from 鳥取 – 17 - 夏はすぐそこ! 鳥取は今「地紅茶」の季節です。

(2009.05.20)

♪夏も近づく八十八夜~♪、そう“茶摘み”の歌です。今年は八十八夜が5月2日だったので、今まさに新茶の季節ですね。お天気に誘われ、ちょっと遠出をした先で見つけたお茶のパッケージを見ると、「原産地鳥取県」とあります。「へぇ~、鳥取ってお茶も作ってるんだ~」とまわりを見渡すと、今度は『とっとり紅茶』と書かれたパックを発見。「おお、紅茶! 原材料・大山町陣構産紅茶?」。疑問があれば、なんでも調べたくなっちゃう私。早速、大山町へ行ってきました。

有機栽培のお茶は緑茶からほうじ茶、玄米茶など種類も豊富で値段も手頃。 ペットボトル入りの緑茶もあります。 『とっとり紅茶』シリーズ。今後はブルベリーティーも加わる予定だそう。

大山町・陣構(じんがまえ)地区。大山のすそ野に広がる丘陵地で、標高は200~300メートルほど。鳥取県内では最大のお茶生産地で、30年以上にわたってお茶づくりに取り組んでいる「陣構茶生産組合」組合長・河村さんにお話を伺いました。「昨年の生産量は緑茶が6トン、紅茶が2トンです。一番茶は摘み終わって、今は出荷作業に追われてますわ」とのこと。茶畑を見渡すと、美しい緑の茶樹が風にそよそよ吹かれて、遠くには日本海や大山が見え、なんとも爽快な景色が広がっています。紅茶の樹はどれかな? 探し始めたけれど、どこまで行っても同じ茶樹ばかり。「紅茶もこの茶樹から作ります。緑茶と違う部分は加工するとき。完全に発酵させると紅茶、逆に全く発酵させないと緑茶になるというわけです。」ええっ、紅茶も緑茶も元は同じ葉っぱなのですね。それと特筆すべきは、ここのお茶はすべて無農薬・有機栽培で育てられていること。いわゆるオーガニック。これなら子どもでも安心して飲めます。

緑茶用の加工設備を使い、紅茶の生産も行っている。提供/陣構茶生産組合  鮮やかな緑の新芽。天ぷらにしてもグー。 どこまでも広がる茶畑にいると、なんだか身体も心もリフレッシュ。

早速、試飲開始。待つこと3分。ポットから注がれる液体は美しい褐色で、なんとも優雅な雰囲気です。飲んでみると、まずはそのくせのない柔らかい味にびっくり。そして渋みも弱く、とってもさっぱりしています。“和菓子にもよくあう”と評判なのですが、確かにソフトな味わいなので、繊細な和菓子ともピッタリ。外国産紅茶の濃い香りや味に比べると、ほうじ茶のようなほっこりとした懐かしい味わいにも思えます。紅茶はストレートのほか、ハーブ・りんご・二十世紀梨・ゆずなどの県内フルーツをブレンドさせたタイプもあり、果実紅茶としても販売。果物のほのかな香りと酸味・甘みが加わり、これまた人気なのです。

アップルティーの茶葉。大粒なのがりんごのチップ。ほのかな酸味が美味。  爽やかな香りが広がりゆったりした気分に。 道の駅『大山恵みの里』では紅茶ソフトも販売。

そんな陣構のお茶を実際に目で見て味わう楽しいイベントが近々開催。お茶摘み体験や手作り紅茶教室(どちらも無料)、さらにはジャンケン大会やミニライブのほか、大山町特産品を扱う青空市場も開催。新茶そばなどの地元名物を味わえます。また、お茶は下記のお店やホームページでも購入可能です。地酒、地ビールに続いて地元の紅茶「地紅茶」を、ぜひ味わってみませんか。

 

第13回『大山新茶まつり』
日時:2009年5月24日(日)10:00~15:00
場所:大山町陣構 茶工場・茶畑
お問い合せ:陣構茶生産組合 Tel & Fax 0859-54-4292(茶工場)
HP: http://www4.plala.or.jp/jingamae

写真提供/陣構茶生産組合

【陣構茶の買える・味わえるお店】
『みくりや市』
JR山陰本線御来屋駅構内にある農産物店。併設のミニ喫茶では入れたての陣構紅茶が味わえます。 
Tel 0859-48-4760  営9:30~17:00 日曜定休

道の駅『大山恵みの里』
山陰道・名和ICそばにある道の駅。紅茶ソフトは上品なミルクティーのよう。大300円・小200円。
Tel 0859-54-6030  営9:30~18:00(夏季) 無休