from 東北 – 15 - 秋彩、高畠、budou、ブランドの背景に。

(2010.10.07)

ようやく暑い夏が過ぎ、秋の彩りに包まれはじめた東北。

この時期に旬となるのが、女性の人気ものブドウである。ブドウにはポリフェノールがたっぷり含まれ、いわば美容の果実。全国には有名なブドウ生産地があるが、東北にも全国を代表するブランドがある。それは「ぶどうまつたけライン」の名づけられた農道もある、山形県・高畠町。寒暖の差が激しい気候で糖度の高い巨峰やナイヤガラを収穫している。

栽培に適するか否かというのは大切な要件ではあるが、それ以上に農家として受け継がれてきたブドウに対する愛情があるように思う。ツルを棚に平均的に配し、まんべんなく日光にあたるように目を届かせ、樹がすくすく伸びるようにと、時には大きな枝を剪定することもある。大量に収穫すること=大きな売り上げ、とは考えていない。常に心にあるのは、農作物の状態を優先する姿勢と「おいしいもの」へのこだわり。

不況のさなか、多くの人間が脱サラし、就農する傾向が強まっている今日。メディア等でも、農業で起業というテーマを扱っているが、動機が「ビジネス」や「ストレスのない生活」だけといのはいかがなものだろうか。忘れてはならない。スーツを脱いだだけでは、おいしいブドウは作ることができないことを。

今、高畠町の農家では色々な品種づくりに挑戦している。近い将来、高畠ブランドから愛情が染み込んだ、新しいブドウが誕生することだろう。その日が待ち遠しい。