from ミュンヘン – 9 - クリスマス・マルクトで、
見て・食べて・飲んで・買う!

(2010.12.16)
新市庁舎前のマルクトは昼間もいいがライトアップされた夜は幻想的。

ミュンヘンと同じバイエルン州にあるニュルンベルクのクリスマス・マルクト(マーケット)は「クリスマス・マルクトの原型」とも言われ、毎年200万人以上の観光客が訪れるそう。でも、もちろんミュンヘンだって負けず劣らず見どころはたくさんありますよ。ミュンヘンのマルクトは何カ所かに分散しているので、地下鉄で移動して回るのが効率的。今回はその中のOdeonplatz駅(オデオンプラッツ)とMarienplatz駅(マリエンプラッツ)にある3つをご紹介します。

最初はオデオンプラッツから少し歩いたところににあるシーメンス本社ビル前の広場にあるマルクト。ここは今年で6回目という比較的新しいマルクトで、“中世をイメージ”して作られているため、屋台の従業員の衣装、食べ物、器など全てが中世風です。提供される飲食のメニューはあまり見たことのないものばかりで、中世風の料理などの屋台が並んでいてドイツ屋台に慣れ親しんだ人にとっても新鮮に映るかもしれません。樽で燻製にされた魚、肉にパンを巻きつけた串料理、豚の丸焼きなど、一度は試してみたい屋台料理が多くありました。

料理だけでなくドリンクの器も凝っていて、一般的にはいつもの陶器やガラスのマグカップで出されるGlühwein(グリューワイン)も、素焼きの器で出されるとちょっと贅沢な気分に。このほか燻製の魚が木の板にのせられて提供されるなど、中世の別世界に誘ってくれる仕掛けがところどころにあって楽しめます。ぼくが行った時はたまたま綱渡り芸や大道芸をやっていましたが、日替わりでサーカスやバンド、火を使った芸などが見ることができるのがここのマルクトの特徴の一つだと思います。(公式HPにてスケジュール確認可)。

大道芸で人だかりができていた。
魚の燻製を提供している屋台は中世の雰囲気たっぷり。
グリューワインはマルクとのドリンクの代表格。
落花生とかアーモンドなどナッツを炒って砂糖でコーティングしたお菓子。
友達は肉の串焼きを食べていました。

次に、同じオデオンプラッツの駅至近にあるレジデンツ横のマルクト。ここは周りを建物に囲まれた少し穴場的な雰囲気です。先週会社のドイツ人の同僚から「ここのマルクトのEierpunsch(アイヤープンシュ)は美味しいよ!」という話があったので覗いてみました。アイヤープンシュはEierlikoer(アイヤーリキュール)という卵のリキュールに白ワイン、バニラ、お砂糖、ラムなどを入れたドリンク。

ドイツでは赤ワインに香辛料をいれて温めたグリューワインが断トツで有名ですが、他にもクリスマスドリンクという意味のWeihnachtstrunk(ヴァイナハツ・シュツゥルンク)、ラム酒を注いだ砂糖に火をつけ赤ワインに注いだFeuerzangenbowle(フォイヤーツァンゲンボウル)、りんごジュースにリキュールを入れたApfelpunsch(アプフェル・プンシュ)など「寒いのを忘れるためなら何でもいい!」というほどいろいろな種類のドリンクが飲まれています。

今回初めて試したアイヤープンシュは、温めたアルコールをストローで飲むというスタイルに最初違和感がありますが、クリーミーなリキュールを使っているので口当たりがマイルドでなかなかイケます。このマルクトの特徴はドリンクが充実していることでしょうか。とりあえずたくさん種類があります。支払いのときの知識なのですが、ドイツのマルクトでは飲食の器にはpfandという保証金(デポジット)を支払わなければなりません。どこも同じシステムで返却時にそのお金は戻ってくるのですが、気に入れば記念に持ち帰ることでもできます。中世のマルクトの器は人気が高いのか原価が高いのか、他のマルクトに比べてpfandが割高で今回はやむをえず返却しました。

スーパーで買うグリューワインとは味が違う?
アイヤーリキュールはグリューワインに飽きたら挑戦くらいの気持ちでいいでしょう。
りんごのプンシュほかいろいろなメニューが揃う。

上の2つは「見るマルクト」と「食べて飲むマルクト」でしたが、「買うマルクト」となるとマリエンプラッツですね。ここではクリスマスオーナメントが充実していて、屋台の8割以上が木製玩具や陶器、キャンドルなどの手工芸品を売るお店だそうです。マリエンプラッツの新市庁舎前にはモミの木のクリスマスツリーがあるのですが、その高さは30mくらいとまさに圧巻です。売られている民芸品はちょっとオールドファッション感がたっぷり。でもよく探してみると意外といいものが見つかる不思議なマルクトです。特にツリーに飾る装飾品は手が込んだものが多いです。というわけで、このツリーの下で買い物をしているとついつい時間を忘れてしまいます。この時期、スリも多いようなので充分に注意してお出かけ下さい。
 

マルクトはほかにも英国庭園のChinesischen Turm(中国の塔)など各地で12月24日まで開催中。

 

【マルクトのサイト案内】

ミュンヘンクリスマスマルクト公式サイト
中世のマルクトの公式サイト(英・独)