from パリ(たなか) – pré 8 - 超初級フランス語入門 バレンタイン・チョコ。

(2009.04.27)

フランス語の授業では生徒同士がグループに別れて、簡単な日常会話を交わすレッスンが毎回ある。例えば電話で「もしもし、元気? JulienだけどAurelieを呼んでくれる?」みたいな、日本語にすればすごく簡単なフレーズだ。しかしフランス語にすると難しいのだ、これが。一つのフレーズは覚えても、三つ四つになると最初は忘れてしまう。

とにかく手っ取り早くおうむ返しに丸暗記したフランス語会話でも、突然の受け答えには記憶も追いつかず頭の中が真っ白。このレッスンはいつも冷や汗もんで緊張の連続。オジサンが若い人の足を引っ張ってはいかんと気を遣ううちはまだましで、すぐそんな余裕すらなくなってしまう。あとで思うと、必死に思い出そうとするショックが記憶の回路には重要なのかもしれない。

週末にバレンタインデーを控えた木曜日の授業。いつもより会話の練習時間が長く、みんな疲れた休憩時間に、Kayoが黄色い箱を取り出した。その中にはシャンパン入りの手作りトリュフが16個。トレビアン! メルシボクー! フランス語の教室で義理チョコを貰えるなんてラッキー! いや、8人のクラスで唯一の男性である私に作ってくれたわけではなく、生徒みんなに持ってきてくれたのですがね、もちろん。

Kayoはシャンパンバーのオーナー。お店でサービスに出すトリュフチョコを250個(!)夜なべして作ったらしい。彼女はシャンパーニュ地方へ行く機会があったり、客にフランス人が来たりするのでフランス語の勉強を始めたところ。高校生のMasumiとAyumiは4月から大学でフランス語を勉強する計画があり、Asukaは観光旅行者としてだけでなく将来フランスで生活したいという願望があるらしい。フランスで何度かパントマイムの公演をやったことがあるNozomiは、8人の生徒の中では一番のフランス語経験者であり、習熟度も高い。

女子生徒を気安く名前で呼んでいるのは、会話練習の時にはファーストネームで呼び合うのが決まりだから。先生も女子生徒も、私をKojiと呼ぶ。しかしみんなの名前をなかなか覚えきれないのが私の悩みの種ではある。

本場もんのシャンペンがたっぷり入った手作りトリュフ。うまい!
松の木まで続く緋毛氈と日傘のインスタレーション

 

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