from 広島 – 6 - 島根の秘湯を訪ねる。

(2010.02.02)

みなさま、あけましておめでとうございます~!
といっても、お正月が終わってすでにひと月が経過していますが……。年の瀬も慌ただしかったですが、年が明けてもやっぱり、月日が経つのは早いです。

さて、お正月。みなさんはどんなふうに過ごされましたか? 私はといいますと、家族4人で島根県の山奥にある、とある温泉宿に一泊してきました。お正月休みに温泉宿でノンビリ、一度やってみたかったんですよね~。両親にゆっくり休んでもらうというよりも、自分自身がとっても楽しみにしていた、島根の秘湯めぐり。

神々しい雰囲気の日御碕。
風味濃厚な蕎麦がき。

雪が降りしきるなか広島を出発し、目指すは出雲方面へ。広島と島根の県境である赤名峠では、道路が積雪で真っ白に覆われており苦労しましたが、山を越えた山陰側は穏やかな天候。お昼過ぎには出雲大社でお参りをすませ、日御碕を眺めて、おいしい出雲そばと蕎麦がきを食べたあとは三瓶山に向かい、麓にある共同浴場「志学薬師湯」を訪れました。

山のふもとに広がる三瓶温泉内にある「志学薬師湯」は、地元の人たちが大切に使っている風情あふれる共同浴場。小さな集会場のようなたたずまいで、番頭さんに200円を払って脱衣場へ。浴室には大人が6人も入れば一杯の、小さな湯船がひとつあるだけ。そこに源泉が惜しげもなくかけ流され、濃い温泉成分の析出物が排水溝や浴槽の縁に、びっしりと張り付いています。

「うー、たまらん……。」車の運転で疲れた身体を温泉に預けること30分、目を閉じながら口元に笑みを浮かべて、ただただそうつぶやくのみ。

「中村旅館」の小さい浴槽には、いいお湯がビッシリ。
濃厚な析出物に歴史を感じます。(中村旅館)

共同浴場を後にして、いよいよ本日の宿泊先である湯抱温泉「中村旅館」へ。昔ながらの温泉宿が3軒ばかり立ち並ぶ、ほとんど人の気配がしない、ひっそりとした雰囲気。「中村旅館」にしても、当日の宿泊客は私たち4人のみだとか。そこだけ時間が止まったままのような空間で、空気もどこかひんやりとしていましたが、荷物をほどき浴衣に着替え、夕食前の湯浴みにと浴槽へ向かいます。

なんといっても温泉が自慢の、湯抱温泉「中村旅館」。広い浴室に小さな湯船がひとつ、しかしお湯の成分は新鮮で濃度が高く、立派な析出物がまるで鍾乳洞のごとく、うず高く積っていました。

お風呂のあとはお待ちかねの夕食。御年86歳にもなる女将さんが、昔ながらの地元の料理をたくさん出してくれました。山で採れるシイタケやキノコに、川で採れる魚、さらにはイノシシ鍋、仁多米のご飯、そして出雲そば。島根の恵みが一杯に詰まった、優しさに満ち溢れた食卓。

「中村旅館」の夕食。豪華というよりは温かみのある、地のもののご馳走が並ぶ。

翌朝も早く起きて近所を散策(斉藤茂吉記念館がありました!)したあと、7時から朝風呂へ。夜とはまた違った色合いで、キューっと肌に染み込んでくるようなお湯が、たまりません・・・!

朝ごはんはなんとお雑煮つき。漬物や山菜をいただきながら、おいしい白米を茶碗3杯いただきました。

朝からご飯がおいしくいただける。
歴史のある共同浴場「薬師湯」。

その後は温泉津温泉へ立ち寄り、共同浴場「薬師湯」でもひとっ風呂。ここも鉄分やダシの香りがする温かい温泉。湯上りはコーヒーを飲みながら、小さな温泉街をぶらぶら歩き。

正月早々、ゆっくりと羽を伸ばすことができた島根秘湯の旅。島根県には他にもいい温泉がたくさんありますので、オススメです!

湯抱温泉 中村旅館
●島根県邑智郡美郷町湯抱315-3
Tel:0855-75-1250