土屋孝元のお洒落奇譚。 ワイキキビーチ『ピンク・パレス』の佇まいとオススメの朝食レストラン。

(2014.05.14)
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海側からの『ロイヤルハワイアン ホテル』。正面にはピンクのパラソルが並び、『マイタイバー』やレストラン『アズーア』も見えます。© Takayoshi Tsuchiya
また ここに戻ってきた
「ピンク・パレス」

ホノルル、ワイキキビーチ、「ピンク・パレス」こと『ロイヤルハワイアン ホテル』に来ています。

また ここに戻ってきたなと感じさせる湿度と空気感、風に乗って聞こえ  どこからともなく流れるハワイアンの音楽と鳥の声。遠くにはワイキキビーチの喧騒と波の音がかすかに聞こえ、エントランスやロビー周りには東京では考えられない位の緑の濃い贅沢な空間が広がり、他の宿泊客ともあまり会わずにいられ そこも気に入っているのですが。かの『マイタイバー(maitai bar)』もお昼過ぎということで人の姿は見えず、静かな時間が流れています。この『マイタイバー』もが「カクテル・マイタイ」の発祥の地と言われているとか……。

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ジョン・メルビル・ケリーの版画が掛かる、『ロイヤルハワイアン ホテル』コーヒーコーナー。ジョン・ケリーはハワイでも有名なアーティストでハワイのゴーギャンとも呼ばれています。この『ロイヤルハワイアン ホテル』のメニューカバーに採用されて名前を知られました。© Takayoshi Tsuchiya

昨日の夕方もボウルルームではロコというのか、ハワイアンの結婚式が行われていました。体格の良い老若男女が着飾って海側の正面をバックに記念撮影をする姿が微笑ましく、これもこのホテルの一面なのかなと思います。カタマランに乗ってワイキキビーチの沖から見てもピンクパレスと呼ばれた このホテルはワイキキのランドマークになり、その昔、船旅をするセレブ達にも人気があったのも頷けます。ピンクの外壁にアーチ型の作り、部分的にグリーンとブルーの2色使いの紋章があしらわれ、アール・デコ・スタイルの車寄せのバレーパーキング、ロビーや通路の照明や階段の手すり。そこここに置かれた椅子やソファはアール・デコ・スタイルで如何にも古き良き時代の面影を感じます。リゾートタックスが上がったのをカバーするためか、靴磨きのサービスや『マイタイバー』のドリンク券、カメラマンによる写真サービスなどのサービスが新しくなっていました。

5、6年前でしょうか、久しぶりに来た時にはビーチサイドのパラソルとビーチチェアが有料になり、ネットによる事前予約ができるようになっていました。昔は朝一番7時前に出かけてタオル係に声をかけると好きな場所のビーチチェアーが取れたのですが……。ちなみにプールサイドのビーチチェアーは今でも無料です。

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『ロイヤルハワイアン ホテル』ロビー海側へ抜けるボールルーム前エントランスホール。どこでも天井が高く、海風が吹き抜けて気持ちよい空間です。© Takayoshi Tsuchiya

とは言っても並びの『アウトリガー・ワイキキ・オン・ザ・ビーチ(Outrigger Waikiki on the Beach)』や『シェラトン ワイキキ(Shelaton Waikiki)』や『モアナサーフライダー(Moana Surfrider) 』にはない広々とした空間、特に天井の高さはなんともいえません、ゆったりした時が流れます。ちなみに このビーチチェアとパラソルのレンタルは1日40ドル、他のホテルではチェアーだけで50から60ドルもするようです、ロコは自前のチェア、パラソルを持ってビーチへやってきます。このビーチで眺めが良い場所は、このロイヤルハワイアンホテル正面でしょうか。ピンクパラソルが三列に並び左手にダイヤモンドヘッドを望み まるで絵葉書のような風景で誰もがイメージする世界なので この前の砂浜が一番混んでいるように感じます。

このビーチに並ぶホテルのどこから海水浴客が来たのかは、タオルの柄で一目瞭然です、 ロイヤルハワイアンはピンクストライプ、シェラトンはレインボー、アウトリガーはブルーのストライプ……。

何気無くビーチを見ていたら 2日間、ひとりでやってきて日光浴をする女子学生? 同じビーチに半日近くいてシャワーやトイレはどうするのかと見ていると、このハワイアンホテルの施設を使っているようなのです、堂々としていて誰も気にも止めません。ここのピンクパラソルに他の家族連れが座ると係がすぐに注意しているのに、どこでも可愛い子には甘いのですね。

家族でやって来てサーフボードをレンタルして海へ入っていくヨーロッパ系のお父さんと息子たち、カヌーに乗るお祖父さん、おばあさん達、パドルサーフィンを楽しむ人達。ゆったりとみなさん思い思いに過ごしていて 日本の海岸のようなタバコの煙も飲食の匂いもなくきれいなビーチです。

ワイキキで朝食。
『デュークス』、『ハウ・ツリー・ラナイ 』

このビーチ近くでの朝食はどうかなと7時前に食べに行ってみました。
一番雰囲気も良くリーズナブルなのは、『アウトリガー・ワイキキ・オン・ザ・ビーチ』の『デュークス(Duke’s Waikiki Restaurant)』でハワイらしいコアウッドをインテリアに使い、名前の由来デューク カハナモクのポートレイトやサーフィンの写真などが壁に貼られ、懐かしい航空会社『パンナム』の水上飛行機のイラストによるサンフランシスコ、ホノルル線就航のポスターなど珍しい額装も飾られています。子供の頃に見たドラマ『ハワイアン・アイ』の世界のような雰囲気で落ち着きます、ウェイター、ウェイトレスも元気良くキビキビとよく働き気持ちよく過ごせました。

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もう一軒は、観光客に人気の『ハウ・ツリー・ラナイ (Hau Tree Lanai)』。 『ニューオータニ・カイマナ・ビーチ』のオープンテラスのレストラン、こちらは日本からネットで時間指定予約しておかないと海側の席は取れません、オープンが朝7時ですがその前に何組もロビーに並んで待っています。

僕は ひと月前に予約しておいたので海側のバニヤンツリーの木の下の良い席を案内されました。ちょうど海にダブルレインボーがかかり楽しい時間を過ごせ、もちろん朝食も美味しく て 個人的な意見ですが、ワイキキビーチウォークのあの『ビルズ』よりも美味しいかな……。ゆっくりと過ごしていると10人ぐらいの団体客が何組もやって来てたちまち混雑してしまい、朝のゆったりとした気分は何処かへ消えてしまいました。

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右手にダイアモンドヘッドをまじかに見てゆっくりと歩いてワイキキビーチまで戻ります。途中にこんなところにと思うのですが、オアフ島 ワイキキビーチのヒーリングスポット(ワイキキ・ポリス・ステーションの隣)があります ここはあまり知られていないようですね。

途中、原宿にも出来て有名なパンケーキ屋さん『エッグスンシングス(Eggs’n Things)』の前には朝から2、30人ほどの人が並び、東京と変わらない光景です。夜に前を通りすぎた時にも並んでいましたが夜ご飯ディナーにパンケーキとは、と思いますが……。

ゆっくりと『モアナサーフライダー』ホテルまで40分くらいでしょうか、ここのレストラン『ザ ベランダ(the veranda)』も気持ちの良い空間のひとつです、バニヤンツリーが大きく枝を広げて気持ち良い木陰を作ります。ここはワイキキで一番古いホテルで夕方のロビーでの演奏は木造独特の音の響きが感じられて、ここにしかない雰囲気です。ここのオススメはアフタヌーンティー、ゆっくりと時間を過ごすには良いですね。SPGグループ(モアナサーフライダー、ロイヤルハワイアン、シェラトン)のホテルはどこに泊まっていても部屋付けでサインで済んでしまうのでこれも便利です、最後にもう一点。朝の光でここのプールサイドを撮すとなかなか良い写真が撮れるのです。

『ロイヤルハワイアン ホテル』
『アウトリガー・ワイキキ・オン・ザ・ビーチ』の『デュークス(Duke’s Waikiki Restaurant)』
『ニューオータニ・カイマナ・ビーチ』の『ハウ・ツリー・ラナイ (Hau Tree Lanai)』