LOOK JTB×マガジンハウス magazineworld『心ゆく旅・イタリアハイライト12日間』スペシャルサイトより その25 ~ ローマのガイド 中央市場で働く~
(2010.04.12)はじめまして。
フィレンツェの台所、と言われる中央市場で働く、YUKI と申します。
最近では多くの日本人の方がイタリア国内で活躍しておりますが、私もこ の中央市場で働き始め、8年目を迎えようとしています。
実は私、食べることが大好きで、軽い気持ちで始めたアルバイトがすっか りはまって、今現在、イタリア食材に関わっている訳です。10年程前のイタリアブームで、今では日本でも、多くのイタリア食材を手 に入れることが出来ますが、本当にイロイロなものがあるんですね。この仕事を始めてビックリしたのがバルサミコ酢の種類の多さ。` 酢`というからには、酸っぱいものだと思い込んでいたのは昔の 話。年代の若いものから Tradizionale (トラディツォナーレ)と 言われる数万円するものまで、多種多様。最近では、クリームバルサミコ 酢にフレーバー付きまで、出ています。このバルサミコ酢、元を正せば、モデナというエミリアロマーニャ州の小さな町の修道院で配られていた、お薬です。血行を良くする作用があるそうです。
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収穫したブドウをコトコト煮込んで、木の樽でねかしていく訳ですが、ね かせる期間が長い程、ドローっとチョコレートを溶かしたような状態にな り、甘味と香りが増していきます。ブドウの収穫数には限りがありますから、トラディツォナーレと言われ る、100%、ブドウを煮詰めたエキス(モースト ウーヴァ コット)を使ったものは、12年以上と25年以上のもので、1 本づつ番号がついている保証書付き。その他の多くのものはワインビネ ガーと合わせています。
年代の若いものは、サラっとして酸味があり、サラダ向き。8年く らい寝かすと、若干甘くなり、サラダに使っても、お肉のソースを作るの にも良いです。オリーブ油との合わせは、オリーブ油2に対し、バルサミ コ酢が1の割合が良く、パンにつけても美味しいです。12年以上の ものは、ドロっとして甘く、ソースとして使うと最適です。イタリアで は、チーズにかけたり、イチゴやアイスクリームにかけたりしますが、日 本人の私たちにはピンとこないので、例えば、エビやホタテ貝にちょっと かけたり、鶏胸肉のグリルにカルパッチョソース風にかけたりすると素敵 な一品ができます。クリームバルサミコ酢も年代物と同じように使えま す。オムレツにかけてもおいしい!!!
一つの食材でいろいろな物を作るという点で、日本と共通しているものが あり、ブドウからワインを作ったり、お酢を作ったり、奥が深いものがあ ります。日本の大豆みたいですね。でも何故か、ブドウジュースにはお目にかかったことがありません。
まだまだ勉強することがいっぱいありそうです。
太田 有紀
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http://magazineworld.jp/special/jtb/
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筆者プロフィール 太田 有紀(おおた・ゆき)
1971年 静岡県浜松市生まれ。1994年より4年半 建設会社設計部勤務。 Enoteca Lombardi |