from モスクワ – 11 - 飛行機で携帯使用?

(2010.09.28)

「ロシアの常識は、日本の非常識」なことがいくつかある。
(もちろん逆も然りだが)
飛行機は国をまたいで飛ぶので、国際航空法(だっけ?)で色々と決まりごとがある。
ロシアの航空会社でもルールは同じだと思うのだが、
それでも日本人からすると驚かされることも多々ある。

ロシア語で空港は「Азропорт」。この何とも言えない寂びれた空港の看板が、いい味を出している。(ニジニ・ノヴゴルドの空港)

今ではさすがに無くなったと思うのだが、
一昔前のロシアの飛行機内は喫煙が可能だった(!?)。
昔は日本人が飛行機内の喫煙者を注意して、
ロシア人が「この人は何を言っているんだ??」と不思議がるということもあったようだ。
日本と同じ感覚で考えすぎると少しストレスがたまるかもしれない。
こういう事はあまり深く考えないほうがロシアを楽しむのにはちょうどいいかもしれない。

飛行機の中で携帯電話を使っている人はけっこう多い!

それでも私が少し驚いたのは携帯電話。
ロシア人の乗客は飛行機内で携帯電話の電源をつけっぱなしにしている人が結構いる。

先日、隣のロシア人が離陸前に携帯電話を使っていた。
すると、キャビンアテンダントの人が近づいてきて注意をはじめた。
「あぁ、やっぱりロシアでも携帯電話は電源切らないとだめだよね~」
と思って観察していたら、

キャビンアテンダント「離陸するので、背もたれを戻してください」。
ロシア人乗客「あぁ、はいはい。(電話に向かって)あ、今背もたれ注意されちゃったよ~」。
(私の意訳です)

といことで、携帯電話使用はお咎めなしで座席の椅子だけ元に戻して一件落着。

なんかおかしくないかな…?
「携帯の電波は飛行機の計器を狂わせて安全上問題があるから、
乗客全員の携帯電話を切らないと離陸できません」って私は教えられてきたのだが、
どうもそうじゃないらしい。
パイロットのロシア人も「あぁまた計器が震えてるなぁ、ロシア製だから仕方ないか」
という程度で済ませているのかもしれない。
しかし、ロシア人にとっては、
その震える計器よりも背もたれのほうが飛行機を飛ばすには重要だということである。

空港によくあるこの機械は……?

ロシアの空港にはあって、日本の空港には絶対無いものがある。
それが上の写真の機械。
おじさんがなにやらラップみたいなもので荷物をぐるぐる巻いている。

何故荷物をラップで巻いているのか?
別に荷物の「鮮度」を守るためではありません。
別に「ファッション」ではありません。
これは「防犯の」ためです。
手荷物を預けると、運ばれる途中で壊されて盗難に遭うことがあるそうです。
昔に比べれば被害は少なくなったと思うが、
ロシア人は今でも気をつけたほうがよいと思っている模様。

ラッピング完成! ピカピカのカバンに変身である。

逆にロシア人が日本に来ると日本の飛行機が特異に見えるのでしょうね。
「なんでラップの機械が空港にないの?? みんな盗られちゃうよ?」
「なんで日本の飛行機は携帯電話ぐらいで飛べなくなるの?
ロシアのパイロットの方が優秀なんじゃない??」

なんだかどっちが正しいか分からなくなってきた…。