Hanako TRAVEL 特別編 名城と美酒・美食の姫路紀行日本初の世界遺産「姫路城」と
姫路の美食&美酒を訪ねて

(2013.06.13)

2014年大河ドラマの主人公は
姫路の人・黒田官兵衛。

富士山の世界文化遺産への登録が決まり、日本中が盛り上がる中、来年2014年に向けてじわじわと盛り上がりを見せているのが、1993年に日本初の「世界文化遺産」登録を果たした「姫路城」。「白鷺城」とも呼ばれるその美しい天守閣は、江戸時代初期の1609年、徳川家康の女婿・池田輝政の築城。以来、幕末の動乱や戦災を乗り越え、幾多の大改修を経て、当時の姿を今に伝えている。まさに日本を代表する名城です。

しかも来年2014年のNHK大河ドラマは織田信長、豊臣秀吉の天下取りに大いに貢献した”稀代の軍師”黒田官兵衛を主人公とした『軍師官兵衛』に決定。黒田官兵衛は姫路出身で、秀吉に譲るまで姫路城主であったなど、その生涯の大半を姫路で過ごした。本能寺の変の一報を受けて主君・秀吉に即座に毛利輝元と和睦して光秀を討つよう進言。天下取りに大きく前進した「中国大返し」など、歴女ならお馴染みのエピソードも多い戦国時代のヒーロー。今回は官兵衛にちなんで姫路と姫路城を堪能します。

江戸時代の武家屋敷を実感できる『好古園』

姫路城内に入る前に、まず訪ねたのは姫路城西御屋敷跡庭園『好古園』。1992年に姫路市制100周年を記念して開園した池泉回遊式庭園は、武家屋敷跡などの地割を活かした大小9つの庭園群は門や塀をくぐるごとに景色が変わり、当時の風情が偲ばれます。でも、夜中に酔って帰ったら迷子になりそうです。

そこで私たちを迎えてくれたのが、今の日本には欠かせないゆるキャラ。姫路市イメージキャラクター「しろまるひめ」と、官兵衛イメージキャラクター「かんべえくん」。(しろまるひめ、ちっちゃいけど大丈夫か? 中の人)そして甲冑姿でEXILEのように踊りまくる「楽踊楽座」の若者たち。姫路のテンションはいきなり最高潮に! あ、入り口で1鉢100円で売っていた山野草も買いたかったなー。

『好古園』
住所:姫路市本町68
TEL:079-289-4120
料金:一般300円 小・中学生150円
開演時間:9:00〜17:00(入園は16:30まで))
休園日:12月29日・30日


左:姫路のゆるキャラ、しろまるひめ(左)、かんべえくん(右)
右:イベントなどで活躍! 踊って歌える「楽踊楽座」

一鉢100円で売っている山野草が人気。
大河ドラマ『軍師官兵衛』を記念した”官兵衛御膳”

周囲までを含めれば、とにかく広大な姫路城。見学の前に、まずは腹ごしらえということで、好古園内の『活水亭』へ。錦鯉が泳ぐ池や滝を眺めながら、穴子やそばなど地元のグルメが楽しめます。今回いただいたのは来年の大河ドラマ放映を記念した新メニュー『官兵衛御膳』(2500円)。明石のタコや姫路の穴子をはじめ、地元の食材をふんだんに使った盛り沢山な内容。3日前までの要予約なので、旅行の予定が決まったら早めにチェックだよ!

お腹いっぱいになったら、さあ姫路城へ! と見せかけて、次はお茶の時間。裏千家家元・千宗室氏の設計・監修による『双樹庵』へ。それぞれの部屋が姫路城の天守閣に向かって設計されている本格的茶室で、美味しい抹茶と生菓子を一服。庭園をすっかり堪能したら、こんどこそ姫路城へ!

『活水亭』
住所:姫路市本町68(好古園内)
TEL:079-289-4131
営業時間:10:00〜17:30(9月1日〜4月26日は10:00〜16:30)
定休日:12月29日・30日

『双樹庵』
住所:姫路市本町68(好古園内)
TEL:079-289-4121
料金:一席500円(お茶付き)
営業時間:10:00〜16:00


左:活水軒では、鯉の泳ぐ池に緑が映える美しい庭を眺めながら食事を。
右:活水軒の官兵衛御膳2500円。1日限定10食、3日前までに要予約。

散策の休憩にぴったりな茶室・双樹庵。
お堀をゆらゆら、往時を偲ぶ和船体験

天守閣見学の前に向かったのは姫路城の内堀。なんとこちらでは和船の乗船体験ができます。江戸時代に姫路城のお堀を往来したといわれる和船が2013年3月に復元され、シーズンによって土・日・祝日に運行しているのです。風情たっぷりな笠をかぶり、普段見ることのできない角度から石垣や樹林を眺めることができます。満腹でゆったり揺られていると、思わずうとうと。夏の間はお休みですが、秋からまた運行開始とのことです。

姫路藩和船の乗船体験
問い合わせ先:姫路市観光交流推進室 TEL:079-287-3652


江戸時代の情緒たっぷりの和船。体験してみないとこの風情はわからない!

レトロな姫路市立動物園を船上から眺める。
修理中の今だけ!
「天空の白鷺」から鳥目線で見る天守閣。

さて、いよいよ本日のメインイベント、国宝姫路城の天守閣を目指します。実は今、姫路城は平成21年に始まった大天守修理期間の真っ最中。建屋に覆われて、外からその美しい姿を見ることはできません。でも、がっかりしないでください。逆に今しか拝めない景色を見ることができます。

向かったのは姫路城大天守修理見学施設『天空の白鷺』。建屋の中のエレベーターに乗って、海抜100mに設置された見学スペースまで昇れば、大天守最上層の大屋根、破風や懸魚を間近に見ることができるのです。この施設は修理が完成すれば撤去されてしまうため、鳥の目線となって天守を見られるのは2014年春頃まで。間近で守る壮大なスケールの屋根は、まさに息を呑む迫力です。

優美さと機能性を兼ね備えた櫓や門の数々、石組みに職人の技が光る石垣、時代ごとに特徴のある鯱や鬼瓦など、見所満載の姫路城。時間を忘れて歩き回っているうちに夕暮れに。たっぷり歩いてお腹も空いて、やっぱり夜は美味しい穴子を肴に姫路の日本酒が楽しめるお店へGO!

世界文化遺産 国宝 姫路城
住所:姫路市本町68
TEL:079-285-1146
入場料金:大人200円 5歳〜中学生100円
入城時間:9:00〜17:00(9月1日〜3月31日は9:00〜16:00)、閉門時間18:00(9月1日〜3月31日は17:00)
休園日:12月29日・30日

天空の白鷺
入館料:大人200円 5歳〜中学生100円
開館時間:9:15〜17:30(9月1日〜3月31日は9:15〜16:30、入館はそれぞれ15分前まで


左:目の前に姫路城天守閣の最上層が! いつ見るの? 今しか見れないでしょ!
右:「天空の白鷺」から姫路市街を望む。

クリスチャンだった官兵衛ゆかりといわれる十字の瓦。
美味しい地酒をキュ! 極上の穴子をパクッ!

美食と美酒の地・姫路。姫路駅前から歩いて5分ほどにある創作和食居酒屋『一張羅』では瀬戸内産の活穴子をいただけます。本日セレクトしたのは穴子づくしの豪華8品の「姫路穴子の豪華一張羅コース」。淡白なのに味のしっかりしたお造り、さっぱりいただけるしゃぶしゃぶなど穴子をまるごと堪能。おいしい水、良質な酒米、優秀な杜氏と三拍子そろった姫路の地酒をクイクイ。あー、シ・ア・ワ・セ……。姫路の夜は日本酒のグラスの向こうに滲んでいくのでした。

一張羅
住所:姫路市駅前町345 みき正駅前ビル 地下1階
TEL:079-288-7714
営業時間:11時〜14時(売り切れ次第)、17時半〜22時(LO)
定休日:月曜(ランチは月・火曜休)


「姫路穴子の豪華一張羅コース」は5250円(2枚様より。要予約)

どれもおいしくて全部試したくなる姫路の地酒。