from 山梨 – 15 - 箱根旅行〜復元されていた箱根関。

(2011.04.22)

4月最初の週末、1泊2日で箱根へ行ってきました。
当初は3月20日前後の連休で予定していましたが、東日本大震災の余震や計画停電、それに伴う宿泊先や観光地の状況を鑑みて2週間ほど延期。

旅行の目的は、3月21日に喜寿(数え歳で77歳)を迎えた義理の父のお祝いです。
赤いちゃんちゃんこと赤い頭巾を身につける還暦(数え歳で61歳)のお祝いに対して、喜寿のお祝いには紫のちゃんちゃんこと紫の頭巾。
プレゼントも紫色のものが良いとされているそうで、家族からは淡い藤色のセーター、紫色の琉球ガラス製グラス、紫色の萩焼の湯呑み、そして、喜寿のお祝いと本人の名前が入ったラベルを貼ってもらった山梨の酒造メーカーさんの日本酒をプレゼントしました。

週末にも関わらず移動中は道路の渋滞もほとんどなく、それでも観光スポットにはそれなりに人が出て混雑もしていました。
「地震から半月も経てば、そこそこ人は出てるんだなー」と思っていたら義理の姉が「やっぱり空いてるね~」と。
ああ、そうか、数え切れないほど私は箱根に来ているけれど、そのほとんどが平日だったのだ。
なので、義理の姉の言うようにまだ旅行などを控えている人は多いようです。
それとやはり、外国の方を全く見かけませんでした。

 
 

長屋の花見。
大家さんの音頭で貧乏長屋の住人が揃ってお花見に行くという落語、『長屋の花見』。
大家さん以下とにかく貧乏で、お酒も花見弁当もまともに用意することができない。
番茶を煮出して薄めたものを一升瓶に詰めた、お酒ならぬ『お茶け』に、卵焼き代わりの沢庵やかまぼこ代わりの大根のこうこを詰めた花見弁当。
大家さんに促されて一句詠めば『長屋中 歯を食いしばる 花見かな』。

このお花見は貧乏ゆえのことですが、警備や資材など、運営上の様々な要因からやむなく中止になるイベントも多い今の時期、特に被災地以外では金銭的、精神的に個人ができる範囲で工夫しながら普段通りの暮らしをしていくことも大切だと思うのです。
提灯がなければ桜を見ることができないわけでもなし、夜桜見物だって街灯や月明かりが桜を照らしてくれる。
桜の下で宴会ができなければ、桜を眺めた後に近くの飲食店へ行けばいい。
ちょっと工夫をすることで、いつもと違う楽しさや今まで気付かなかった発見をすることもあるのではないかと思います。

ちなみに東京のお花見の名所、上野公園(上野恩賜公園)には徳川将軍家の菩提寺である寛永寺があり神聖な場所とされていたため、江戸時代には敷地内での宴会も夜桜見物も禁止されていたそうです。

 
 
 

箱根の定番、箱根関と大涌谷。
さて、箱根。
箱根と言えば、箱根の関所。 
新しい建物が建っているなあと思ったら、1999年から関所跡の発掘作業~復元作業が行われ、2007年からは復元された関所跡が全面公開されていたのだそうです。
 
交通の要所に設けて、人や物が動くことによる徴税や検問を行う関所は日本全国にたくさんあって、箱根山だけでも6ヶ所の関所があります。
また、日本最初の関所は『改新の詔』によって、飛鳥時代に設けられたと考えられています。

1590年に天下を統一した豊臣秀吉が1598年に亡くなった後、俄然勢力を強めていった徳川家康が1600年の関が原の合戦で覇権を決定的づけ、その3年後の1603年に征夷大将軍となり、江戸幕府を開く。
江戸幕府によって箱根関が現在の場所に設置されたのは1619年頃と言われています。
その後、1867年の大政奉還によって250年近く続いていた江戸幕府が倒れ、1869年(明治2年)に明治政府によって全国の関所が廃止されたとき、箱根関も廃止されました。

以前からある『箱根関所資料館』内で復元工事の様子を納めた映像も放映されているので、まずこれを見てから復元された関所跡を見にいくほうが断然楽しいと思います。
資料館の真ん中に展示されていた、静岡県の個人の方が作られた精巧な大名行列の人形には驚きました(資料館内は撮影禁止なので、写真がなくて残念なのですが)。

そしてもうひとつの名所、大涌谷
箱根の温泉の、ここが泉源地です。

 

 

ここでは、うっかり白煙噴出孔の風下に入ってしまうとそのにおいで大変な事になります。
目の前で噴出しているのでつい忘れそうになりますが、この白煙は人体に有害な火山性ガス(硫化水素、二酸化硫黄)で、注意を促す看板も立っています。

 
山梨から箱根は、精進ブルーライン~富士パノラマライン~東富士五湖道路~箱根裏街道を利用して、車で二時間半くらい。
温泉なら山梨県内にもたくさんありますが、今回は東京から来る家族との中間点で、ということで箱根を選びました。
久しぶりに足を運んだら、あちこち再訪したいところが出てきたので、また近いうちに訪れたいと思っています。