from 香川 – 16 - 洋上のオアシス続々参上! 高松港に『ぱしふぃっくびいなす』入港。

(2011.03.26)

このたびの東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に心よりのお見舞いを申し上げます。被災地の一日も早い復興を、心より祈念いたします。

2011年1月8日、青く澄んだ冬空の下、穏やかで静寂な瀬戸内海の高松港に、悠然と姿を現せた豪華客船『ぱしふぃっくびいなす』(2万6594㌧、全長183.4㍍)が寄港しました。1月13日には、装いを一新した『にっぽん丸』(2万2472㌧全長166.65㍍)も寄港し、凜と張り詰めた寒さの中、多くの観光客で賑わった高松港からお届けします。

日本クルーズ客船の「ぱしふぃっくびーなす」
商船三井客船の「にっぽん丸」

瀬戸の都・高松は、天正16年(1588年)に讃岐藩主・生駒親正が日本三大水城の1つと言われる玉藻城を築き、同時に内町港(現在の高松港玉藻地区周辺)を整備したことから、港と共に発展してきた歴史を持っています。

 
高松港は明治中頃以降、海上交通の発達や船の大型化に対応した港湾拡張の必要性が高まり、本州と四国を結ぶ海の要衡として脚光を浴びるようになり、港湾整備に伴い急速な近代化を遂げてきました。明治43年(1910年)、宇野と高松を結ぶ国鉄の宇高連絡船が開設されるなど、瀬戸内海を行き来する定期航路の拠点として重要な位置を占めてきました。瀬戸大橋など本州四国連絡橋の開通で、往時の港町としての活況、は過去の記憶となりつつありましたが、四国の重要港湾として、物流を中心に、現在も大きな役割を担っています。

平成10年(1998年)、高松港頭地区の再開発で新しい県都の顔「サンポート高松」が誕生し、四国最大の規模を誇る客船専用の2万㌧級岸壁が完成しました。

香川県港湾課によると、昨年の瀬戸内国際芸術祭開催を契機に、瀬戸内海の美しさや、船への関心が高まり、海の玄関口である「サンポート高松」を観光の発信地の一つにしようと、入港実績があったクルーズ客船の誘致活動に動き出しました。「観光立国」を目指す国の成長戦略でも、世界各地を周遊する外国の客船誘致が重点施策として位置づけられていることから、国内外のクルーズ船をいかに高松に呼び込むか、官民挙げての誘致活動には、今まで以上の勢いが感じられます。

 

待望の船内へ潜入~ 洋上のホテルを見学!!

“洋上の白鳥”ともいわれる豪華客船『ぱしふぃっくびいなす』。見れば見るほど巨大で、その迫力に圧倒されます。今回の4日間にわたる神戸港発着の「新春 別府・高松クルーズ」には約450人が参加。高松港に寄港すると、乗客は金刀比羅宮や総本山・善通寺の参拝、高松の市街地散策など、思い思いのオプショナルツアーを選び、冬の讃岐路を楽しんでいました。

瀬戸内海をバックに優雅な姿で停泊する『ぱしふぃっくびいなす』を写真に収めていると、大阪府吹田市から来たというご夫婦が声を掛けてくれました。「初めて客船に乗りましたが、すごく快適な旅を満喫しています。船内の料理もおいしくて、とても満足しています」と話していました。

大人気の『ぱしふぃっくびいなす』を背景に、記念撮影する人達や、船内見学会を待つ人達で賑わっています。

クルーズ客船をより身近に感じてもらおうと、香川県が船会社と何度も協議を重ね、船内見学会を実施しました。地方に住む人たちには憧れの遠い存在だったクルーズ客船の旅。その魅力に少しでも接することで,期待と夢が広がり、「一度はこんな船で世界を旅したい」との気持ちが強くなり、わくわく感でいっぱいになってきました。今回の見学会は、1000人に近い応募者の中から80人が抽選で選ばれました。

歓迎セレモニーの後、参加者は3班に分かれて船内見学に出発。私も、あこがれの豪華客船に胸をときめかせる一人として参加しました。「昨日、台湾から日本に帰ってきたばかりなんです。神戸より高松は暖かいですね」と楽しそうに話してくれる船員さんに誘導されながら船内へ。

『ぱしふぃっくびいなす』の乗客が快適に過ごすスペースとして、4階の美容室から12階のトップラウンジまで様々な空間が用意され、乗客をくつろぎのひとときへと誘います。岸壁から乗船し、階段で5階に上り、エレベーターで7階へと進みながら、「どんな一日が待っているのか」「どんな出会いがあるのだろうか」と胸が高まります。シアターでは、「パシフィックの一日」と題した上映会が始まりました。スクリーンには、“海上を旅する豪華ホテル”の優雅で快適な船旅の様子が映し出されていました。

クルーズでは、目覚めた乗客たちは、ボートデッキでのモーニングウォークで一日をスタートさせます。香り豊かなコーヒーに誘われての朝食。船上では毎日、多彩なカルチャースクールが開かれています。スポーツデッキやジム、サウナや洋上エステを楽しむこともできます。クルーズでは、夕食の時間帯が最もドラマチックです。夜はエンターテイメントショーなどもあり、優雅で楽しい時間を過ごせます。夜食も用意され、とても充実した時を刻むことができます。

船内の設備は一流ホテル並みで、快適で魅力的な旅ができるとあって、リピーターの客も多いそうです。
今回は、神戸を7日午後10時30分に出航し、翌朝にサンポート高松へ寄港。高松のまちを楽しんだ後、別府に向かいます。国内旅行でも、今回のような3泊4日の旅があれば、神戸港から横浜港への1日限りの旅もあります。海外では、昨年4月から7月にかけて、香港→シンガポール→スエズ運河→地中海→南米→カリブ海→パナマ運河→アメリカ西海岸→アラスカ→日本という100日間の世界一周の大航海への旅もありました。
船長は「毎回、出港する際は気持ちが高揚します。船に乗って太平洋に出ると、本当に地球の丸さに驚かされます」と話してくれました。
 

クルーズはからだにやさしい楽々旅行

上映会や、船長のクルーズ客船に関する話を存分に聞いた後、いよいよ11階から5階へと歩いて見学しました。

メインラウンジです。
船内のラウンジ中心部分は、まるでホテルのようです。
屋外展望浴場です。
ライティングルームです。

私には、クルーズ客船の旅へのあこがれはあるものの、「なかなか手が届かないぜいたく旅行」「中高年者向けの旅」というイメージがありました。今回の見学会を機に「クルーズ客船は遠い存在ではない」と実感させられ、「船で国内外を旅してみたい」という気持ちで胸が膨らみました。

クルーズ客船では、波の音を聞きながら就寝。目覚めたときは次の寄港地へ到着しており、自分のペースで旅ができるのが大きな利点です。船内は豪華ホテルなみの設備が整い、オカリナ、琴、映画などを楽しむことができ、展望浴場、プールも完備しています。そこでの出会い、寄港地でのふれあいなど、船上、陸上を通じての新たな交流の輪も広がります。

機会があればぜひ、クルーズ客船で瀬戸内海を旅してみませんか? 香川県は今秋をめどに、「サンポート高松」の岸壁に、より大型の5万㌧級客船が寄港できる新たな係留施設の整備を進める計画です。芸術の島として世界的に有名な直島や瀬戸内国際芸術祭の舞台となった島々など、美しい瀬戸内海でのアート観光を提案していくそうです。高松から、きらきらと輝く洋上の楽園へと導かれる旅に参加することで、これまで経験したことがない新しい世界が広がっていくことでしょう。

 

新生にっぽん丸 花咲く瀬戸内クルーズ*

「春風に誘われて 瀬戸内海 魅惑の5日間」
横浜港発着3月26日から3月30日 
クルーズ豪華客船の高松港寄港は2011年3月29日(火)です。

http://www.club-t.com/special/japan/nipponmaru/index.htm