from ニューヨーク – 11 - ニューヨーカーの手作りファッション。

(2010.05.14)

皆さん初めまして! 井出香さんからエリアナビ「ニューヨーク」を引き継ぎさせて頂きます鈴木香織です。ニューヨークに住み始めて半年。学校帰りに、カメラ片手に新しい発見を探して街を練り歩いています。日常の中での小さなおもしろネタをレポートして行きたいと思います。感想やここを調べて来て、といったリクエストも大歓迎です! よろしくお願いします!

さてさて。ニューヨークに来て感じるのは、街ゆく人がファッションを自作のアートとしてまとっている人が多いこと。既製品では物足りないニューヨーカーたちは、自分で生地を買ったり、古着をリメイクしたりして自分流にアレンジするのがとても上手。そこには元気な個性と気張りすぎない柔軟さが同居しています。

ある晴れた昼下がり、チェルシーの街を散歩していたら、目に飛び込んで来た母娘! あれ、もしかして……おそろい?

あまりの可愛さに思わず走って追いかけてしまいました。
「春のはじめから着られるように、7分袖にしたの」とママ。

ママはチェルシー在住のデザイナーさん。生地屋さんで見つけた素敵な生地から娘とのペアルックにしよう!とインスピレーションを感じ、買ったその週にワンピースにしてしまったのだそうです。「これからセントラルパークにひなたぼっこをしにいくのよ」と、とても楽しそうなママと女の子でした。

ここチェルシーはファッションディストリクト(別名ガーメントディストリクト)とも呼ばれ、ニューヨーク中のデザイナーが集結するエリアでもあります。アメリカ全土で販売されている服の3分の1はここでデザインされているとか。

7番街と35〜40丁目界隈には、生地やボタンを扱うお店も集結しています。

ファッションカレッジパーソンズの間近にあるテキスタイルショップ。ファッション専攻の学生さんのほか、デザイナーさん、最近ではよく観光客も増えて来たとか。ニューヨークに遊びに来て、自分だけの1着を作って帰るという方も多いそうですよ。

床から天井まで所狭しと並ぶ品々。
「見つからないものは無いと思うよ」と得意げな店員さん。
中にはアメリカならではのラインナップも。

これは古着屋の多いイーストビレッジにある洋服の仕立て屋さん。

店主自らが広告塔となって(笑)飾られています。

古着のリメイクも根強い人気。古着ベースの鮮やかなリメイクがひと際目を引くお姉さんたち。ニューヨークを代表するファッションカレッジ、FIT (Fashion Institute of Technology)の学生さんです。

彼女たちはフランスから来ている留学生。パリにいる時より自由な発想で服が着られるからニューヨークが好きなのだそうです。色鮮やかな古着が手に入るのもニューヨークならではなんだそうですよ。

右の彼女は古着+H&Mで買ったカットソーをリメイク! 古着屋で買ったバレエシューズを自分の好きな形に切って、リボンをつけて完成!
さすがにこれは晴れの日専用かも!?

手作りは究極のお洒落!? ここニューヨークのファッションは日本よりも発想が自由で、ちょっとの違和感は気にしな〜いというラフさがある気がします。都会だけに洋服を買うのには全然困らないのですが、簡単に手に入るからこそ、洋服そのものを大事にする気持ちを見失いがち。でもこうして古いものや生地を自分なりにアレンジして身につけるって、エコを超えて、アートの感覚ですよね。

そしてニューヨークの人々は他人のファッションにも超敏感。私も手作りアクセサリーをつけて街を歩いていたら、「そのチェーン、クールねえ!!」と1日に2回も言われてちょっと得意になっちゃいました。本当にお互いを良く見ています。そして良いと思ったものは知らない人でも誉める! この文化、お洒落のしがいがありますね〜。

自分の作品を見てもらう、その気持ちそのものがお洒落ゴコロなのかもしれませんね。