーエクリプス」。日本対オランダの1次リーグを思い出してしまった。
日本の「セーラームーン」。どこかで聞いたことのある名前。
アメリカから「プロカットオレンジ」。色鮮やか。
ドイツから「フロリスタン」。ルビーエクリプスに似た雰囲気。
フランスから「トルマンディ」。何となく、馴染み易い雰囲気。
イギリスからは「アースウォーカー」。こういうヒマワリもあるんだと感嘆。
日本の「サンリッチレモン」。花びらが大きめ。

 
北海道を代表する「米どころ」でもある「北竜町」。

北竜町は、生産者一人一人が『食べ物はいのち(生命)』という理念から、米づくりにおいて一般的な化学合成農薬の使用成分数を約半分以下に押さえ、農薬節減米、低農薬米として、安全・安心な「米づくり」に取り組んでいます。

まさに、このクリーン農業によって生産されている「ひまわりライス」。2006(平成18)年には、生産者、圃場、使用農薬・肥料成分をホームページ上で公表する「生産情報公表JAS」を取得し、町全体でこのような取組みを進めた全国で最初の町としても有名になったのです。もちろん、食味も抜群です。
 
米のほかに、糖度の高い「北竜メロン 龍の鈴」や「ひまわりスイカ」も北竜町の特産物として有名です。

最近は、イソフラボン、アントシアニン、ポリフェノールの含有量が多く、インターフェロンγ(ガンマ)が含まれていることから、免疫バランス調整機能が高いとされる「黒千石大豆」も北竜町の特産物として脚光を浴びています。
 
まだまだヒマワリの見頃は続きます。この機会に是非、北竜町に足をお運びくださいませ!!
 

「ひまわりの里」に設置されている水車。牧歌的雰囲気は、心を和ませてくれる。
餌をくれるのかと、人影を見つけると寄ってくる「鴨」たち。
なぜか「だちょう」も飼育されている。
「ひまわりの里」に到着して直ぐのところに「売店」。土日や祝日には混雑している。
「ひまわりライス」。袋の左上には「生産情報公表JAS」。生産者の「顔」が見える。